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エッセイアラカルト

呼吸のしかたは誰も教えてくれない

作者: 降井田むさし

 習う。それはいいこと。習うと、できるようになるのだから。

 見て、真似をする。それもいいこと。技術が、向上するのだから。

 教えてくれなくても。調べれば、どうにでもなる。調べようとする、気持ちが大事だ。


 ただ、分からないこともある。本能的にしていること。意識しないでしていること。それだ。

 そんなの、ネットには載ってないはずだ。誰でもできることだから。

 呼吸をすること。呼吸の仕方。それは、どこにも載ってない。だから、難しい。難しい。


 普通にしていて、呼吸ができない僕。そんな僕は。もう。もう、どうすることもできない。そういう人間なんだ。

 そもそも、常識が抜けている。他の人が、無意識にやっていることができない。誰もが分かることが、なかなか理解できない。変っちゃ、変なんだ。


 そして、他の人にできないことを軽々やる。なんか、出来てしまう。できても、嬉しくない。

 難しいことではなく、簡単なことを出来るようになりたい。普通のことを、そつなくこなして、普通に生きていきたい。


 特別な存在よりも、普通に呑まれていたい。普通代表として生きていたい。大袈裟に言うのなら、【佐藤ふつう】という名前になってもいいくらいだ。

 言い過ぎた。言い過ぎた。言い過ぎたけど、そのくらいの気持ちだ。


 子供の頃から、奇行少年だった。少しややこしいか。奇行だ。非行ではない。非行少年ではない。

 気付かないうちに、変なことをする意のやつだ。背いてない。背いてないやつだ。


 教えてもらってないから。教えてもらってないから、分からないよ。奇行か、奇行じゃないかなんて。区別できないよ。

 子供の頃に、そんなの分かるはずがない。備わってないのだから。なんにも、備わってないのだから。


 そして、家庭環境もそうだ。少し変わってる。少しか、いっぱいかどうか、自分では判断しかねている。

 とにかく、そんな感じだ。だから、常識が育ってこなかったんだろう。


 チェーン店しか、行かない家庭だった。月に1回くらい外食に行っていた。ただ、チェーン店のカレー屋と、ラーメン屋の繰り返しだった。


 だから、会社の人に近くのおすすめの飲食店を聞かれても。言えなかった。ステーキチェーンしか言えなかった。

 ステーキチェーンを言った。そして、変な空気になった。チェーンしか行かないのは、普通か。よく分からないが。


 家族旅行は、したことがない。日帰りの近場のおでかけを、旅行と呼ぶのなら。行ったことあることになる。

 遊園地やショッピングセンターを、旅行と呼ぶのか。たぶん呼ばない。学校行事で外泊した以外、外泊はない。


 そんな僕だから。何も身に付かない。マイノリティファミリーみたい。そこにいたら、マイノリティヒューマンが、造り上げられる。

 だから、検索した。検索して検索して、検索しまくった。

 そして、検索の鬼となった。ネットには、常識が溢れ返っているから。【普通】に憧れる人の、行き着く場だ。検索は。




 潜在。常識は、潜在が5割。そんなことはないが。それくらいだと、思い込んでいる。一般的な人ならば。

 洗剤。潜在の常識のほとんどを、生まれたときに洗剤で。洗剤で洗い流したんか。それくらい、変人だ。


 僕はAB型だ。 AB型は生きにくい。変人扱いされるから。普通にしていても、ボケを炸裂させたのだと思わせてしまうから。普通が変なのだ。

 小さい頃に、変を否定され続けた。だから、普通を追い求めてしまった。そういうことかもしれない。


 AB型専用。それがあれば、生きやすくなる。そう思う。ペンを握るにも、靴を履いて歩くにも。癖が漏れ出す。

 普通のものだと、神経を痛め付ける。だから、AB型専用のものを作ってほしい。

 左利き用ハサミとか、色々あるのだから。AB型用メモ帳とか、AB型科の病院も、あればなと思っている。


 健康診断に行った。採血で気分が悪くなる人か、聞かれた。ハイと答えた。そしたら、隅のうす暗いベッドに連れていかれた。

 そして、針が苦手なのか的なことを聞かれた。全然苦手ではない。だから、全然平気です、と答えた。採血してくれる人も、えっ?みたいな顔をしていた。


 そこで、すれ違いに気が付いた。自分が変なことに気付かされた。こちらは、採血後30分から1時間の間で、気持ち悪くなる。そして、ぶっ倒れる。

 そのことだと思っていた。気分が悪くなると聞いて、針のことなんて、一ミリも考えてなかった。


 採血の少し後、50%の確率でぶっ倒れていれば、そう思い込むのは、仕方ない。ただ、そこにいた人によると、ぶっ倒れたり貧血は、すぐになるらしい。

 1時間後に気分が悪くなる人なんて、聞いたことがないらしい。また出たと思った。特殊が。


 医療関係者に、よく分からないと言われたのは、何回目だろうか。5回は言われていると思う。

 病名を、基本は言ってくれない。原因不明の微熱が数年続いたときも、何も言ってくれなかった。25年前の話だ。

 3年くらい続いたと思う。37度5分以下に、一回も下がらなかった期間は。


 1000日連続で、37度5分以上とか。僕は馬か。馬の平熱はそれくらいだから、僕は馬か。そう思ったりした。

 物心ついた頃から今までずっと、うす気持ち悪い。めまいや立ちくらみが毎日で。立ちくらみが日常化してしまった。

 色々あるから、普通が一番幸せなんだな。そう思うことになった。原因不明は怖いものだ。




 本題。ここで、本題に入ろうと思う。真面目。真面目すぎちゃう。それが、悩みだ。

 自分では、普通だ。普通なのだが。他の人が、不真面目だとは思うのだが。流石にオンリーだと、普通じゃないのだろうな。


 交通量のある交差点の、工事中で車が通っていけない側の歩行者信号。そこで、一人だけ止まっていた。赤だから止まったけど、自転車がバンバン信号無視してくる。

 誰も止まっているところを、見たことがない。本当、何で止まらないのか疑問だった。止まってはいけないのかと、思うくらいだった。


 真面目にまっしぐら。真面目すぎちゃう。自分ではあまり思わない。だけど、真面目と言われる。疲れるでしょ?とよく言われる。

 でも、真面目にやらない方が疲れる。不真面目だと思われていると、考えるだけで疲れる。

 休むと疲れる。休むのが、みんなの働くだ。休むのが苦手。だから『マグロ』と言われたこともあった。


 真面目は、目指す常識に従ったからだと思っていた。だけど、違うみたいだ。

 変と思われたくなくて、真面目になったのなら、こんなことにはならない。

 真面目すぎて、変だと思われている。それは、本能の真面目さなのだろうか。


 まとめると、教えてくれないものを補うために、忠実人間になった。そういうことなのだ。そういうことなのか?

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