盃から溢れしは、祝福かそれとも…
戌神徳川夏
猿神明智 焔燈籠との戦争が再びハジマレリ、4度目にし、双方の戦績は2勝2敗。次の戦いにて決着を付け、強きは決する。
このお触れが出回るまではそう時間が掛からなかった。彼女らは文字通り犬猿の仲である。前までは賭けなどが盛んだったが、もう正直、面白味もないので誰も興味を示さなかった。帽子の女王以外は…
この戦争を止めるそれが世界の滅亡を止めることに直結する。実際、女王も戦争自体には、興味はない。彼女が危惧するのは、そんなことではない。
「永満の紫煙、バス界から来たとされる盃。存在してはならない物。世界から否定されし其の物は伝説上のものとされているが、今回の戦争はこれが鍵となる。これの破壊が君、福招咲 忍雷の1つ目のクエストの概要です。ただし、このクエストの達成条件は破壊だけとは限りません。盃召喚の阻止、
盃が使用される前の戦争の終結。このクエストの難易度はとても高いです。2つ目は、1つ目に比べて簡単ではありますが、これを頼むことができるのは貴方がた簒奪者だけなのです。簒奪者という言葉に聞き馴染みはないと思いますが、アルト界に住む貴方がたを指します。潜技には種類があります。アルト界、ソプラノ界では根本的な潜技の仕組みが違うのです。
貴方がたは身勝手でとても横暴です。あなたは自分の潜技のについて完璧に説明することはできますか?あなたの潜技も何かを奪っているのではないですか。」確かに僕の天気予報は空の未来を奪う。無数に有ったはずの未来、分岐の選択肢は全て僕が奪ったということか。
「ソプラノ界に住む私達は禅譲者は何かを与えます。ですがソプラノ界に生まれてしまったのです。簒奪者の潜技を持った者が…その者はいま不幸のどん底にいます。私には住人の事は全て分かります。なぜなら、神国の住人はみな神の分け身なので分かるのです。その方を救ってもらいたいのです。長くなってしまいましたがこの2つの解決をお願いしたいのです。」レベル1のルーキーに頼んで良いクエスト内容じゃないな。「レベルはご心配なく!私どもでレベル上げのお手伝いをします。」ひとまず疲れた。「女王様、本格的な活動は明日からでもよろしいでしょうか。」
「ムギー宿まで案内しな〜。」いつもの口調に戻り、とても機嫌が良さそうだ。「こっこでございます。良き休息を。」
床についてまたノートに今日のことをまとめた。僕を取り巻く環境すらも全ては観測されている。
永満の紫煙を纏いしは、英雄か叛逆かこの戦争が招く結果は、祝福かそれとも災禍か世界に拒まれる者は戌なのか猿なのかそれとも…