初魔法
そして翌日、樹は冒険者ギルドに足を運びまた討伐依頼を受ける事にした。今度もスライムの討伐だ、依頼を果たす為に防壁を出てスライムなど低級の魔物が出る森へ入るが目的はステータスにある魔法を試す事である。
「さて先に魔法を試すか。てかどうやってやるんだ?ステータスプレートで調べれるか?」
ステータスプレートを取り出し風魔法と書かれた欄を検索してみた。
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風魔法:風の力を操り攻撃と補助が出来るバランスの良い魔法。使えば使うと魔力能力値が上がり、スキルランクが上がる。スキルランクが上がればそのぶん威力は上がり、効果時間は伸びる。イメージを強く持つことで魔法を作る事も出来る。
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「って・・・ただの説明じゃねぇか、これ。いやでも、風を操れるって事はもしや。」
ゆっくりと右手を正面にかざし
「風刃」
そう詠唱した瞬間風の刃が現れ、目の前の木に掠った。男なのだからかだろう、樹は今出来た事に興奮し色々試してみたい欲求に溢れ出たが丁度スライムが出てきたので、短剣に魔法を付与出来ないかと?いきなり実践してみることに。
「風刃」
同じように詠唱し短剣を振る、そして振られた剣から斬撃が飛びスライムの核ごと切っていた。
「ありゃ?、結構切れるのか。これは凄いなぁ。しかし慣れないとなぁ。」
苦笑しながら樹はスライムの核を回収しスライムを10体討伐依頼どうり倒しきった。
「ふぅ、これで完了と、あれ?、てかここ何処?もしかして迷子かな?森の奥まで行き過ぎたか?」
そう気が付いたら奥からガサガサと音がし、樹は気を引き締め音がした方へ顔を向けた。
「「「「「ガルルルゥ・・・・」」」」」
「ワォーーーン!!」
そこには5匹の狼の群れがいた。一番奥には、身体が一回り大きい群れの長っぽい狼が1匹いる。その狼吠えて周りにいた4匹が樹の方へ突っ込んできた。樹は手に持っていた短剣に風刃を付与して大振りし一旦距離をとろうとした。だが狼たちは野生の勘で飛んできた斬撃を避け迫り来る。樹は近付いて来る狼たちに無意識に手を向け、身を守るために別の魔法を詠唱する。
「暴風壁」
そう詠唱し樹の周りに、明らかに自然とは違う強風の壁ができていた。狼たちはその壁に阻まれ距離を取った。樹はその間にどう狼を倒すか冷静にいようと努めてるが本能的な恐怖に思考がついていかない。
(はぁ、はぁ、深呼吸したいけど・・・っぐ、それをやったら突破されそうだ、何か策を、策を・・・やっぱり新しく魔法を作るしかないか・・・でも風を操るって・・・あれ出来るか?いや、やるしかねぇ・・・一発できめる)
樹は暴風壁を解いて直ぐに
「衝撃波」
と詠唱しフィンガースナップをした。近づいていた4匹の狼はその迫力で足がよろめき、隙を突かれて大振りされた[風刃]でとどめを刺され、その中央から寄ってきていた長の狼は後ろへ飛び下がり樹と睨めっこ状態になった。さらに樹は短剣を握りしめて攻め込む、長の狼も攻めていく。剣を振っては交差し避けられまた振っては交差し避けられるを何回か繰り返し、樹が動いた。樹は短剣に魔法を付与し、狼に剣先を突き付けた。狼は突き刺されてというより、貫かれたか血潮を流して倒れた。樹も緊張感が抜けたように座り込んだ。樹が剣に付与した魔法は[天界突風撃]この魔法は魔力を貯める分だけ威力と貫通力を上げる魔法で[衝撃波]を元に突き付けるだけで出来る魔法である。ぶっつけ本番であり、まだ魔力消費が悪いため、一度きりの賭けでもあったのだ。
「はぁはぁ、もう無理帰ろ・・・・・」
空元気な感じで樹は狼たちの犬歯も証拠にと回収し土葬してギルドに報告しに行こうとしたが、街に着いたのも夜の7時はまわっていたため翌朝にすることとした。
誤字脱字教えてくださると嬉しいです。
ヒロインはまだ後3話ぐらいお待ちください。