第一話 強欲な者“Silze”
彼。――シルゼは世界樹。地下1Fの攻略をする。
そして、突如としてシルゼに風を切り突撃して来るものがいた。それは粘性生命体だ。スライムは、「プギィー!」っと叫び、突撃してゆく。しかし、シルゼが易々と避け、壁に激突し、ビタンっと音を立てて傷を受けた。しかし、スライムの傷はまるで無かったかのように傷が修復する。スライムの持つ権能【自己再生】によるモノだろう。そして、ニヤリっと。シルゼは笑った。そして、口を開く。「権能、【強欲】。」そう言った瞬間、黒色に染まった魔力がシルゼの体を纏い始める。最強クラスの権能。七つの大罪。その一つ。【強欲】。これを発動した瞬間。スライムに変化が起きる。スライムは一瞬にして消滅し、存在ごと消え去ったのだ。そして、残った魔力の残滓がシルゼの身に集まってゆく。これも、【強欲】の権能。「権能殺奪」である。そして、その権能を使用した結果、自己再生を獲得したのだ。ちなみに補足だが、強欲は、本来、攻撃に転じるのは無理な権能である。しかし、発動時に吹き荒れる魔力を応用し、スライムを殺したのだ。そう。この時点で、シルゼがとんでもない実力者だという事が理解できるだろう。そんな感じで、案外サクサクと地図作成していったのである。
そうこうしている内に、貧獣亜人と遭遇した。ゴブリンは、スライムのように、権能を持たない。その代わりに身体能力、低いながらも知性を会得している。その為、【強欲】から迸る魔力では撃破出来ないのだ。それをシルゼは理解し、肉弾戦を持ちかける。本来ならば、肉弾戦よりも、遠距離で魔法を放つ方が効率も良く、合理的である。けれど、シルゼは、魔法を勉強していない為、扱えないのだ。だから、効率が悪くても、例え身体能力が低くても、肉弾戦しか選択肢が無いのである。そして、無論只の人間がそんな状況にあるならば、真っ先に逃げる事を考える。しかし。シルゼには、スライムから殺して奪った、【自己再生】がある。だからこその作戦とは呼べない程の杜撰な計画出会った。そして、結果は、何とかシルゼの勝利であった。
しかし、流石にこれ以上は厳しいと感じたのか、帰路についてゆく。だが、何故か先程よりも身体能力が上がっている。ちなみに、今のシルゼのステータスはこんな感じである。
シルゼ•ノヴァアクシオン
年齢十五歳
攻撃 10
防御 8
速度 10
魔力 10
魔攻 2
魔防 2
である。この異常な程の上昇も【強欲】の効果である。名を、【武力殺奪】と呼ぶ。【権能殺奪】も、【武力殺奪】も相手を殺さないといけないのがネックだが、殺せば殺す程に強くなる。シルゼが強さに固執し過ぎて人間までも殺すタイプじゃ無くて助かった。――っと考えるべきである。それが、強欲な者、シルゼ•ノヴァアクシオン(Silze•Novaaxion)であった。
ブクマ、評価お願いします!
スライムは、【自己再生】、ゴブリンは身体能力、知性。中々強いですよね。