表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

僕があの日に描いた夢は

作者: 羽宮悠夜
掲載日:2020/12/20

書きたかった世界はどんな場所だっただろう。

僕の中にしか存在しない世界。

夢という言葉の姿、そして形。


そこには君がいるはずだった。

そしてそこはたくさんの願いで満ちていた。


僕の願いとは何だっただろう。

一番輝いている願いは何だっただろう。


君に愛されること?

君が幸せでいること?

どちらでもない。


僕の側に君がいて、君の側に僕がいることだ。


手を繋がなくていい。夕焼けの片隅に紛れていなくていい。何なら声が聞こえなくてもいい。


――「大切な人」という言葉が指していたもの


漠然とした答えでいいなら、その関係がいつまでも続いて行くことだ。

恋人や婚約者なんて名前もいらない。


「大切な人だった」といわなくていい世界。

それは、「大切な人だ」といい続けられる世界。


僕はまだここにいる。




……。


そうして気づくんだ。

僕は2015年8月14日から何も変わっていないということに。




僕はまだ諦めずに君を探しているんだ。

僕に裏切られて、僕に傷つけられて、僕が怖くて向き合えない君のことを。

君はあの日の君を思い出さない。あの日の僕を思い出さない。僕を信じない。それを僕は知っていても。

君は僕を望まない。側にいたいなんて思っていない。大切だなんて思っていない。

後悔なんてしないし、期待されるのも嫌。


わかってる。わかってるんだよ。君からもらった言葉の全てをね。

でも残念ながら、あれから5年後が経った今の僕は、君の思惑通りどこも変わっていない。

理由はひとつ、それだけでいい。




君のことが大切だから。



-----------------------------------------------



ここで小説を書くのはこれが最後になるだろうか。

ここで……?

「この人生に於いて"僕"の言葉で書くのは」

といったほうが近いかもしれない。

君から返信が……問いかけの小説でもあれば、まだ書くことはあるかもしれない。

それはそうとしても、僕が秘めていた想いはこれで全部だと思っている。

何か付け加えるにしても、蛇に足を生やす程度にしかならないはずだ。

僕が君に伝えきれなかった言葉、想い、願い、夢。これは……愛とでも呼べばいいのかな。

ひとつも伝わらなくても僕はもう十分満足だよ。

残りの人生の全てを費やして、君を忘れるための努力をするだけなのだから。

恋人を何人作ったって、一緒にいて、話して楽しい友人を何人見つけたって無駄なのだから、あとはもう時間くらいしかないんだ。


この夜が明けたら、隣に君がいますように。


ありがとう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ