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Prologue. ある少女の回想~創世~
次話から本編が始まります。
静寂が支配する空間に少女は佇む。全てを透過してしまうような『白い世界』の中で少女は微かな笑みを浮かべた。
「私の願いは……ここに成就する」
世界が定義される。
世界が構成される。
世界が改変された。
白に支配された世界はまず三つに分割された。
三つの世界は互いに溶け、交わり合う。交接した世界は無数の色を放ち解き放たれた。
そして世界は定着し、幕は引かれた。
少女は世界を『観測』する。
「妾の世界、それは『彼女』にとっての理想郷。妾は世界の基底として『観測』する。『観測』の果てに妾の世界は完全になる……!」
少女は永い眠りにつく。しかし少女は世界を『観測』し続けていた。ただ一人、彼女が待ち望む存在が引きずり込まれることを待ちながら……