突然の悲報
その場のノリで投稿していくので、結構不定期になります。週一位で書ければいいなと。
勇者が、敗北した。
その報せは突然であり、また途方も無い絶望を人類に与えることとなった。永く戦ってきた人間と魔族の歴史、その中でも切り札とされて来たのが勇者という存在である。
敵である魔族の王、魔王を打ち滅ぼさんとする役職。人類の代表としての器、また力を持つまさに希望の象徴、それが勇者としての在り方。
実は勇者が敗北する事自体にそれ程大きな衝撃は無い。魔族の陣営に攻め入り、ましてやその王を取るなど、負けるのが自然というものだ。選出の最初の方は選出の度大いに盛り上がっていたそうだが、長年の間選出されては負けるを繰り返している為、近年では勇者への期待はさほどされておらず、どこまで進めるかで賭け事すらされているような始末だった。
だが、当代の勇者はこれまでとは訳が違う。僅か16の若さで歴代最強の勇者と謳われるジターンと同等の戦闘能力を持ち、称号を授与される。そして約10年間の修行を積み、遂に討伐への旅を開始、歴代が平均で数年かけて進んでいた旅路を僅か半年で踏破。次々と要塞を打ち破り、、四天王の撃破報告も上がっていた。
この快進撃を聞き、今度こそ魔王を倒す勇者が現れたと人類は騒ぎたて、いつしかその勇者は"神"と"真"を掛け、遠回しに歴代への侮蔑を含みながらこう呼ばれるようになる。
"神勇"グラウス と。
よろしくお願いします。