十九章 荷運び・メイナード
返事がない。ただの屍のようだ。
地上に生還した南の勇者一行は、ただ2人。
最深部の、迷宮核が隠されていたと思われる大広間で、南の勇者・ルクレイシアは死亡。
その他、多くの冒険者、並びに同行者も、最深部の大広間で死亡。
その後、21日間掛けて、戦士・パトリック、弓使い・エメリーンのみが帰還した。
戦士・パトリックは酷く錯乱しており、弓使い・エメリーンによって施療院に収容された。
また、遺体は迷宮の奥底であるが、ギルドハウスに残された遺品を遺体の代替として、南の勇者一行は弓使い・エメリーンによって丁重に葬られた。
唯一、遺体の持ち出しの叶った、荷運び・メイナードは遺体の腐敗が激しく、一般的な土葬ではなく、荼毘に付された。
南の勇者の遺産は、弓使い・エメリーンが引継ぎ、その大半は彼女によって慈善院――救貧院、孤児院、音楽院――に、寄付された。
救助部隊には、出会えなかったと言う。
恐らく、質の悪い救助部隊であったから、魔物に殺害されたと思われる。




