はじめてのクエスト1
チュートリアルが終わり、身体の光りが収まると転送が終わり異世界に着いた。
《カンナの町》
目の前には新緑に覆われたレンガ作りの近代建物が目立つ。
後ろには大きな防波堤があり、大きな船が何隻も並んでいた。漁業が盛んな町のようだ。
周りをキョロキョロと見渡していると
「ハールーっ!!!」
猫っぽい獣人が大きな手を振ってこちらを見ている。
「えっ?ナツ!?めっちゃ可愛いっ!!」
とりあえずモフモフしてみた。
「ちょっとやめてっ!
チュートリアルお疲れ様ー!どうだった?」
「やっぱバトルセンス皆無なのを実感したよ」
「もしかしてスライム倒せなかった?」
「ちゃんと召喚獣出して倒したよ。」
「なら、問題ないじゃん!じゃあまずはクエストしにいこーよ!」
このゲームには、『ストーリークエスト』、『サブクエスト』、『迷宮クエスト』、『強制クエスト』が存在する。
ギルドやNPCからのクエストの大半は『サブクエスト』らしい。
「と、その前にハルとフレンド登録してPT登録しないとね!」
ナツからフレンド申請とPT申請のメールが届いた。
「ちょっと!ハルこのステータスどうしたの?HPがたったの20しかないじゃん。」
ゲーム苦手のハルでもそれくらいのことはわかっている。自分で戦闘しないし、まっいいかくらいしか考えていたかったようだ。
「だって職業選んだら勝手にそうなったんだもん。仕方ないじゃん。」
「メインもサブも術師にするから打たれ弱さが倍増しちゃったね!まぁ私が守るから安心して!」
元々、その予定だし。私は後衛でサポートでもしよ。錬金術ってスキルも早く試してみたいな。
ナツはメイン職業何にしたんだろう。
【ユーザ名 】ナツ
【種族】獣人族(猫人族)
【メイン職業】闘士LV1
【サポート職業】踊り子LV1
◆HP 130
◆MP 70
◆筋力 8 +1
◆体力 5
◆魔力 2
◆精神 5
◆器用 2
◆敏捷 8 +7
●攻撃力 53
●防御力 23
●術攻撃力 4
●術防御力 23
【職業専用スキル】
殴技LV1 蹴技LV1 舞踊LV1
【セットスキル】
闘争心LV1 見切りLV1
【特 技】
・連打・疾蹴 ・戦いのワルツ
【常時発動スキル】
・闘争心 ・見切り
【武器】初心者用 ナックル(攻+15 敏捷+2 筋力+1)
【上防具】初心者用 肩当て(防+8 魔防+8 敏捷+2 )
【下防具】
【頭】
【腕】
【足】初心者用 ブーツ(攻撃+5 防御+5 魔防+5 )
【装飾品1】
【装飾品2】
◆殴技LV1
ナックル装備時攻撃力+10
特技 連打を習得
(連打:攻撃力の0.75%の2連続攻撃)
◆蹴技LV1
足具装備時攻撃力+5 敏捷+5
特技 疾蹴を習得
(疾蹴:攻撃力0.90%の先制攻撃)
◆舞踏LV1
特技 戦いのワルツ習得
(戦いのワルツ:自分と周りの攻撃力を+50%上昇)
◆闘争心LV1
戦闘開始時に攻撃力+10%上昇(スキルLVに依存)
◆見切りLV1
一定の確率で攻撃を回避(スキルLVに依存)
流石、ゲーマーっ。バランスとコンセプトがはっきりしている感じのステータスになっている。
闘士ってことはモンスターと戦うのが得意な職業なんだろう。踊り子ってなにするの?戦闘中に踊るのかな??ナツはダンス好きだもんなー。
「なんかナツらしいね。私のために頑張ってモンスター倒してね。」
「ハルもバトル慣れたら頑張ってみなよ〜。まずはギルドに行ってクエストを受注しよー!」
目の前の建物の奥に進むと、町の真ん中により一層大きな建物が現れた。
《ギルド いちょう亭 》
イチョウの葉のマークに新緑に覆われた大きな建物だ。
「いらっしゃいませー!クエストの受注でしょうか?」
イチョウマークの帽子の受付嬢さんがハキハキと対応している。
「クエストの受注をお願いします!」
ナツは元気よく受付嬢さんにお願いした。
「かしこまりました。お客様のLVですと、こちらのクエストが受注可能でございます。」
●薬草 10個 納品
●スライムゼリー 10個 納品
●鉄 10個 納品
●カンナの町の下水道調査
●東の廃墟幽霊屋敷の調査
●宝石強盗団の討伐
「ハル!どれにしよっか?幽霊屋敷以外なら何でもいいよー!」
ナツはお化けが大の苦手だ。戦闘はろくにできないし、私が戦うはめになりそう。
「じゃあ、下水道調査でもいこっか??」
「うん!いいね!じゃあ下水道調査で決定ーっ!」
町の中だしモンスターもいないと思うし、調査なんだから無理して戦闘しなくてもいいじゃん。
《サブクエスト:カンナの町の下水道調査を受注しました。》
「下水道の入り口はギルドの地下に御座います。それれではいってらっしゃいませ。」
受付嬢さんにお辞儀してギルドの地下に進んだ。
「ねぇ。ハル…なんか臭くない?」
ゲームなのになんで嗅覚があるだろう。
「下水道調査なんだから当たり前じゃん。とりあえず奥に進もうよ。」
淡々とハルは前に進んで行くと、目の前にいきなり大きなネズミが現れた。
《ジャイアントマウス1体 出現 》
ちょっと待って!なんでギルドの地下にモンスターがいるわけ。中型犬くらいの大きのネズミは普通に怖いから。
「ハル!戦闘だよ!!前衛は私いくからサポートお願いね!!」
ナツはバトル大好きだから凄い楽しそう。
私はなにしようかなー。とりあえずクレイゴーレムでも出してみるか。




