はじめてのクエスト2
「はぁー!闘争心発動からの疾蹴!」
ナツは風の如くの速さでジャイアントマウスに飛び蹴りを食らわせた。
《ジャイアントマウスを倒しました。》
「ナツすごーい!一瞬で戦闘終わったね!」
「あれくらい楽勝だよ!何匹いても余裕っ!」
ガッツポーズをとってこっちを振りむいた。
「ハルって召喚術師なんだから、召喚獣出しなよー!」
ハルは手持ちの召喚獣を思い出していた。
ナツに召喚石(土)以外見せれるわけがない…
クレイゴーレムなら可愛いし大丈夫かも。
「わかったー!クレイゴーレム召喚!」
アイテムボックスから召喚石(土)を出した。
召喚石が光り目の前にクレイゴーレムが召喚された。
「ふおー!」
「やばっ!超可愛いじゃん!!」
ナツはクレイゴーレムに思いっきり抱きついた。
「この子、何て呼んでるのー??」
あっ…そういえば。チュートリアル長くて名前を付けるのをすっかり忘れてた。
「んー。ゴレスケかなw」
我ながらテキトーに名前を付けすぎた。
ゴレムス?ゴレみ?そもそも女の子なのかな。
いやいや、多分この子は男の子だよ。
《クレイゴーレムの名前がゴレスケに決定されました。召喚石(土)からゴレスケ石に変更されます。》
【召喚獣】土人形
【ニックネーム】無し→ゴレスケ
【RANK】★
【コスト】10
◆HP 200
◆MP 80
◆筋力 8
◆体力 12
◆魔力 5
◆精神 3
◆器用 1
◆敏捷 1
●攻撃力 16
●防御力 24
●術攻撃力 10
●術防御力 6
【固有スキル】
守護LV1 硬化LV1 土術LV1
【術技】
・ストーンバレット ・ストーンウォール
【特技】
・かばう ・硬化
【常時発動スキル】
・なし
あぁー。やらかした。
もうゴレスケでいくしかなくなってしまった。
ハルは少し後悔している。もう少しちゃんと考えてあげれば良かった。ごめん…ゴレスケ。
「ハルー!他にはどんなの召喚できるの?ゴレスケみたいな可愛い子呼んでよっ!」
ナツは目をキラキラさせながら見つめている。
「他はちょっとナツには見せれないよ…。」
ハルは他の召喚獣はナツに見せれないので封印することを決意したのにナツはしつこく迫ってくる。
「えー。いいじゃん!お願いっ見せてよ!所詮ゲームなんだから怖いのも少しくらい大丈夫だよ!」
ナツは少し怒った様子でしつこく迫ってくる。
こうなったら見せるしかないようだ。
「ナツが言ったんだからね。絶対、私に文句言わないでよ。」
ハルは渋々と召喚術師を発動した。
「鬼火召喚!」
目の前に大きな炎に怖い顔を書いた鬼火が現れた。
「ひぃー。顔怖っ!下水道ちょっと暗いんだからさ!そんなとこで、こんなの召喚しないでよっ!すぐに戻してっ!」
ナツは背筋をビクっとして大声で怒ってきた。
とりあえず、すぐに召喚石に戻した。
「ちょっと。理不尽過ぎない。次行くよー。」
ナツの理不尽さにイラっとしながら面白半分で次の召喚獣を呼び出す。
「大ウミウシ召喚」
ねちょねちょ、ネバネバした大ウミウシが現れた。
「うわっ。ちょっとハルすぐ戻して。私、スライムならまだ平気だけど。ガチでそういう系のモンスターは無理だから。」
ナツは顔面蒼白になり気持ち悪そうだ。
このままではナツがかわいそうだから
すぐ召喚石に戻した。
「次いくよー。ジャイアント・ビー召喚。」
大きな蜂がナツの目の前に現れた。
「キャー!!!蜂いやぁぁぁぁ!ハルー!早くその大きな蜂を戻して!!!」
ハルは悲鳴をあげ、迷宮のフロアをダッシュでグルグル回っている。しばらくして帰ってきた。
「はぁ…はぁ…はぁ…。」
ナツは満身創痍になって戻ってきた。
「ナツ…大丈夫?」
「ねぇ。ハル…他にはどんな子がいるのか、召喚しないで口で説明して。」
ナツはもう限界の様子だ。
「後は植物系でマンドラゴラもどきって召喚獣だよ。ちょっとうるさいけどね。」
「植物系の召喚獣かぁー。なら大丈夫そうかな!じゃあハル、その子を召喚してよー。」
ほんとに大丈夫かな。顔怖いしなんか叫んでるし、完全にホラー系の植物なんだけど。
「マンドラゴラもどき召喚。」
ちょっと身体が愚形のマンドラゴラが召喚された。
「ケェー!ケェー!ケェー!」
召喚されたと同時にマンドラゴラ特有の絶叫が始まった。
「ハルー!その子を止めて!なんか顔怖い、こっちに近づいてくるんだけど!いやーっ!!!」
ナツは瞬時に両耳を抑えた。
耳が痛くなるほどの絶叫だ。耳を抑えてて戻すのを忘れてた。ナツの方に向かって歩いているので少しはマシになった。その隙に召喚石に戻した。
「ハル!さっきの召喚獣もう呼ばないで!まだ、耳が少し痛いよ!!」
「ごめんね。だから最初に断ったじゃん。」
「だって、ゴレスケ可愛いから他のも見たくなるじゃん!」
「他、やばいのしか引けなかったからゴレスケ以外は封印したんだよー。ナツには絶対に見せれないしさ。」
自分の引き運の無さが本当に悔しい。
せっかく召喚術使えても1体しか呼べないじゃん。
早く新しい召喚石を手に入れないと。
「なんかすごい疲れたけど、クエストの続きしよっか!」
「そうだねー。とりあえず初クエストクリアしよー。」
ハルとナツは下水道の奥へ進んでいった。
しばらく歩いたとこで下水道の水路をスライムで塞がれているのを発見する。




