表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

機械人形(オートマタ)・ユトリロ

作者: 夜野海月


機械人形オートマタ



 夜は痛みを詰め込んだ箱庭で

 嗚咽の蛍火が煌めいて

 麦藁を詰めたオートマタ

 油が切れて倒れ込む



 砕けた指輪の藍晶石ランショウセキの欠片や

 朽ちた樹木の舎利の破片が

 血色珊瑚の爪のように

 ブリキの体に突き刺さる



 けれどもこの身はオートマタ

 やがて崩れる薄錆の躯

 痛みが何かを知りはしない

 苦痛が何かも知りはしない



 ただこの瞳に焼き付くような

 痛みの景色を知るだけで──



 






「ユトリロ」



 咲き誇った桜にも気付かずに春は過ぎた。


 うちひしがれたユトリロの側を通り過ぎた。






 君はいない。



 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ