パソライン
3分小説
必ず、その日は、やってくる。
岡田「パソライン試した?」
佐野「パソラインでしょ。あれ、ヤバイょ。」
岡田「で、どうだった?」
佐野「まあ、オレの場合は、普通だったけど、ヤバイ人いそうだよね。」
岡田「パソラインてさ、人事評価とかさ、ボーナスとか、昇給とかの判断材料にされたらヤバイよね。」
佐野「そうだろ。」
岡田「どんな人間か、判っちゃうから、ほんとヤバイよね。」
佐野「うちの課長なんかさ、・・・」
岡田「え、調べたの?」
佐野「まあ、調べるでしょ。」
岡田「で、?」
佐野「うちの課長はさ、『部下に厳しくて、自分に甘い』とかさ、それと『皮肉を言う人』だろ、あと、『他人と比較して妬みを持つ』って診断でさ。ズバリそのまんまだろ。」
岡田「げ、お前のところの部署は、大変だな。」
佐野「ただ、先週、取引先の部長さんとミーティングする前に、パソラインで性格を調べておいたおかげで、話がまとまったけどね。」
岡田「すげえじゃん。メリットもあるってことだよな。」
佐野「でさ、本当にヤバイのはさ、おれの彼女だけどさ。」
岡田「彼女のことも調べたのかよ。」
佐野「そりゃあ、当然、気になるだろ。」
岡田「交際している彼女のことを調べるなんて、おまえも、酷いやつだな。」
佐野「いやいや、お前も彼女がいたら、調べるだろ。」
岡田「まあ、そうかもしれんが。」
佐野「でさ、オレの彼女だけど、『ウソが多い性格』『社交的ではない』『金銭欲が強い』だってさ。」
岡田「うわー、ヤバイじゃん。」
佐野「ホントヤバイだろ。」
岡田「美人で、けっこう人気者だしな。」
佐野「ところが、腹の中は、かなりヤバイってことだろ。」
岡田「それにしても、パソラインは、やばいな。」
佐野「だからさ、もう、LINEとさ、インスタだろ、あとtwitterと、Facebookには、ヘタなコメント書けないだろ。」
岡田「そうだな、パソラインの人工知能が、SNSを全部読み取って性格診断してしまうとなると、場合によっては、変人扱いされてしまうからな。」
佐野「AKF48の南川リイザってさ、パソラインの診断でアスペらしいぞ。」
岡田「ショックだろうな。自殺とかに発展するんじゃあねえか。」
佐野「知ってる?総理大臣のパソラインが、酷すぎるとか、SNSで、さんざん叩かれているって。」
岡田「そうそう。ヤバイよな。」
佐野「お前のこと、調べてやろうか。」
岡田「おぃ、やめてくれよ。」
批判自由