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通い合う魂  作者: 伊集院 大和
2/5

シンクロニシティの街の中で






頭の痛みを抱え

スッキリとしないまま

何故かいつも真夜中に起こされる



いつものコーヒーに砂糖を少しだけ入れ

苦味を残したままの甘みの少ないコーヒーを作り

ソファへと腰をおろした


観た夢の余韻に浸りながら

脳内には光景を残し

少し 目をつぶった


今の時代には無い

満州時代の洋風の建物が私の右側に建ち並ぶ


ふと通りの左側の歩道に眼を向けると

通りに沿った歩道にアーケードがあり

そのアーケードの下には露店が数件あった


最初に目についたのが

上が尖っている茶色の蒸籠が見えた

蒸籠の中には小龍包が蒸した状態で入っていた


蒸した小龍包に目を奪われていると

左後方の空に気配を感じた


ふと振り返ると

黒い機体に赤の発光を観せるUFOが数機

停止した状態で空に浮かんでいる


あの機体は私にだけ見えている幻覚かも知れないと

周りを見渡すとカメラを持った人が

黒い機体のUFOを8mmカメラで撮影している


8mmを持った人に あの黒い機体が見えているのかと

聞いた

その瞬間 黒い機体のUFOから

丸い形の粒子が発射された


手に取れそうな位置に来た粒子を手で掴み

飛び交う無数UFOめがけて投げると

命中したようで白い煙をあげ

1機のUFOが落ちて爆発した


何処かの建物内では

何体かの人よりも大きい

攻殻を付けた物体との戦闘をした


先程までの空も明け方に近づいたような

少しだけ明るい空

露店の並ぶ道にはアジア系の人達が歩く

声をかけ 会話をしたり笑顔を見せてくれる人々

タイ人の様な顔をした芸能人や

顔に化粧をした派手な衣装を着たオカマなどもいる

そんな人々を横目に通り過ぎ


雑貨屋のような露天に置かれている

赤色のTバーの自転車が目に付いた

何故 こんな所に郵便で使うような自転車があるのか

不思議に想いながらも 少し跨ぎ漕いでみた


自転車を漕いでいる目の前にも

通りがあり 露店が並んでいた

どこからか日本語で私を呼ぶ声が微かに聴こえ

呼ぶ声が聞こえる方へと歩いていった


アジアの料理人のようで

店先には作りたての小龍包が蒸籠に入った状態で

目の前に置かれている


話によると蒸籠ごと持って行って

ゆっくりと味わい食べてくれとの事


私の背中側には 明治?満州時代の建物が並ぶ



その後 私は 気づき

朝の微かな木漏れ日の中に目を覚ました


あの艶のない黒いUFOに発光する赤い光


祖父が戦争へと駆り出された

満州時代の建物の光景が観えたのか


行き交うアジア人や

上の尖った蒸籠に入った小龍包など

何故 夢に観るのだろうか


夢を観て起きた直後の頭はやはり痛む

そんな痛みに耐えながら

少し砂糖を控えたコーヒーが苦くもある


観た夢を検索し

時間と共に薄れいく記憶をいつものように

簡単に文章に遺していく


この夢に続きは有るのだろうか


そしてあの黒いUFOは何のために

私の後方の上空に浮かんでいたのか

微かに残した記憶を抱え

脳内に影像として残したまま



その日 一日の仕事を終えた


またいつか観るかもしれない街に

シンクロニシティという名を付けようと想う




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