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通い合う魂  作者: 伊集院 大和
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黒魔法の女







悪夢にも似た夢にうなされ

眠気を抱えたまま 独り眠るベッドを抜け出した


窓辺に掛かるカーテンには 秋の木漏れ日が差し掛かり

眠たい目を擦りながら

コーヒーのセットを置いている場所まで裸足のまま歩いた


いつか集めた銀のコーヒーカップに いつものコーヒーを

小さいスプーンで数杯と

ペットボトルからの水 小さじで1杯をカップに落とし

先ずはスプーンの裏側でコーヒーを水をかき混ぜ

そして混ざったコーヒーの薫りを味わった


お湯を注ぐ前のコーヒーの薫りは また独特な良い薫りがする

何度か薫りを鼻で味わい

漸くここでポットからお湯を入れる

お湯を入れてからのコーヒーの薫りもまた独特な良い薫りがする


苦くも味わい深い薫りを味わいながら


窓辺のラジオからは

サンタナのブラックマジックウーマンが流れる


確か眠る前にも聴いた曲だと感じ

まだ残る昨夜観た夢の中の光景から

いつの頃からか趣味の一つに加わった夢占いを検索しながら

まだ微かに覚えている夢の記憶を辿っていた




頭に銀かプラチナの冠を頭に乗せた黒髪の長身の女と

ヨーロッパの街並みに敷かれている石畳の道を歩いていた


その女は私の左側に

腕を絡ませ寄り添いながら石畳の道を歩く


左側には西洋の建物が並んでいる

道なりの直線を歩いていると

右側にも道が見えて来た


少しずつ右側に移動しながら

石畳の歩道を歩く


どこの街の中を歩いているのか判ってはいなかったが

右側にも道があり その道に曲がった時に

どうやらここは ルクセンブルクだと気がついた


先程までの道が遠ざかり 左側にある建物の前で女は立ち止まった


さっきからカタコトの言葉に聞こえるが

この女は歩きながら マキアージュなのかマキアートなのか

意味の分からない言葉を発しながら何故 私と歩いているのか


立ち止まった建物の壁には緑の森の絵画が飾ってある


その女は 先程の不思議な言葉を発しながら

絡ませていた腕をいつの間にかに解き


右手に持っていた魔法の杖を

建物の壁に掛けてある絵画に向けた


意味の分からない言葉を発した先の絵画が

魔法の杖からの力なのか

平面の絵画が立体感のある絵画に瞬時に変わった



瞬時に変わった絵画に驚き

漸く私はこの光景が夢の中だったのだと

一瞬の光の中に目覚めた


あの悪夢にも似た夢の中の女は誰なのか

セレブのようなドレスに身を包み

頭には冠を乗せ 魔法の杖を持ちながら

発したあの言葉は何だったのか


夢の余韻を思い出しながら

いつものコーヒーを作り


ルクセンブルク公園が見渡せる窓際に立ち

外の景色を観ながら

作りたてのコーヒーの薫りを味わい

軽く1杯口に含む


外の景色を観ながらのコーヒーもまた味わい深く


窓際の棚にコーヒーを置き

棚に置いているケースから煙草を1本取り出し

そして火をつけた


左手に持つスマホで

趣味の夢占いから何か自分にプラスになる言葉がないかと

探し続けた


先程のコーヒーを飲み終え ベッドに戻り

次はどんな夢が観れるのか 楽しみにしながら

また眠りについた









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