裏で動くもの
とても短いです。
ある家の一つ部屋の中。
その部屋はとても綺麗にされていた。
そして、リビングとキッチンに位置する場所であった。
壁には幾多ものの絵が飾られており部屋を神秘的なものに変えていた。
ソファには毛布にくるまって寝ている人の姿が見えた。
カーテンは締め切りもう、お昼にも関わらず暗い部屋だった。
ポツリと水の落ちる音がした。
その音は部屋に響き渡りその部屋の主を起こす目覚ましになった。
起きたその姿は天使とも形容出来るほどの容姿を持っていた。
背中の3分の1まで伸びた髪は起きたばかりとは思えないほど綺麗で彼女の容姿を更に引き立てていた。
しかし、彼女はとても幼いにも関わらず誰一人としてこの家にはいなかった。
彼女も勿論最初からいないものだと扱いご飯の準備をする。
彼女はご飯の準備を終えた頃インターホンが鳴り響いた。
彼女は時計を見て舌打ちをする。
時間的に大抵の小学校は終わっていてもおかしくない時間である。
彼女自身はいつも学校には行かず家で引きこもっているため外には教師などがいるのだろうと彼女は思い、ご飯を食べ始めた。
それからどれだけの時間が経ったのだろうか、もう夜になり月明かりがカーテンの隙間から差し込む。
彼女は一人でずっとぼーっとひた日常を送っていた。
彼女は小学校でいじめられていた。
口で言われる日もあればいたずらや暴力更に間接的ないじめにもあった。
彼女自身担任にも相談はしたが話にもならなかった。
「気の所為じゃないか?
君は成績も良いし運動も出来るのだからその逆はありそうだが…」
担任はそう言って私を遠ざけた。
彼女自身勉強も運動も出来た。
けれど、彼女はどんどん周りの輪から外れていった。
そうして、気が付けば学校に行きたくたくなくなり家に引きこもっていた。
三つ子の姉の二人は何も言わずに家にいることを許してくれた。
姉達とは今でも仲良くしている。
けれど、今日は姉達の帰りが遅かった。
彼女は怖くなり毛布にくるまり始めた頃に鍵の開く音がした。
彼女は再び起き上がりドアの方を見た。
直後、玄関が開く音がした。
足音が響き渡りこの部屋に近づいてくる。
そしてドアが開かれた。
「おかえり、お姉ちゃん」
彼女は姉が帰ってきたのを見て呟く。
「**、話があるの」
「ごめんね、**ちゃん」
突然姉達の真剣な声と眼差しに彼女は驚いた。
「どうしたのお姉ちゃん?」
彼女はこの家が取り潰されることそして自分達の預かり先を親戚にするか姉達の信頼出来るところにするか聞かれた。
彼女は迷わず姉達の信頼出来る所にした。
瞬間姉達は柔らかな笑みを作り私に地図と交通費、宿泊などに必要なお金を渡すと先に行っててと言って私を送って行った。
その時の姉達に貰った言葉があった。
「私達はあなたを知っている。
けれどあなたはあなた自身と私達を知らない。
次に会える時はあなたは多分知ることになってると思う」
そう言って彼女を見送った。
そして、後に残った姉達はポツリと呟く。
「静域さんこれでよかったの?」
彼女の呟きを後ろで一人の男が聞いていた。
その男は紀伊羅 静域だった。
「あぁ、これであいつらともその内合流できるだろう。」
「ふーん、それで彼とは…」
「あぁ、恐らくあいつらと最低でも一週間後には合流はできるだろう。」
「あれ、意外と長いね。」
「どうして?
歩いても三日もあれば着くのに?」
「途中で恐らく記憶を思い出すからだ。
前兆はあったしお前達に少し押して貰ったがな。」
「ひょっとして、さっき私達に言わせた言葉のこと?」
静域はコクリと頷くと同時に三人は夜の闇に消え去った。
いつもより早めに次話を更新したいです。
2018.5.26より多少の書き換えと改行を加えました。