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俺達はきっと

長くなりました。

これからも時々これくらい長くなりますが読んで頂けると嬉しいです。

あれから一週間の時が経つ。

俺は毎日殴られ蹴られ聞くに耐えない罵倒罵声の数々を浴びせられる毎日。

俺は必死になって我慢をし続けていた。

日に日に俺は痣や傷を隠すのが上手くなっていた。

そう、これでいい。

俺はいつの時だってこうだった。

去年のような毎日が再び来ただけだ。

簡単なことだろう。

俺はあいつらを守らなければならない。

あの日のように。

あの日?守らなければならない?

何だっけそれ?

ふと、思う疑問。

俺は最近混濁している記憶がある。

少しずつそれはひどくなっている自覚がそこにはあった…。


************


朝、俺は起きる。

今日は当番が休みだから俺は携帯ゲーム機を手に取り少しやってからリビングに行く。

いつもと同じ日常がそこには無かった。

そこには知らない大人の人達が何人かいた。

どうしようかと思うと隅っこの方で皆帰達が手招きしていた。

俺は皆帰達の方へ行き大人の人達を見る。


「いい加減にしてくれませんかね〜。

あなた達には才能がある。

こんな孤児を集めるなどというつまらないことをしないで、もっと違うことができるはずでよ。

有名になるのもそう難しく無いのですよ」


スーツ姿をしたやけに偉そうな男が話す。

その後ろには部下だと思われる男性達が立っていた。


「見解の違いですね。

俺自身からが一番最善ですし、有名になる必要もない。

更に言ってしまえばこうしないと見つけることが出来ないものがある…」


白衣を纏った男の人が静かにそう言う。

足を組んでるが不思議と不快にならない逆にそれが当然だと思える雰囲気があった。


「全く頑固ですね〜。

あなたはどうですか?

藤塚フジツカ 鈴利リンリさんあなたの素晴らしい論文はこれから先役立っていくはずです。

ですのでもう少し研究の方に力入れて欲しいのですが。

沢山の人が期待しているのですし」


「言ったはずだけどあれは偶然だし、分野違いすぎてこれ以上は出来ない。

それに出来たとしても興味がないわ。

私より凄い研究や論文ができる人が世の中沢山いるはずですのでお引き取りをお願いします」


藤塚 鈴利と呼ばれた女性は黒いパーカーに白色の柄のあるシャツを着ており下は黒色の少し短めのスカートという格好をしておりどこからどう見ても普通の人だった。

彼女は丁寧な物言いで断り席を立ち台所に行く。


「今回はこの辺にしておきますが覚えておいて下さい。

気が変わってくれるまで私達は何度でも来ますから」


そう吐き捨てて男性は去って行く。

そこで俺達はやっと口を開く。


「それであれは何なんだ?」


「あー、それはだな…」


「いい、俺が説明するよ」


静育さんが説明しよとした時白衣を着た男の人が喋る。


「どこから説明しようか。

とりあえず、自己紹介からだな。

俺の名前は紀伊羅キイラ 静域セイイキっていうだ。

要するにこの場所の責任者の一人だ。

よろしく、北条 勇馬君」


この人は皆んなが言う静域さんらしい。

俺も自己紹介しようとする。


「いいよ、自己紹介は。

今は話をしていくぞ。

俺自身自分で言うのも嫌な話なんだけど、俺は医者の中で一番大きな実績を残している

しかしながらその公開を避けたりするとそれを良しとしない人間がいるんだ。

彼らは俺が頑張って医者としての仕事を全うして欲しいと思っているんだ。

確かにそれ自体はいい。

けどな、俺自身多くの人の命を背負うなんていう大それたことが怖い口なんだよ。

それを言った時、誰かは無責任といい誰かは逃げているという。

けどな、本来俺は表社会に出ること自体が間違っている。

それはきっと歪なものだから。

俺は表社会に出ない」


静域さんが語る。

それはとても静かにその名の通りに…。


「いつも思っていた。

その歪なものってなんだ」


静育さんがそう聞くと静域さんはフフッと笑う。


「君達ならいずれ分かる。

そう俺はその時までずっと待っているのだから。

だから、それが分かるまで聞かないでくれ」


静域さんは遠い目をして言う。


「それで藤塚…鈴利さんでしたっけ?

その人は?」


俺は気になりリンリさんについて聞く。


「自分で話す」


台所からちょうど鈴利さんが出てきており話し出す。

両手一杯にある美味しそうな料理を置きながら…。

一体こんな短時間でどうやって作ったのだろう。


「私は少し前に論文を出してね。

それがとんでもないものだったの。

これから先のものを変えてしまうようなね。

けれどね、それは私の実績じゃないの。

これは私だけじゃ絶対たどり着けなかった。

とある馬鹿達がそれを見てアドバイスをしてさやっと完成した論文なの。

それがなんの因果か出回ってしまった。

私だけじゃあんなもの作れないのにね…。

それのおかげでここに送るお金も滞りなく送れてるしね。

もうやらなくていいかな〜とか思ってるわけよ。

それに償いもまだ出来ていない人もいるし」

鈴利さんは寂しそうな表情で喋る。

すぐに明るい表情になる。

「それより朝御飯を早く食べましょう」


そうして、俺達はいつもより豪華な朝御飯を食べる。


************


俺は学校に着きもう昼休みになる。

あの後静域さんも鈴利さんも用事があるそうで俺達が帰る頃にはいないそうだ。

俺はぼーっと窓の外を眺める。

直後あのいじめっ子(仮名)が目配せをしていた。

すると何人か男子が立ち廊下へと出たと思う。

俺は出たと思われる瞬間に周りを見る。

思った通り教室から出たようで人が減っていた。

俺はそっと席から立ち教室を出る。

いつも通りの場所に行く。

しかし、途中でやめた。

いく途中の男子トイレで俺は見たのだ。

外のいつも俺を呼び出している場所とは別の校舎裏で皆帰達が集団リンチにあっているところを…。

知らない人が多くて別グループがやっているのかと思ったがどうやら違うようだ。

元々、このイジメは学年全体でやっていたのだ。

腐っている。

俺はそう思う。

俺はもう一度見る。

次はパキリという何かが壊れる音が俺の中で鳴る。

理性が吹っ飛んだ訳でも意識が飛んだ訳でもない。

もっと、別の何かが俺中で崩れ去る。

俺はそっと歩きだす。

彼奴らのいる場所に…。


************


佐藤サトウ 加田カタ(勇馬曰くいじめっ子(仮名))は皆帰達を殴りながら思い続ける。

そうだ。

これだこの快感だ。

俺が求めていたのは…。

そう、あんな奴のような無機質の目ではなくこういう皆帰達みたいな少しでも嫌がる姿だ。

こういうのが一番ゾクゾクする。

屈服している感じがあって。


「ハハッ、それもそうか久々の全員集合だもんな」

俺は笑いながら言う。

自重する気が無く声に出しながら。


「すいません。

ちょっとよろしいでしょうか」


気分が良いところで声をかけられ俺は気分を返し突如きた後ろからの声に振り向く。

直後、顔面にとんでもない衝撃が走る。

妙にゴキリといった音が生々しく聞こえる。

俺は吹き飛ばされて初めて動きが止まった。

何も思考が出来ない。

あの時勇馬とか言う奴から感じた恐ろしい視線が自分に刺さる。

殴ってきた奴は一歩ずつ歩いてくる。

一歩また一歩と近づいてくる。

そして、足音が止んだ。

それと共に視線が緩み俺は顔を上げる。


ドッッキ!


瞬間顔面に衝撃が走る。

人から鳴ってはいけないような音が鳴っていたがもうその時には俺の意識は無くなっていた。


************


いじめっ子(仮名)を俺は蹴飛ばす。

直後、周りの視線が俺に集中する。

俺は嗤う。


「約束…何だっけ?」


俺は問う。


後ろから一人殴りかかってくる。

俺はその腕を掴み捻る。

上手く力を込めたことにより相手は少し浮く。

その瞬間を狙い俺は平手を相手の胸に突き出す。

いわゆる、発勁である。

どうやら上手くいったようで相手は少し飛び何度もむせていた。

俺は腹を蹴り相手の意識を飛ばす。

俺はその後小さく溜息を吐き周りを見る。

皆帰達はともかく周りは警戒しており俺を全員見ていた。

俺は内心バクバクである。

事実二人を倒したのも相手の油断と不意打ちのおかげである。

おまけに先程の動きも実際のところは無茶な動きをしており少し体を痛めてしまっている。

何の武道の心得がない人間がケンカする人数じゃない。

けど、最低でもあと六人は倒す。

俺は拳を握り締める。


「全員、死刑…」


俺はボソリと呟く。


直後、状況が再び動きだす。

相手からは「なめてんじゃね!」「ちょうしのってんじゃねぇ!」とかの声が聞こえる。

俺は御構い無しに走り出し殴る。

相手を殺さないという配慮と少ない手数でこちらは圧倒しなければならない。

対してあちらは人数が多いのでパターンに入れば勝つのが当たり前の状態だ。

俺は絶対に相手のパターンに入らないことを意識しながら戦う。


*****皆帰視点*******


何でだよ?

分からない。

俺は今現在戸惑っていた。

出会って間もない俺達を何で助けるんだよ。

いつまでも惨めでいいと思っていた。

そのうち終わるし怖かったから。

誰も助けてくれる人間もいなかったら抗うことも意味がない。

どのみちイジメは酷くなるのだから。

けれど、どこかでずっと待ち望んでいた自覚はある。

助けてくれる人がどこにいて欲しいと。

意味が無いものとして切り捨ててきた答えがここにはあった。

本当にヒーローみたいに一歩も引かずに殴り合いを続ける少年が目の前にいる。


「やめろよ。

意味ないよ」


俺は無意識に呟く。

それが聞こえたか分からない。

けれど、少年はこういっているような気がした。


『それでも俺は…見つける』


完璧な理想がそこにはあった。

誰にも分からない…いや、分かってはいけない理想…。

『一人の答え』という理想がそこにはある。

少年いや、勇馬が一体どんな答えを導いたかは俺には分からない。

だから、俺は俺の答えをだす。


「そんな夢みたいなことはないと割り切っていた」


俺はゆっくりとボロボロな体で立ち上がる。


「皆帰?」


紗雪が心配そうな声を出す。

けれど俺は…。


「答えは…見つかったか?

俺は見つかったよ。

もう、諦めていた。

けど、俺は立ち上がる。

俺は絶対に抗い続ける!」


他の奴らに向かって宣言する。

いくら分がわるくても、いくら大変でも…。

俺は駆け出す。

拳を握りしめて抗うために。


「バッカヤロー、んなもん俺達もおなじだっつーの!」


後ろから声が聞こえる。

そして、俺達は同時に拳を振り上げて殴る。

ドッンッッッ!

やけに殴った時の音が軽快に響いた。


「お前ら…。

まぁ、いい。

いくぞ!みんな!」


勇馬は一瞬驚いていたがすぐに気を引き締め拳を握って叫ぶ。

俺達の返事は決まっている。


「おう!(うん!)」

本筋まであとちょっとです。


少し、静域さんのセリフに変な部分があったので修正しました。

ひょっとしたらまだあるかも…。


2018.5.26より多少の書き換えと改行を加えました。

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