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エピローグ 決着

**勇馬


「終わった…のか」



陸也がそう呟いていた。

火鎚はどうやら決着が着いたようで倒れている。

そう、終わった…。

しかし、悪いけど終わりではない。



「さて、始めようか」



俺は目の前にいる千那に向かってそう言う。



「ふふ、約束…覚えてたんだね」


「あぁ、やるか」



その瞬間、剣と剣がぶつかり合う。

いきなりのことで陸也は戸惑う。

しかし、何故か手を出そうとしてこなかった。


助かる。



これは俺と千那の戦いだ。



「『イフリート』!」



千那がそう呟くと炎が辺りを包み込み、まるで鎧のように千那に纏う。

そして、炎による外装そのものが生きているみたいに炎放つ。



俺は『限界突破』で無理やり吹き飛ばす。



「そうか、それが本当の『イフリート』か!」


「無駄口を叩くに暇はあるのかな?」



その瞬間、千那の炎の外装が消える。

そして、その瞬間風が辺りを支配する。


風の刃が俺に襲いかかる。

それに対して必死に払う…しかし、無限に多方向からくる刃に逆らい切れずた俺は傷を負う。


その傷はすぐに治る。


見た目からしたら傷は無い…しかし、再生するのにもエネルギーは要する。

このままでは、エネルギー切れで俺は負ける。



「こうなったら…『限界突破』『コネクト2』」



その瞬間、力が漲る。

脳の思考と体の感覚がズレる。

一瞬だけ体を置いていく…鼓動が鳴る。



体を一本一本の繊維を少しずつ支配する。



物理的な限界を僅かに崩す。


風の刃は一瞬に起きる衝撃波に耐えきれずに霧散する。

剣の打ち合いに再び持ち込む。

それは圧倒的な威力で俺の一撃が入り、千那がよろめく。


しかし…



それで終わるなら彼女は誰かに挑もうとしてないだろう。



「『英雄再現』始動『複合能力』」



その瞬間、炎、氷、風、水、雷、土と言った嵐が俺に襲いかかる。

炎は俺の肌を焦がし、氷は流れ出る血から凍らせていく風は否応なくに俺の傷口を広げていく。

雷は俺の筋肉を硬直させて、土は剣や槍となり俺に刺さっていくを



「『英雄再現』完了。

栄光グローリー』!」



その瞬間、千那の剣先が光り輝く。

光は瞬き、一本のレーザーとなって俺を射抜く。

防ぐ術ない…それでも…負ける訳にはいかない。


筋肉の線の一本一本を意識して動かす。

最小限かつ、最低限のダメージ覚悟をして進行方向に手を添える。

そして、ゆっくりと手首を使って払う。



僅かに焼ける手の甲…この程度で収まったのは僥倖と言って良いだろう。


そして、千那は僅かに剣を振り回したかと思うと次は近接戦仕掛けてくる。

その一撃、一撃が今の俺の力より強い…それでいて、一回、一回の攻撃が拡散しているかのように平面状に衝撃が来る。


勝てない…いや、勝つ。


剣を正面から受け止める。そして、少しずつ力を流す。カウンター狙いの一撃が千那に届く。

はず、だった。

地面が崩れる。

そして、重力が無くなったかのように体が軽くなる。



「『英雄再現』完了『引力・斥力』」



力が入らずにカウンター狙いの一撃は綺麗に空振る。

千那の剣が俺の喉元に向かって飛んでくる。

考える…この状況をどうにかする方法を…

『英雄再現』…幻想とは違う本当に存在していたと認識できる英雄の力を再現できる力…。



引力…斥力…確か



自然と…剣が向く…その瞬間、俺は千那の剣を弾いていた。

俺と千那は笑う。

そうだ、この力は…いいだろう。

見せてやる…お前といや、お前達と出会ったあの日に見せた戦いを。


そうして、俺は『限界突破』を切る。



「「さぁ、始めよう」」



僅かに呟いた言葉が重なる。

岩が飛んでくる…俺は逆手に持ちいなす。

砕く訳でも弾くわけでもなくただひたすらに飛んでくる岩をいなす。

そうして、剣と剣がぶつかる。



「本気でやらなくていいの?」


「なら、お前も本気でこいよ…そんな、偽物じゃなくてよ」



千那の問いと俺の答え。お互いに笑ってしまう。

お互いに示し合わせたように離れる。



「『限界突破』『コネクト4』!!」


「『複合能力』『救済の魔法』」



お互いに全力を振るう。

無限の能力の壁が迫り来る。

炎は俺の肌を焦がし、水は俺の体を傷から蝕む、風は俺の肌に傷を作り、氷は俺の動きを鈍らせる、土は俺の体を抉る。

今の俺に防ぐ術はない。



ならばと俺は問う。



「『コネクト5』」



『コネクト』それは自分の脳の数を意味している。


『コネクト』脳の使用率を10パーセントで以後、使用率は10パーセントずつ増やしている。

それは人間の無意識下のリミッターを強制的に外すと同義である。

この一週間で『限界突破』のムラを無くすために作った技。

10パーセントでもとんでもない力を誇るそれは50パーセントになれば体の崩壊を呼ぶ。

負荷に耐えきれない肉体は一瞬でボロボロになる。

そして、俺が動く度に赤い一線が作られる。


エネルギーにはかなり余裕があり、『再生』も始まる。

そして、能力の壁を突破して4本の剣が千那に飛ぶ。

同時に俺は剣を振るう。決着を付けるために…。



「『心ノ幻想』『正雨せいう』」



その瞬間、目の前から千那が消える。



「僕の勝ち」



その声と共に俺の意識は反転した。




**



眼が覚めると気がつけば俺は仰向けになっていた。

どうやら、負けたみたいだ。



「悔しいな…」



俺はポツリと呟く。

すると、目の前に陸也の顔が映る。



「お疲れさん、千那勝負がつくと共にどっか行っちまったけど、俺に説明はくれないのか?」


「そっか、言ってなかったな。

前に会った時に勝負しようって言われたんだよ。

結果はご覧の通り…強くなったつもりだったんだけどな」


「いや、お前はまだまだ、出しきれてないだろ?」


「そんなことないさ、今出せる全力がこれだ」



そう言って俺は立ち上がる。

周りを見渡すと全員が揃っており、火鎚が起きるのを今か今かと待っていた。



「もっと強くならないとな」



小さく呟く声は誰の耳にも届かない。

俺はひっそりと決意する。

あいつらを守れるようにと…



**



全てが丸く収まった。

火鎚が無事、人災と一つになりとりあえずいつも通りな日々が戻ってきた。


一週間ほど学校を休んでいたもののこれと言った変わったことはなく、今日も見事に火鎚はサボっていた。

まぁ、俺もサボりなんだけどな。


この話も雪夜からの連絡があって知っているだけであって俺は今、あるビルの中のエレベーターに乗っていた。



やがて、目標の階にたどり着くと俺は一つの部屋に入る。



『社長室』



いや、なんでやねん。

と思う…だって俺の目の前にいる人は疾風だからだ。



「お、来たか。

報告しておきたいことって何だ?」



あんた、一応トップだろ威厳がなさすぎるだろ。

あと、お前は社長じゃなくて『ボス』『頭領ドン』とかの方が合ってるような気がするんだが…。


まぁ、今はそのことはいい。

俺は疾風が言った通り報告しなくてはならないことがある。



「このことは誰にも言うなよ」



俺はそう言って携帯を二つ取り出す。

一つは今使ってるもの、もう一つは昔使っていたもの…。



そこにはあるメールが映し出されていた。



『二年ほど前の雪菜を助ける時に来たメール』と『つい先日、火鎚の死の可能性について示唆したメール』



「こいつをたどって欲しい。

できないのならいいのだが…」


「…なるほど、たしかにこれは気になる…これは俺たちの情報が筒抜けとしか思えないからな」



そう言って快く引き受けてくれる。



「ほかに何かあったら言ってくれ」


「今はないから、その時は言うよ」



俺はそう言って部屋から出る。

実は俺は言っていなかった…。



最近、よく夢を見る。



最悪な夢を…

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