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炎と虎龍の軌跡

なんとか書けた…


体調や個人的な都合で書けなかった。

頑張ってそんな中でも書けるようになりたい!

『何も変わらない…何も変わっていない…』



一人の男は歯軋りをしながら呟いていた。

自分を見据えて男は刀を向ける。

その瞳にはどこか涙が浮かんでいる。



『俺は俺の為じゃない…聞かせてくれよ…お前の信念を…』



そうだ…これは記憶だ。



自分の過去の記憶だ。



『俺は…生きたい』



その言葉を昔の自分は呟いた。

そう、思えば始まりは…



**



穏やかな気候、静かであっても賑わいがある町。


グリアム王国


その国は約10代の王権交代が行われてきた国の城下町だった。

しかし、その国には革命などは起きずに平穏に続いてきた珍しい国とも言えた。



「なぁ、ヒグチ!そんなことしてないで飲みに行こぜ!」



大体、16くらいの青年が大きな声で叫ぶ。

呼び声に反応したヒグチというのは箒を持って落ち葉を集めていたこちらも16くらいの青年だった。



「ギノ、いつも言ってるだろ。俺の名前はヒグチじゃなくてヒヅチだ!それと、今は家の手伝いで忙しい」


「なんだよ〜つれねぇな」



ヒグチもといヒヅチはそう厳しく言うが呼びかけた青年もといギノは軽い調子で文句を言う。



「うるさいなぁ。第一、まだ昼間だ。

誘うなら夜にしてくれ」


「それもそうか…仕方ない」



最後のヒヅチの一言が効いたのかギノは渋々と引き下がる。



「にしても、相変わらずいい店だよな」


「もちろん。うちの親が経営する自慢の店だからな!」



ギノはヒヅチの後ろにある日用店を見てそう言うとヒヅチは自慢げに胸を張る。

そう、ヒヅチはここの日用店の一人息子であり、店を継ぐことになっている。



「いや〜、でも客足はそんなにないよなぁ」


「まぁ、最近は安定してきたからうちに売ってるものは使う機会はそうそう無いからな」


「日用品とか言っときながら防災セットとかの緊急時用や傷薬ばかりだからな」



そう、この店には基本的に大きな怪我などに対する薬や長持ちする食料やテントなどが売られていてとても日用品とは言えないのだ。



「まぁ、最近じゃ英雄様も来て魔獣の発生率も減ってるからな…英雄様様だよ」


「とは言っても備えは必要だぞ。

備えはあっても憂いはないのだから」


「相変わらずヒヅチは真面目さんだなぁ」



そう言った会話は二人はし続け、日が暮れていく。



「よし、こんなもんか…」


「おいおい、話しながらずっと掃除をしてたのかよ…」



現在、二人の場所は変わりゴミ捨て場に来ていた。

それは、ヒヅチが店前の掃除で出たゴミと枯れ葉を捨てる為だった。



「店の周りの外観もかなり売上に繋がるんだ。手を止めるわけにはいかないさ」


「はは、とりあえず飲みに行こうぜ!」


「そうだな、場所はどこにする?」



ヒヅチは話しながら枯れ葉などが入った袋を指定の位置に置いて話す。



「そうだなぁ、あそこはどうだ?

ヒールハウス!」


「あそこか?あそこにはあんまり酒は置いてないじゃないか」


「いや、その代わり豊富な品揃えにお姫様も来るって話だぜ!」



ギノの言葉に思わずヒヅチはため息をつく。

品揃えは確かに良い。

つまみには困らないだけでは無く、美味しい…その上でコーヒーなども楽しめるカフェ的な場所とも言える。

酒場であると同時にカフェであるヒールハウスは確かに良い場所だ。


しかし、ヒヅチはそこを考えずにお姫様(・・)というものに苦笑していた。

確かに来ていると有名だ。

しかしだ…しかしなのだ。


まぁ、そこを言っても何も始まらないとヒヅチは止めて、仕方ないと言ってヒールハウスに向かうことにした。




「おいーっす!二人だ」


「いらっしゃい…って、ヒヅチじゃん!

ギノはともかくヒヅチがうちに来るなんて珍しい」


「あぁ、ギノ誘われてな」



ヒヅチはやはりかと思いながらも店員をやっている同い年くらいの少女に答える。

彼女はミエと言って、この店の一人娘だ。

俺達とは同じ街で育った所謂幼馴染というやつだ。


「なるほど、今日はヒヅチを誘った訳ね」


「う、うるせぇ!良いじゃねぇかよ!」


「全く、男はみんなお姫様という奴が好きなのね」


「ちげぇよ!」



と、ギノとミエは仲睦まじく言い合いをしている。

ヒヅチの立場から見れば痴話喧嘩にしか見えない。



(全く、素直じゃないよな)



そう、ギノがこの店に来る理由はお姫様なんかではない。

それを建前にして、こうして来ているのは一重にミエという少女が好きに他ならなかったのだ。

ヒヅチの立場からして見れば見え見えだがミエの気持ちがイマイチ掴めていないのも確かだった。



「とりあえず、空いてる席はあるか?」


「あ、そうだね忘れてたよ。

いや〜、ヒヅチだとこのバカの相手をしなくて良いわ。

ずっとヒヅチを通してギノとは話そうかしら?」


「…やめてくれ。

俺がそれだとキツイ」


「冗談よ。

流石にそれはヒヅチが大変だしね」



ミエはそう言っておしぼりを持って案内をしてくれる。

そして、いつもの営業スマイルで対応してから他の場所の対応に向かう。



「ギノ、この店に来るのは良いが、その建前はやめといたらどうだ?」


「…いや、というかどちらにしろ芽が無いし」


「うん、どうした?」


「それより注文しようぜ。

決まったか?」



ヒヅチは頷いて店員を呼ぶ。

すると、今度はミエではなくバイト店員が来て対応してくれた。

因みにバイトの店員はギノを見て、ミエの方を向いてという動作を行ってから「頑張ってください」と形だけのエールを貰っていた。

あくまで形だけであり、絶対に無理だろうなという感情が見え隠れしていた。


まぁ、要するに傍目から見るとギノの恋心は筒抜けなのだ。


まぁ、当の本人は…



「まぁ、未だ話しかけられないが頑張って見るぜ!」



と、建前の方だと盛大に勘違いしていた。

ヒヅチはそれを見て苦笑いをして、周りを見る。

すると、ある六人組が入ってくるのが目に入る。


一番前で対応してるのが青色の髪をした少女でその後ろには側近の騎士と思われる、そこそこ立派な服を着た男達がいた。



「ヒヅチ、知ってるとは思うがあの女の子が第一王女で後ろの騎士の中で盾持ちが、かの有名なライトという騎士で無手なのがユキトラという騎士らしいぜ」



それはもちろんヒヅチも知っている。

しかし、問題はそこでは無い。


それは第一王女にある。


敢えて今まで触れては来なかったが問題なのは第一王女の年齢だ。

まぁ、まず見た目の方を言ってしまえば7歳程度である。


そこで問題が生まれる。

この国では結婚できる年齢は13からである。

そして、この酒場で王女目的で来ているのは、およそ半分くらい。


まぁ、未だ良い。

世の中は不思議なものであの見た目で70近く生きる者もいるという話をヒヅチは何度も耳にしている。


しかし、だ。


彼女はそれではなく、見た目通りの7歳である。

要するにこの場にいるのは自分の半分以上年下の年端もいかない幼女目的で来る変態なのだ。



故にヒヅチは目の前で王女を見れて嬉しそうにしてるフリをする友人を見て思う。



(お前、その建前じゃ余計にミエに引かれて嫌われるだけだぞ)



実際、ミエはそれを見てドン引きしており目を合わせないようにしているのだ。

目を逸らされてる本人といえば仕事で夢中でこちらを見てないと考えてるだけで至って能天気なものだった。

ヒヅチにとってギノのアホさ加減は昔からなので多少ため息を吐いて呆れるだけにしていた。



「あれ、英雄じゃねぇか?」



ギノが何かに気付いたように指を指す。

ヒヅチはその先を見るとそこには一人の男が店に入って来ていた。

どうやら、お姫様と待ち合わせをしていたようで合流して同じテーブルに着く。

その瞬間、周りは形だけ騒がしさを出し耳を澄ましてるのがヒヅチから見ても分かった。



「やはり、注目を集めるものだな」


「それはそうでしょう、英雄様。

第一、何の用で私を呼んだのですか?」



どうやら、英雄の方が用がありお姫様を呼んだようだ。

ヒヅチ達は適当に噛み合うようで噛み合わないような話をギノとしながら二人して、他の客と同じように耳を澄ましていた。



「端的に言わせてもらうが…外れの土地で人災について研究するための許可をくれ」



英雄の端的な言葉に騎士とお姫様は眉をひそめる。

しかし、すぐに普段通りに戻り騎士の中の二人に第二王女である妹を連れて戻れと言って話を始める。



「それでしたら、こちらにではなくお父様の方に進言するのが常識では?」


「はい、それは確かにそうでしょう。

しかし、今回のお願いは無茶があると分かっています。

ですので、協力をして頂ければと」



客達は一瞬、静まり返る。

しかし、すぐに元の騒がしさに戻す。

なぜなら、彼らには英雄が畏る姿など想像が出来なかったのだ。

それを当の本人達も気付いているのか、軽く周りを見た程度ですぐに向き直る。



「そんなことを民のいる場所で話すことですか?」


「そうですね。

しかし、それだけ話しても私の言いたいことを伝えられないので聞いていただけますか?」



お姫様はその提案に対して許可をして英雄の話に耳を傾ける。


それは人災についての根本についての話だった。


そもそもがこの国の人災発生率はとても高い。

その理由としたが、この国の王が他国で使われている英雄のやり方が気にくわないに他ならない。


一人に人災としてのエネルギーを集めさせて殺す。

確かに効果的な方法だろう。

死ぬのは生贄となる民だけとなるのだ。

ふつうに人災の被害が出るよりも少なくて済む。


しかし、そこには罪のない民が無理やり罪を押し付けられて死ぬという過程が含まれている。

この国はどうしてもそのやり方を許容できなかった。


故にこの国は英雄を招き、騎士を育て、発生する人災を倒すという手段を出した。

確かに死者は出るかもしれない。

しかし、罪もない人間が無差別に殺される方が何倍もこの国ではダメなのだ。

故に、騎士となった者達は常に死ぬ覚悟をもってして戦い続ける。

それは勿論、お姫様の側近の騎士だってそうだ。

常に死を覚悟し、誰かを守る為ならいつ死んでもいいと誰もが思って、騎士になる。


そう、簡単な前提条件を英雄は話して次に話を進める。


英雄の行う研究とは現在の人災の発生頻度について調べるようだ。

そして、出来ればその発生頻度を少なくする方法を確立させたいそうだ。



ヒヅチはそれを聞いてなるほどと思う。

今でも多い発生頻度を減らすには研究するしかないのだ。

しかし、下手な研究をすればそれは全く真逆の結果を生み出してしまう提案だったのだ。


お姫様は少しの思案の後に口を開く。



「私からはなにも言えません。

しかし、もし行うとしたらいくつかの条件をつけると思います」


「ものにもよるが構わない」


「はい、ではお父様にお伝えしておきます。

近いうちに呼び出しがかかると思ういます」


「わかった…」



英雄とお姫様の会話はそれきりでこの時は終わった。


しばらくして、英雄の研究の許可が下りるのだが、その時のヒヅチ達は知らなかった。

それがあの悲劇を呼ぶとは…

主人公や早よ!自分の中では物語が先走り過ぎてこの辺が書くのに辛い(笑)。


さて、今回は極めて珍しいタイプの過去回となりました。

その理由はまた後ほど…。


唐突の次回予告!

お姫様の側近として仕えるユキトラ。

彼の胸に秘めた思いとは?そして、この国は!?


次回【炎と虎龍の軌跡2 死の淵で望んだこと】


次回も読んでくれると嬉しいです!(露骨なお願い)

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