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思惑?

最近、タイトルが思いつかなくなって来ている。

「それで…どういうことか説明をしてもらおうか」



現在、北条 勇馬の前…要するに俺の前に皆帰は問い詰めるように聞いてきた。

起きてリビングに入ってすぐのことなので頭は働いていない状態だったが、現状に関してはすぐに理解できた。

どうやら、不可解なことが起きたらしくて皆帰以外にも聞きたそうにしてるのが見えた。

俺としては何のことか?…というより、どれのことか?という状態であって首を傾げていた。



「はぁ、火鎚の件のことだ。

お前、知ってるだろう?

昨日の夜、左目が青くなった火鎚が出て行ったその理由を」



そんな俺の心情を悟ったのかはたまた偶然なのか分からないが俺が知りたいことを聞いてきた。

俺自身、それを聞いて納得する。


俺だって知ってる人間の片方の目の色が変わって何処か消えたら心配になる。


皆帰達はおそらくそういうことなのだろう。


本来ならこの件はあいつ自身の問題であり、教える必要はない。

しかし、教えなかったら教えなかったで勝手に動かれてしまう可能性も否定できない。

だから、俺は話すことにした。



「あいつは戦ってるよ。

過去に犯した過ちと」



これだけでも分かるだろうと思い言葉を選んだ言葉はひどい自覚はある。

でも、これ以外に言う方法はない。



「お前らは手を出すなよ…最低でも一週間は待ってくれ」



俺は必死に頭を下げた。

その時の声だけは動揺していて震えていたようだ。

それも気にならないくらい俺は頭を下げる。



「いや、頭を上げろって!

とりあえず、事情を説明しろ。

手を出すなといきなり言われても困る」



皆帰が代表のようで俺に説明を求めてくる。



「…わかった。

ただ、知ったならお願いだ。

絶対に手を出さないでくれ」


「わかったよ。

お前らも別にいいだろ?」



皆帰はチラリと後ろを見て確認を取ると俺の方を再び見る。

どうやら、全員了承してくれたようだ。



「だ、そうだ。

それで?どういうことなんだ」


「簡単に言えば人災だ。

しかし、あいつらの場合はお前らとは違いケースが異なる場合でな余計な手出しはしたくないんだ。

あいつらが自身で解決してくれることを俺は願ってる」



俺が簡単に説明すると皆帰は混乱したのか首を傾げていた。

そういえば、こいつってアホだったような?


それを見て呆れた静育が代わりに俺の前に出て話の整理をしようとしてきた。



「要するに手出しをあまり出来ない事情をあいつ…いや、あいつらは抱えてるわけだな」


「あぁ……

うん?」



俺は一瞬、硬直した。

そして、一字一句自分の言ったことを思い出していく。

そこには確かに俺は『あいつら』と言っていた。


要するに俺は火鎚に限定してものを言っていなかったのだ。


要するに俺が予想で何となく知っている雪虎のしてることについてうっかり話してしまったことに他ならない。



「なるほどな、だから雪虎はこのタイミングで消えたわけか。

なるほどなるほど…それで異なる事情とは?」



そこからは流石参謀というべき力を静育が発揮して俺は自分の知る情報の全てを言わされた。



**



「確かにそれは私達が下手に関わっちゃいけなさそうですね」



大方事情を聞いた全員は情報の整理をしており無言だったがその沈黙を破ったのが那奈だった。

その表情には僅かに複雑な感情が込められており、俺は何もいえなかった。



「それを先に言え!

他には何もないのか?」


「いや、あるとしたら…雪虎は兎も角、火鎚は約束だから絶対に手を出さないで欲しいくらいかな?」



俺がそう言うと『また厄介な!』と静育が顔に手を当てた。

事情を説明したことだしと思い俺は普段通り動こうとしたその時だった。


俺は何を思ったのか携帯を開いてある人に電話を掛けていた。

その人物は四コール目くらいに出てきた。



『はい、疾風です』


「もしもし、勇馬だ」



何を考えて俺は彼に連絡したのか俺はサッパリ分からなかった。

でも、この人に何故か伝えなくてはと思えたのだ。



『お前か、珍しいな。

それで何の用だ?』


「えっと、火鎚がな…」



俺が話し出そうとした時だった。



『なるほどな、こっちもあることで忙しいのにな…』



なにかを言う前に疾風は察したようで舌打ちをしながらそう言う。

俺は内心なにも説明してないのにと思ったとはいえ、疾風だしな、と言う感情も心のどこにあった。



『勇馬、刃月はいるか?』


「え、まぁ、いるけど。

急にどうしたんだ?」


『今の報告で人員が不足しそうでなとある仕事を受けてもらいたい』


「いや、火鎚には手を…」

「分かっている」



俺の言葉を遮るように疾風はそう言う。

そこには訳の分からない感情が込められているようで俺は一瞬押し黙ってしまう。



『大丈夫だ。

むしろ後処理もあることを忘れるなよ。

というか、お前もわかっていて俺に言ったんじゃないのかよ』


「えっと、それは直感というか何というか…」


『そうか、まだ記憶がないんだったな。

とりあえず、刃月は大丈夫か聞いてくれ』


「えっとそれは俺じゃダメなのか?」


『できれば頼みたいが極力刃月も連れてきて欲しい。

戦力は多いに越したことはないからな』


「わかった、とりあえず聞いてみる」



俺は軽く目配せをして刃月に確認を取る。

すると、大丈夫と頷いていたので俺はすぐに携帯の方に意識を集中する。



「とりあえずは大丈夫そうだ」


『人員も確保出来たことだし俺の教えられる限りのことは教えるか』



疾風はそう言うと間をゆっくりと置いて淡々とした口調で話し始める。



『まず最初に覚えておいて欲しいことがある。

確かにお前は火鎚を救った英雄かもしれない。

しかし、それはもう一人の英雄の実績でもある。

そして、それは…』



まるで焦らすように疾風は言葉を止める。

そして、数分ほど経った後にようやく次の言葉を発した。



『英雄リクヤ=クレード…要するに田中 陸也が火鎚を救ったもう一人の英雄だ』



**三人称



ある遠い場所で…


カラカラカランとも表現できる音が小気味よくなる。

それは将棋倒し、まぁ、要するにドミノをした結果だった。


それを行なっているのは一人の少女だった。


茶色の髪に金色の瞳をした少女…要するに『六賢者』最後の一人の人物だった。


しかし、『六賢者』と言えばすごく聞こえるが事実『六賢者』というのは勇馬達の中で研究を主に行なっている者達のグループ名みたいなものであった。


余談だが、皆帰や利差などは雷しか使えない、氷しか使えない名だと言った理由から『六賢者』と同じように『純粋のエレメンツ』と呼ばれていた。



「…」



少女は次に綺麗な石をいくつか散りばめて線で繋いでエネルギーを流すなどといろいろなことをしていた。

あくまでこれは少女の気を紛らわす遊びの一部分であった。


そう、少女はあることを待っていたのだ。

しかし、それが一向に行われないことから痺れが切れてしまいそうになっていた。



「あれ?

忘れられてないよね?」



少女は思い出していた。

利差に言ったあの言葉を…



『名前はまだ思い出されたら困るんだ…だから、勇馬に伝えといて…私の下まで来てみなって』



前半はまだいい。

でも、後半に関してはとても重要なことだった。

これではいつまでたっても自分はこの空間で引きこもり生活を送らなくてはならないと少女は思考してやばいと悟った。



(何とかこの状況の打破を…)



そう思い少女は千那に相談しようと半透明の肉体で探すが忙しいようで現在会えずにいた。

かと言ってもう一人の協力者である相模は立場的にも昼間からの接触は無理な話だった。


その結果、少女は一人で途方に暮れながらも利差が忘れてないことを祈るばかりだった。


因みに利差はあれからの人災の暴走もあり完全に忘れていたのは言うまでもなかった。



**千那



「それでは、完璧にあの男と敵対したことによる会議をしたいと思う」



シャルロットがそう言うと僕達全員は無言で席に座ることを徹していた。

実際、会議と言っても具体的な案などはない。

主にあるのは状況に応じた対処くらいだろう。



「まずは戦力について報告してくれ」



それでもシャルロットは曲がりなりにもこう言ったことが得意でありある意味では戦闘においての才能はある。


まぁ、普通の戦力としてみても強力なのは確かなので文句なんて誰も漏らすことができない。



「なら私の方からね。

こちらは少々、兵の方が荒っぽくてどうしようもないかな?」



一番最初に答えたのは身の丈に合わない太刀を持った少女というより幼女だった。

何度も勇馬達と交戦してるので実力は確かみたいだ。

事実、シャルロットが一番信頼を寄せてるのはこの子であろう。

名前は確か…ヘレネアだったような気がする。


そして、彼女の話に出る兵というのは些か問題でテロリストを懐柔したようなもので血気盛んなのが多いのだ。

僕としては何て者を引き入れてるんだという話だがそれも僕からは何も言えなかった。



「んじゃ、次は俺だな。

概ね良好とだけ言っておこう」



次はライトだったが、彼の戦力は兄弟達であり言うほどまとめたりする仕事はしていなかったりする。

彼自身、下手をすれば僕よりも考えていることが分からない。



「んじゃ、次は私かね?

聖騎士と言ったかな?

それが少しうるさい以外何もないよ」



椿がそう淡々とした声で言う。


そもそも聖騎士とは言ってもただの極少数でしか知られていない宗教団体の一つであり、教義そのものが狂ってるとしか言いようがない教えを広めていた。



『人は害である』



それを中心とした人間への否定を行なっておりその嫌悪は自分達に対してまである。

下手に制御下に置いていないと自爆テロとか起こして多大な被害を出すような集団だった。

そんな人達を纏めているせいか酷く苦い表情を椿はしている。


僕とは長い付き合いだけどあそこまで嫌な表情をしたのは殆ど見たことがないなぁ。


まぁ、僕としてもあの宗教は嫌だからよくわかるけど…。



「こっちは問題ない。

あるとすれば時々あるアレンの失敗くらいだ」



次はタツミという男が報告をしていた。

どんな人かは知っているけどあまり深く関わったわけではないから実際よく覚えていない人だった。

ただ知っていることは武器の作成においては右に出るものはいないとされる男ということ…ただそれだけだった。


彼の戦力はアレンと他少数民族で構成されており、その少数民族の中には技法などを使うものもいるそうでかなりの実力者揃いらしい。

実際、あまり見てないから何とも言えないんだけど…。


おっと、次は僕の番だった…。



「こっちは平常通り」



僕がそう言うと少女…いや、幼女と朱嶺がキッと睨んでくる。

まぁ、理由は理解できるけどあまり表に出される反応に困るなぁ。


僕の戦力構成とされているのは全員孤児だった。

実際のところ言えばただ単に孤児を拾っただけなのだが名目上は戦力として拾ったということにしないと納得しない人がいるので戦力として数えている。



「こちらは丁度統率がうまく取れたところだ」



そう言ったのは朱嶺だった。

彼の勢力は彼について来た陰陽師で構成されている。

その誰もがかなりの実力を有しており、直近で加入したにしては強い戦力を誇っている。



「あとは椎名だが、彼女は現在とある仕事を任せている。

どうせ彼女は単独行動だから関係ないけどな…」



毒を含むような言い方でシャルロットはそう説明すると改めて咳払いをして僕達を見渡す。



「では、まず今後の方針についてだが…」



**



会議が終わり僕は自分の与えられた家…いや、施設を見ていた。

ここは僕の住む場所にして僕が運営している孤児院だった。


僕は門の中に入ると入り口のドアの鍵を開けて施設の中に入る。



「ただいま」


「あ、千那先生!おかえりなさい」



丁度玄関前の廊下を通っていた子供がそう言うと共に奥から何にもの子供が姿を表して僕の下に集まってくる。



「ふふ、いい子にしてた?」


「うん!」


「先生!

こいつが!」


「いや、お前が!」



素直に返事をする子もいれば喧嘩をしてるのか言い合っている子供もいた。

いつものことなので軽く話しを聞いて宥めると僕はリビングの方に向かう。


すると目に入るのは散乱したオモチャとゴミだった。



「はぁ、また散らかして今回は君と君かな?」



ゴミの種類などを見て僕は散らかした子に当たりを付ける。

すると案の定すぐに子供達が口を開く。



「先生、ごめんなさい」


「いや、こいつもだよ!」



一人は素直に謝ったが、もう一人はすぐに一人の子を指差して言う。

それに対して少し呆れながらも然ることにする。



「こら、別に他に誰がやったとか言うのは悪いことじゃないけど、まずは謝罪をしなさい」


「あ…はい、ごめんなさい」


「よろしい。

それで、君もやったのかな?」


「…ごめんなさい」


「なら、しっかりと片付けるんだよ。

使うものは出していてもいいけどあまり広げすぎないこと、周りに迷惑がかかるからね。

分かったら、僕がお昼を作り終えるまでに片付けること!」


「「「はい!」」」



三人の子供は素直に返事をして片付けを始める。

すると関係ないはずの何人かが手伝っている子もいた。



「あとで褒めておかないとな…」



僕がそう小さく呟いた時だった。

インターホンが鳴る。

僕はすぐに反応して玄関に向かってドアをあける。



「誰かと思ったら君か…」


「忙しいところすまないな、少し話があって来た」



そこにいたのは黒い綺麗なワンピースを着た椿だった。

彼女は少し申し訳なさそうにしてるが僕としてはまだ少し時間があった。



「別に大丈夫だよ。

少し待っててね」



僕は椿にそう言うと子供達に「少しお話があるから待っててね」と伝えると椿と一緒に外に出る。



「ふむ、やはり驚きだな。

ここまでしっかりと世話ができているとは…」


「まぁね、これでも伊達に原初の頃に聖女と一時期呼ばれていないから」



僕は胸を張ってそう言うと椿は大きくため息を吐く。

実際、僕自身そんなタチでは無い。

確かに子供の面倒を見るのは好きだ。

でも、何処かで罪滅ぼしの気持ちでやっていることに関しては否定はしない。



「まぁ、私としては君の第一印象のせいで君がこんなことをしてることに違和感を覚えるだけだがな」


「そうだね、椿と初めて会った時は酷かったからね」



僕はそう言って笑うと少し黙る。

そして、笑みを崩さずに椿を見る。



「まぁ、そう睨むな。

火鎚が動き始めたことを伝えに来ただけだ」


「そっか、んじゃそろそろ潮時かな…その時になったら頼むよ椿」


「分かっている。

君がそれを望んでいるのだろう?」



僕はその言葉に対して返事をせずに施設に戻っていく。

最後にふと振り返ったがもう既にそこには椿の姿はなかった。



「人のことは言えないけど…本当にお人好しだなぁ」



そうして、誰に言う訳でも無い呟きを漏らして僕は玄関を開けて家に入って行った。

今回は千那の視点が多かったです。

理由としては章のはじめの辺りなので一回状況の整理をしようとして結果一番扱いやすい視点の千那を抜擢しました。

他にも理由がありますが割愛


にしてもやっと動きが読めて来始めるだけの情報の開示ができました。


次回は火鎚と雪虎の状況についてやっていきたいと思っています。


ここまで読んでいただきありがとうございます。

面白いと思って頂けたなら幸いです。


良かったらブクマや評価をお願いします。

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