紗雪の過去
投稿を開始してから一年が経ちました!
リアルが忙しくなったりして50部に行けませんでした!
更新なども遅れたりしてすいません!
そして、翌日となり俺に残ったものは悩みと焦りだった。
正直、利差が人災に委ねたか分かっていない。
「おい、北条!」
「え、はい」
おっと、忘れてた今は授業中だった。
ちゃんとしなければ…。
「お前、具合悪いなら保健室行ってこい」
「へ?」
まさか、先生俺の悩んでいることを知って…
「お前が寝ないなんて…よほど辛いのだろう…無理するな」
「あんたは俺にどうしろと!」
先生は「そうか、そんな日もあるか…でも無理するなよ」とだけ言って授業を進める。
俺自身、少し落ち着けるために軽く先生の話を聞いていたがやはり、利差が何を思い出して俺が何を思い出せていないか考えてしまっていた。
でも、俺はなにかを思い出さないと到底利差を人災に委ねた状態から引っ張り出すことなんて出来るわけない。
そうして考えてる間も無駄だと言わんばかりに授業の終わりのチャイムは鳴る。
「大丈夫か?
朝からずっと悩んでいるようだが?」
「うん…あぁ、そう見えたか?」
井吹が昼休みになり心配そうに寄ってくる。
かなり俺は今日抱え込んでいたようだ。
「大丈夫…とは言えないが悩みそのものはあと少しなんだ…」
「そうだといいが何かあったら言ってくれ」
「わかってる…」
「なら、いいんだが…」
井吹は心配そうにしながらも話を逸らそうと何か考えているようだ。
おそらくこれ以上は問い詰められたくないという俺の心情を汲んだのだろう。
「そうだ、そろそろ体育祭だろ?」
「そういえば四日後だっけ?
意外と体育祭練習期間短いな…」
「まぁ、うちの学校はそこまで盛んという訳でもないしな…中学というのもあるのだろうが…」
井吹は苦笑いしながらも俺の疑問に対してしっかりと答えてくれる。
「そう、そんな体育祭だけど…明後日準備があるんだ」
「まじでか…それで?」
準備と聞いて俺は少し憂鬱になるが負担そのものはそこまで大きくなさそうなので?続きがありそうな言い方をする井吹に問い詰めるように聞く。
「いや、その倉庫の近くに今となっては使われなくなってる建物があるんだが知ってるか?」
待てよ…見たような見てないような…。
いや、どっちだ?
倉庫って確か…。
「いや、知らないな」
「そうか、まぁそこにはそんな建物があるんだが実はあそこに相模先生が出入りしてるという話があってな…体育祭の準備する際に少し使ってるそうで空いてるようなんだ…どうだ?
今度、一緒に行って見ないか?」
「…」
俺はその提案に対して断ろうとしたが気分転換に丁度いいと思い頷いた。
実際、このまま何もしないより何かした方が良いとは思っている。
「よし、分かった!
今日も席を外すなら時間を取らせてしまって悪いな」
「ああ、いい話を聞けたからいいよ」
俺はそう言って教室を出る。
そうして、いつも通り屋上に俺は出る。
「あ、今日、勇馬は来ないと思ってたわ」
雪菜がいち早くに反応してそんな言葉を言う。
まぁ、実際に来るかどうか迷ってたからその心配は間違っていなかったりする。
そして、屋上には雪菜、紗雪、那奈、世那がいた。
「まぁ、少し肩が軽くなったからな…」
俺はそう言って弁当を置いて壁にゆっくりもたれ掛かりながら座る。
一気に脱力させて空を見上げる。
「一体…どうなってんだから…」
「えっと、急にどうしたの?辛気臭くなってるけど…」
紗雪が俺を見て若干引きながらもため息をついて心配して来る。
まさか、ここまで心配されるとは思わずに少し目を見開く。
「勇馬、別に私は嫌ってる訳でもないし心配しない訳じゃないよ。
そもそも、恩人に対して抱く感情は逆だよ…まぁ、男として見てるかって言われたら…どうだろう?」
紗雪は不服そうに口を尖らせて言ってくる。
その際に俺にグイッと寄ってくるので俺は少し身体を引かせた。
「分かった、分かっているから落ち着け」
「あぁ、ごめん。
私も少し人と接するのが苦手でね…私も利差も似てるところがあるんだ…同じように信頼できる人間が一人も居なかったという辺りね…」
俺は少し驚いた。
紗雪はとてもそうは見えなかったからだった。
紗雪は緩く、そして明るい気質をしていた。
その分、きっと言い知れないものを隠しているような気はずっとしていたが…まさか、一人も信頼できる人間がいない程のものとは思っていなかった。
「あれ、そういえば雪夜と皆帰、雪虎とあと…刃月はどうしたんだ?」
「え、あ〜」
「どうして全員そこで目を逸らす…」
「いや、何でもないとは言えないし…何とも言えない状況とも言えるし…」
雪菜が何故か言い訳がましくそう言って明後日の方向を向く。
「それに関しては私が説明しとくかな?」
そう言って俺の方を向いてきたのは世那だった。
世那の視線は未だに明後日の方に向かっておりどうしても明日(俺)と今日(現在)に向き合ってくれない。
「いや、少し問題があってね…なんか突然、火鎚が飛んできて…三人を拉致ったというか…そんな感じなんですかな?」
「いや、俺に聞かれても困るんだが?」
「まぁ、とりあえず火鎚がみんなを拉致った感じかな?」
「そ、そうか?」
世那の説明に釈然としないが、この際仕方ないとしよう。
いつまでも引っ張っても起きたことをどうすることもできないからな。
「それで聞きたいんだが…お前は原初の記憶を持ってるのか?紗雪…」
「勿論!
この場にいる人はみんな覚えてるし該当人物がいるよ!」
紗雪の言葉に雪菜達が頷く。
俺はそれを聞いて思考に入る。
おそらく、利差は思い出すのが遅い部類だろう。
そして、紗雪や世那の原初の方が気になる。
「あ、わるいとは思うけど…原初の記憶はあまり多く覚えてないかな…?」
世那は少しばつが悪そうに頰をかきながらそう言う。
「そうか、すまないな。
それで少しだけ聞きたいんだが…紗雪の原初ってどんな感じなんだ?」
「そうだね…話すべきだね…だって私の力はある意味で一番制御しづらいから…まぁ、昼休みに合わせて語るね」
紗雪は明るくそう言うと雪菜達の方を向いて話していいか確認取っていた。
「別に私も気になるしお願いするよ」
「私も同じような感じだね…」
「えっと、私の方から聞きたいです」
雪菜、世那、那奈と三人とも良さそうに言うと黙る。
そこから語られるエピソードは身勝手で情けない少女の話だと恥ずかしそうに前置きをしていた。
*******語り部(紗雪)********
そう、私は生まれた時はこう呼ばれていた…『風の巫女』様と…。
私は生まれた時より風という現象…いや、風そのものに愛されていた。
技法なども然り、それに現れていた。
そうして、元気に育っていくうちに気がつけば私の言葉の一つ一つは順守されていた。
絶対命令…いい人も悪い人も関係無く…全員狂ったように有りあらゆる私のお願いを聞いていたのだ。
明るく振る舞う私を見れば男も女も関係無く興奮して跪く…年寄りも熟年も子供も関係なく私に跪いた。
まさに老若男女問わず私を崇拝し続ける宗教がそこにはあった。
私が止めようとした頃には既に手遅れだった。
私への忠誠は解けずに私の望まぬことまでもをし始めたのだ。
初めは人を捕らえて生贄として渡してきた…。
私は怒ってそんなものいらないと言うと何か納得したように皆頷いた。
そして、次の時には無数の人の死体が私に献上された。
誰もが彼らは異端者だと言って語り聞かせてきた。
誰を殺した…誰が何をした…私の素晴らしさ…国をどうした…目の前に死体について関係有無などは無く聞きたくない話をひたすら聞かされ続けた。
そうして、気がつけば自由な行動とあいまっていた自分は消えていた。
もう聞きたくないと耳を塞いで引きこもった。
しかし、それは彼らの行動を助長するものだった。
私の部屋の前で毎日祈りを捧げ…私の部屋の前で聞きたくもない報告を聞いて…私の部屋の前で………。
そうして、頭を埋め尽くされる有りとあらゆるもの情報は幼い私の心も体も全てを蝕んだ…。
そうして先に消えたものは…存在そのものだった。
気がつけば私は風の化身となっていた。
全ての風が私の味方をしてくれた。
それでも、その風を使う気にはなれなかった…この力は彼らの絶大なる信仰により生まれたのだと分かっていた…いや、分かってしまった。
逃げたかった…この場から死にたい…。
そんなことを考えた時だった邪教呼ばわりされて怒る信者達の声が聞こえた。
「くそっ!風城様が人災だと?
ふざけるなよ…」
「あんな居るはずもない神にすがりつく異端者共を一匹残らず殺して捧げねば…」
全くもってその通りだ…確かに私は人災とも呼べるだろう…なぜなら、彼らを魅了してしまったのもこんな風にしてしまったのも私なのだから…。
そうだ…私が死ねば彼ら元通りになり…馬鹿馬鹿しくなってからだろう…。
私は篭っていた部屋の窓を開けてゆっくりと落ちる…。
頭から少しずつ加速していき、これでもう、死ぬだろうと考えた時だった。
彼が現れたのは…。
彼は何故か窓のすぐ下におり、私の首根っこを掴んで助けたのだ。
そして、しばらくの間彼と話して…そうして月日が経った時、彼は私に言った。
「お前はな…否定していないんだよ…何もな。
だからさ、否定しに行こうぜ!
嫌だと大きな声で言ってやるんだ…戦争をするなら勝手にやれって私は関係ないってよ」
私の彼の手を取った…そして、ハッキリと口にした。
しかし、状況が好転する訳もなく…彼が私に吹き込んだ(本当)だの騙くらかした(これはやってない)などと言って彼を殺そうとした…そんな時だった。
一人の少女が彼の前に現れて私の信者に一閃の煌めきが放たれる。
そうして彼女はこう言った。
「君達はね縋っているんだよ…魅了された…なんて甘くて気持ち悪い言い訳を使って逃げて責任を押し付けてる人達にとって救いは身を持って知るしかないんだよ?」
少女はそう言って信者達をボコボコにして…気が付けば全てが終わっていた。
少女はいなく、彼だけが私の前に立って手を差し伸べていた。
「お前には選択肢がある。
ここに罪を感じて生きるか?それとも風城 紗雪として新たな道を歩むか?」
私はなんの迷いもなく手を取った。
***************
「まぁ、こんな感じで面白くなかったでしょ?」
「いや、ちょっと待て…お前ってひょっとして紗雪という名前ってその時に貰ったのか?」
「え、うん。
勇馬がくれた名前なんだよね…」
戸惑いながら言う紗雪に俺は目を逸らす。
覚えてないことに少し罪悪感を覚えてしまった。
俺はその瞬間、一つのことが思い当たった。
そう、利差に対する記憶がまだ完璧ではないと言うことだった。
それを思い出した時…何か変わるような気がした。
それと同時に俺はあの日とあの時…原初の自分は一体何を望み、考えそして、何に焦っていたのだろうか?
一つの疑念と一つの可能性が俺の中で交錯していた。
何故、俺は紗雪と利差が被害者だと分かっていたのかがどうしても気になっていた。
そんなことを考えていると昼休みが終わるチャイムが鳴る。
「えっと…私は先に教室に戻りますね」
那奈はそう言って屋上から出る。
世那は苦笑いしながら俺をじっと見る。
「勇馬には勇馬の選択があるけど…少しでも我儘になってみれば?
行こ、雪菜ちゃん紗雪ちゃん」
世那はそう言うと雪菜と紗雪を連れて無理矢理出る。
二人は何か言いたそうだったか世那の気迫に気圧されて黙っていた。
「正直、助かるな…」
誰もいなくなった屋上で俺は空を見ながらそう言う。
俺は氷が宿る理由を考えたことがある。
物理的にではなく心象的に…。
それは否定と拒否の感情…利差のその能力については知っている。
しかし、おかしいのだ…利差はそれを知っているはずだ…何処かで俺が言った…。
そうだ、あの時だ…。
「あぁ、そうだ…あの時と同じだ…利差は怖がってるんだ…」
俺の中の記憶が線と線が繋がったように明確な記憶となっていく…少しずつ…少しずつ。
そんな時、学校のチャイムの音が聞こえる。
「あ、やべ遅刻だ…」
俺は急いで教室に向かったのは言うまでも無い。
***************
放課後になり、夕日がグラウンドを差す中…相模 美久は体育倉庫の隣にある小屋に向かって歩いていた。
「今日はやけに寒いな…」
ふと呟きながら、その小屋の鍵を取り出して開ける。
しかし、扉は開かずに音を鳴らす。
それと同時にひんやりとした空気が小屋の中から流れてくる。
「あらあら、お客さんね。
でも、ごめんね…そこは今とある子が使用中なの」
相模が開かないことに対して疑問に思っていると小屋の上の方から少女の声が聞こえてきた。
そこには半透明の一人の少女がいた。
「誰だ、ここの生徒ではないだろ」
相模は普段から抑えている殺気を全力で放出しており、口から漏れた声は恐ろしいほど冷え切っていた。
「流石は元は名と畏怖を集めた双頭の暗殺者の一頭と言ったところかしら?」
「…私の質問に答えろ、何をしている」
一瞬、相模は狼狽えたものの依然として冷たい声で言い放つ。
「私は見てるだけよ。
死という名の救いを求める少女とそれを止める所謂王子様をね」
「何を…」
相模の頭が整理できないうちに少女は地面に降り立って相模の耳元で囁く。
「丁度良かったよ、君にはお願いがあるんだ」
その言葉を聞いた相模は目を見開いてただ何も言わなかった。
しかし、少女は納得したようにその場から消えていった。
本来なら複雑な紗雪のストーリーも入れる予定でしたが利差以外の殆どがある程度の原初の記憶を持っている点で考え直して路線を少しだけ変更しました。
どこかで紗雪がメインとなるとストーリーもあるとは思いますがそこまで大きな話にはならないと思います。
と、言うわけでこの前に引き続き新しい自分の執筆した物語の紹介をしたいと思います。
五百年後の世界で超能力と呼ばれる力が世の中に普及しており、人類の進化した者もいたそれを人は人より強き者として『亜人』と呼んだ。そんな未来でとある少年が学園バトルであって大きな組織などと戦う壮大?で王道な学園バトルローファンタジもの!
https://ncode.syosetu.com/n3194ec/
『進化と白紙の超能力者』
休止状態から再開する予定です!
是非読んでみてください!
では、ここまで長々と後書きと本編を読んでいただきありがとうございます!
これからもおもしろいと思って読んで頂けたなら幸いです!
すいません、間違えて割り込み投稿したので一度消しました。




