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決着3

タイトルが変わりました。

*******第三者******


凍てつくような氷がいくつも立ち、全てを薙ぎ払うような風が支配してる空間で乾いた破裂音が何度も響き渡る。


そんな中で動く影が四つあった。


一つはポニーテールの少女、利差のもの、もう一つは髪が短めで切り揃えられた少女、紗雪のもの…。


銃と弓、対照的にも見える二つの武器で二つの影相手に攻撃を仕掛けている彼女達だが、どれもが決定打ならず緩着状態が続いていくだけだった。


そして、もう二つの影はやや小柄ながらローブを纏った少年少女、仁と由無のものだった。


矢も弾丸も二人が持つ両手でそれぞれ違う武器、片手メイスと剣により弾かれていく。

利差が氷を広げて自身の有利なステージに変えていくが、それは先程から即座に大きめの技で潰されていた。


故の緩着そして、利差たちにとって不利な状況となっていく。


焦りつつ撃つ銃の乾いた発砲音は虚しく響き、この状況の勝ち目が無いことを示し始めていた。


「紗雪、何か策は?」


「あったら伝えてるよ、盲点だったよ由無と仁の実力を見誤っていた…」


紗雪は歯軋りをしながら弓を引く。

その度に大地が抉れるような強烈な矢が放たれるがいとも簡単に防がれてしまうのが焦るの要因の一つとなっていた。


対して由無と仁は状況に応じた攻撃手段の入れ替えや多彩な能力の使用により、ことを有利に進めていた。


しかし、お互いに決定打に欠けていた。


由無と仁の実力では利差と紗雪を抑え込む力はあれど倒すほどの手段は無い。


利差と紗雪も倒す実力はいくらでもあれど、この緩着状態を終わらせるだけの有利な手段は無い。


そして、乾いた発砲音と共に由無と仁の周りに無数の氷が囲うように展開される。


「紗雪、今!」


「分かった!」


紗雪は飛んで真上から矢を放とうと弦を引く。

弦を引いた時、暴風が吹き荒れる。

その暴風は紗雪に向かって起き、空気を溜め込む。


「由無、やばい」


「大丈夫、仁あれを」


すぐに状況を察した二人はお互いに剣を構えてぶつけ合う。


キーン


ととても高い音が響き渡る。

その瞬間、それは起きた。


氷が砕けるまたは溶け始めた。


やばいと瞬間、悟った紗雪は溜めの途中にも関わらず矢を放つ。

強力な風を纏った矢が風圧と共に押し潰さんと由無と仁に迫る。


しかし、事態は遅すぎた。


氷は完璧に砕かれ、二人の退避は間に合ってしまった。


「何…あれ?」


すぐに紗雪は利差の近くに行き、状況を確認する。


soundサウンド vibrationバイブレーション…」


利差はポツリと言葉を漏らす。


「さうんどばいぶれーしょん?」


「音の振動…正確にはその波に技法などを乗せる技…、雪菜と勇馬、雪虎の辺りが使っているところを昔見たことある」


「そ、そんなのがあったんだ」


紗雪は知らなかったようだが、一応は技法使いである。

概要だけでもどんな技かは把握はできた。


しかし、利差も紗雪も表情が険しいままだ。


二人とも今ので決めるつもりで全力で能力を使ったのにも関わらず簡単に避けられた。

余力はある…しかし、勝つ手段が無い。

そんな状況で続行をしても負ける未来しか見えない。


それは仁たちも同じと言える。

しかし、仁たちとは決定的に違うのは仁たちにはとりあえず負けることがないのだ。


それと比べて利差達は能力切れによる負けの可能性が高い。


焦っても焦らなくても勝ち目は無い。


「よく頑張った、利差ちゃんに紗雪ちゃん」


その瞬間、利差達の後ろから声が聞こえた。

二人は振り向こうとした瞬間、ポンと頭を撫でられる。


「ここからは『六賢者』の戦いだから邪魔をしないで」


藤塚 鈴利が目の前に立つ。

何か思い詰めた表情をしながらいくつかの紙を取り出す。


「由無、警戒しろ鈴利さんの研究テーマは厄介だった筈だ…」


仁達は僅かに後ろに下がる。


「鈴利さん…?」


利差は首を傾げる。

実力が離れている。

決定的な強さを鈴利は持っていた。

しかし、それは前の人生ではあり得ない程の実力差、それに対して利差は不思議に思う。


「あの、何でここに…」


紗雪はそう問いかけるが、鈴利は紗雪達の方を向いて「後でね」と言って歩き出す。


「仁君、由無ちゃん、あなた達のテーマは確か陣だったはずよね?

なら、私のテーマは覚えてる?」


鈴利は御札と呼べる何枚もの紙を取り出す。


それを見て明らかに二人の表情は引き攣る。


「や、やだな〜、由無逃げるぞ…」


「ヒィ、仁、分かった早くしよ」


二人は即座に撤退しようと動こうとする。


しかし…


「どこに逃げるのかしら?」


既に二人の後ろに回り込んでいた。

二人の表情は更に引き攣っていた。


しかし、判断力があるのか焦ったのか?二人は武器を握りしめて飛びかかる。


鈴利はそれを真正面から避ける。

二人の絶妙な連携の取れた動きに鈴利は感心しながらも御札を二人の武器に貼る。


「爆」


ズドンッ


その瞬間、武器は弾け飛んだ。

利差と紗雪も含めてその場にいた誰もが目を見開く。


「これが呪術なのかよ…」


仁の呟く言葉…。


そう、鈴利のテーマ呪術である。

呪術と一言で言っても札やカード、結界に呪い、儀式に占と多岐に渡るものである。


故の余裕と強さを持つ『六賢者』の中最強にしてリーダーに当たった存在、それが藤塚 鈴利という女だった。


「さて、勝ちは決まった…いえ、早とちりのようね」


瞬間、それが誰の目にも映る。


巨大な魔獣の姿が…。


そして、由無と仁が負けていると知ってか知らずかその場に大量の魔獣が発生する。


「これは厄介ね」


鈴利はそう呟いて利差達を確認する。


「どうやら、心配しなくても大丈夫のようね」


交戦状態に入った二人を見て安堵の息を漏らすと目の前の魔獣達に集中をする。

因みに、鈴利の中ではもう既に由無と仁にはどう頑張っても逃げられると考えて諦めていた。


******雪夜*******


「流石だな、雪夜!」


どう見ても皮肉にしか聞こえないような褒め言葉をレイトに言われる。

槍で上手く攻撃をいなして突きを入れたりするが先程からこうげきは通らず、明らかに手加減されていることが分かっている。


「その皮肉はやめてくれ!」


甲高い音と共にレイトの剣と俺の槍がぶつかる。

そして、俺の周りに水が発生するとレイトを殺さんと凄い勢いで飛んでいく。

それに対してもレイトは冷静に俺の攻撃をいなして簡単に水を弾く。


しかし、弾く瞬間を見逃すわけもなく俺は槍で突きを入れるがレイトは体を捻って軽く避ける。

次は量を増やして水を飛ばす。

レイトは俺から離れて逃げの姿勢に徹する。

しかし、俺がそれを逃すわけもなく追いかける。


だが、俺が攻撃をする隙は無く全ての水をあっという間に弾かれる。

そして、再び剣と槍が交錯する。

しかし、俺は能力使う暇など無かった。


レイトはさっきより明らかに激しい攻撃を仕掛けてきてそれの対処に精一杯な状態に俺はなる。


そして、また一つと傷が増える。


実力差は明らか…勝つのは難しい中で俺は考える。

俺の固有能力はあくまで水に対して強くする程度だ。

故に、水に対しての適性が高く、技法も水しか使えない。


ならば…


バシャン


と水が切り裂かれる音が聞こえる。


「チッ、やっぱり厄介だな…」


そう、俺の周りには無数の水が浮いていた。

今のは水による抵抗であくまでレイトの剣速を僅かに緩めたにしか過ぎなかった。

それでも余裕が数瞬でも生まれればいい。

これにより能力を使う余裕が生まれた。


浮遊している水を噴出する。

そして、すぐに槍から水を取り出して補給をする。

それを行いながら、再び撃ち合う。


レイトの方に余裕が無くなったのか、動きが僅かに鈍くなる。


「ここだ!」


隙を逃さず俺は攻める。

と思えた。


「甘いな雪夜…俺の固有能力を忘れたのか?」


瞬間、雪夜の中で巡る記憶…レイトの能力は…縮地…。

一瞬のうちに後ろに回られた。

そして、背中を…。


ガンッ


と何かを弾くような音が聞こえる。


俺は理解できないでいた。


「ふぅ、何とか間に合った…」


少女の声が聞こえる。

俺は後方を確認すると盾を持った少女がレイトの攻撃を防いでいた。


「あんたは…」


俺は状況が理解できずに少女に問いかける。


「少し待ってね」


少女は盾を前にしてレイトに突っ込む。

それに対して即座にレイトは側面に回り込もうとした瞬間に盾を突き出してレイトの動きを止める。

そして、すぐに蹴りを繰り出してレイトを吹き飛ばす。


「君は雪夜であってるよね?

初めまして、私の名前は星崎ホシザキ 世那セナよろしく」


「お、おう。

お前は…」


「関係者だよ。

まぁ、私より妹の方が関わりが深いけど…」


世那という少女はそう言って頰をかく。


「というか、大丈夫なのか?

あいつはまだ生きてるだろ?」


「うん、そうだけどね。

ぱったりと気配が消えたんだ…」


俺はレイトの飛ばされた方を見るともう既にそこには姿はなく、周りを見るが本当に居なくなっていた。


だが、それと同時にとんでもないものが目に映る。


「あれは…っっ!

勇馬が危ない!」


俺はすぐに走り出す。


「ちょっと、焦る気持ちは分かるけど置いていくのはないでしょう!」


後ろから声が聞こえた気がしたが今は無視だ。

なぜならあの場所、勇馬達がいる場所にあんな巨大な魔獣が現れたのだから。


確か、皆帰もいたはずだ。

とにかく無事でいてくれ…。


******火鎚*******


「まぁ、楽しませて貰ったかな?」


炎の中、俺は立つのが限界の状態だった。

千那と名乗った少女は不敵な笑みで俺を見据える。


「くそったれが…殺すならさっさと殺しやがれ…」


俺はヤケクソ気味そう叫ぶがそれを聞いて千那は口を閉ざしていた。

よく見ると先程までしていた不敵な笑みも消えている。


「僕が利があるのかな?」


何を思ったか千那はそんなことを口に出した。

俺は何言ってんだこいつと思う。

俺とこいつは敵同士であり、殺すことに何のためらいがあるのだろうか?


「邪魔者が減るだろう?」


「そうじゃないんだよね〜、僕が言いたいのはまだ本来の力とは程遠い君を殺して何の意味があるのかとね」


「どういう意味だ?」


「だから、誰しもがシャルロットと同じ思想を持って協力している訳では無いと言うことだよ。

僕自身がその口だからね。

寧ろ、邪魔する側に回るかもしれないくらい?」


「…何言って…」


頭が混乱する。

こいつは何言ってんだ?

まるでこれじゃあ、第三勢力の介入があるみたいじゃないか?


「安心して、僕は第三勢力じゃない。

個人だから勢力にもならないよ」


訳がわからない。

俺に話してこいつは何になるんだ?

こいつの目的は何だ?

わからない…、シャルロットの勢力だと考えられれば目的は予想できるのに…こいつが何を考えているのか全く分からない。


「それでも…あなたは勇馬の敵…」


瞬間、声が聞こえた。

声のする方を向くとそこには銀髪の小柄な少女が自分の体の二倍はあろうかという大剣を背負って歩いていた。


「君は…」


「星崎 華…」


少女は千那の問いに短く答えると同時に身を屈めて走り出す。


身の丈に合わないような大剣を片手で軽々と振るい、千那と撃ち合う。


そして、千那が飛んで距離を取った瞬間、華が大剣を地面に突き刺して自身を持ち上げる。

そして、勢いをつけて着地瞬間を狙って華が落ちる勢いに任せて上から大剣を振るう。


血が飛び散る。

衝撃だけであたりを吹き飛ばす。

しかし、ギリギリで避けたのか血だけになりながらも千那は五体満足で遠くの方で立っていた。


「流石は『紅の破壊姫』と言われるだけはあるね。

僕も楽しくなってきたところだけど、時間にもなっちゃった」


「逃すとでも?」


「さぁ、ねぇ?」


そう言うと共に千那の存在が希薄になっていく。


ズドンッ


逃がさんと言わんばかりに華は剣を振るっていたがもう既に千那の姿は無く、逃してしまった。

それと同時に俺は見た。


「華って言ったか?」


「うん、あなたは火鎚だったよね?」


「いや、そんなのんびりしている場合じゃない!」


「知ってる、急ごう…」


俺達そう短く話してその場を後にした。

あんな巨大な魔獣の話なんて聞いてないぞ!

後で勇馬に問い詰めようと心に誓った。

あとちょっと、あとちょっとで戦闘回が終わらせることができる…。

長い、長かった…人が多いと長くなってしまう…。

ということで前書きと前回言った通りタイトルが変わりました。

変わるのが早くなってしまい申し訳ありません。

最近、時間があるので執筆をしてるのですが、今のところ目指せ!50部を7月までにを目標としております。


そろそろ一年経つのにまだ50部かよというお言葉には耳が痛い限りです。


不定期とは言いましたが思いつかないなどもありまして全然更新できていません。


そして、近々この作品の見直しをしようと思っています。

大体、この戦いが終わったくらいに間違った知識や誤字脱字の修正をしていきます。

基本的に説明不足以外で文章追加と大幅改変はする予定ありません。

その場合はその話の後書きで書き直します。


ここまで読んでいただきありがとうごさまいました。

また読んでくれると嬉しいです。

よかったら感想や評価をお願いします。

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