自己紹介パート1
あまり話は進みません。
あれから数分が経過して改めて疑問に思ったことがあった。
「そういえば、ここはどこなんだ?」
「どこって住所とかの話か?この施設の話か?」
「両方ともお願い」
「分かった。
場所を移すから来てくれ。
俺一人じゃ説明出来ないし」
そう言うと皆帰は立ち上がり俺に手招きをした。
俺は皆帰の後ろからついて行きながらキョロキョロと忙しなく顔を動かしていた。
意外と部屋数が多く清潔感が保たれていた。
そして、所々にトイレなどのプレートの貼られたドアなどがある。
最初のはホテルなどに思えたがこうして見ると、ただ部屋の数が多い普通の一軒家みたいだった。
「ここだ」
カイキはそう言うとノックもせずにドアを開ける。
「おぉ!」
思わず感嘆の声をあげてしまう程綺麗でそして部屋のの中央には何やら高そうな椅子と机が並べられていた。
「ここは?」
俺がそう聞くと皆帰はその中の椅子に座りながら答えてくれた。
「ここは談話室といって、ここでいろいろなことを話す場所だよ」
「ってことは、今回俺に説明をする為に?」
俺がそう聞き返すと、皆帰は首を横にふる。
「違うな、確かにそれもあるが少しだけ違う。
今回の内容はお前を入居者にするか否かの件だ」
ていうことは、俺がここで預かってもらうか決まるわけだ。
「そう緊張しなくていい。
お前だったら全員許可をすると思うぞ」
「そうかな?」
「そうだ。
お前そのものの性格が俺達の嫌う人種じゃないことは確かだから、後はお前次第でここにいられると思う」
「それなら、いいけどもしダメだったら?」
「正式な孤児院とかにでも送られると思うぞ」
なんか、それだけは嫌だ。
下手に連れ戻されたりした日には俺は軽く引き込もれる自信がある。
ガタッとドアが開く音がした。
それにつられてドアを見てみると、そこには同年代くらいの男女が入って来た。
男子7人女子3人くらいだ。
男女間の仲は悪くない様子である。
それぞれ、席に着いていく。
その中で髪が少し短めの翡翠色の眼の女の子が俺に近づいてきた。
「君が新しい入居者候補?
私の名前は風城 紗雪よろしね」
「よろしくな!えーと、風城?
俺の名前は北条 勇馬だ」
「紗雪でいいよ。えーと君は勇馬でいい?」
「あぁ、いいぞ。
改めてよろしくな紗雪」
「こちらこそよろしく頼むよ」
思ったより気さくな感じで俺はとても話しやすくて仲良く出来そうな子だった。
次に俺達の年にしては背が少し大きめ細身だがしっかりと引き締まった青眼の男の子が前に出て来た。
「俺は水連 雪夜だ。
よろしくな勇馬」
「よろしくな雪夜」
この人は意外と、とっつきやすそうな人だ。
そして、次に眼鏡にポニーテールの黒色の眼の女の子が俺の前に立つ。
「冬花 利差よろしく」
無口なのか彼女はそれだけ言うと下がって行った。
けれど、嫌そうには見えなかったから何とかなると思う。
ふと、横を見るとすぐそこに他の人とは少しだけ違う遠目から見たら黒にしか見えないくらいの赤黒いの髪の紅い眼の男の子が立っていた。
「利差に関しては気にしないでやってくれ。
あいつは少し人見知りが激しいだけだから。
嫌われているわけじゃないぞ」
「お、おう」
いきなり現れたことの戸惑いもありロクな返事が出来ていなかった。
しかし、相手は気にした様子もなく俺を見ていた。
「俺は華城 火鎚。
よろしくな勇馬!」
「あぁ、よろしな火鎚」
彼自身と接した時意外と接しやすくて自然とその言葉が出てきた。
俺の予想では火鎚は少し天然が入っていると思う。
まぁ、入っていなくても接しやすいことには変わりがない。
次茶髪で茶色い瞳をした男の子が前に出てきた。
「紅虎 雪虎だ。
よろしく頼むぞ!」
「おう、よろしく雪虎!」
なんか、グレちゃった感じの雰囲気の奴だ。
けれど芯は深そうで信頼できそうな奴には見える。
彼はフッと笑って部屋から出て行った。
「まぁ、気にするな。
彼奴はああいう奴だ」
皆帰は溜息を吐きながら言う。
「けれど、あれは結構君のことが気に入ったみたいだぞ雪虎は」
と言う声が近くで聞こえたので俺はそっちを振りまいて見ると体中に肌を晒さないように布を巻いた男の子がいた。
というか、やっぱり男で合っていたぽい。
彼はしっかりと俺の方を向いて話し出す。
「俺は夢宮 刃月だ。
この布は俺は極端に肌が弱くてなこうしていないと外に出れないレベルでな。
とりあえずよろしく」
「あぁ、よろしく。
でも、それ大変じゃないか?」
「もう慣れた。
生まれつきだったからな」
最初は少し怖かったがとても良い人みたいだった。
そんな人、聞いたことないがけれど彼は嘘を吐いている様子は無かった。
次に少し俺より年下くらいの黒髪茶色い瞳の男の子が出てきた。
「夢宮 ユン(ユメミヤ ユン)刃月の弟だけど肌は弱くないよ。
よろしく勇馬君?さん?」
「呼び捨てでいいよ。
ユンよろしくな」
「分かったよ、よろしく勇馬」
この子は多分この中で一番年下なのだろう。
元気があって人懐っこいタイプの人だった。
次の人が出てくると思った瞬間。
ガタッとドアが開く音がした。
この回は続きます。
人が多くなり始めたからキツイです。
2018.5.26より多少の書き換えと改行を加えました。