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決意…そして

微かに届く火薬などの匂い。

俺が望んだ未来はこんなものなのか?

俺は空を見上げて考える。


そこにいたのは百もの人間。

それぞれの手には銃が握られている。

こいつらは俺を危険人物とみなして殺しに来たのだ。

戦争に関与しない、国に属さない。

完璧な中立を保っていても彼らからしたら裏切るとか考えているのだろうか?


もう既に俺の周りには死体の山が出来上がり今現在残った人は怯んで動かない。

そう、これでいい。

もう、抵抗するな。

俺は見たくない。


人がこれ以上死ぬ姿を…。


「くそっ、総員!

構え!」


俺は目を閉じる。

俺の願いは届かない。

ならば、ここで断ち切らなければならない。

情けをかけても意味がない。

明確な…敵であるのだから。


「撃て!」


パンっ!


と何度も響く。

俺はただ佇むだけ。

剣を握り直して佇む。

そして、銃弾が当たる瞬間…動き出す。





俺は何をしてるのだろう?

死体が地面を覆い尽くし、俺はただその場で立って思考していた。


そんな時だった。

一人の少女が目に移る。

それは神社でよく話した少女だった。

表情は読めない。

でも、また怖がられるのだろうか?


前世でもよく怖がられ、俺はいつも一人だった。

いたのは仲間だけ…。

俺が言葉を発する瞬間…。


「どうして、そんな悲しい表情をしてるの?」


その言葉に俺は何も答えられなかった。

何も…言えなかった。

ただ、その場の時間が過ぎていくだけだった。


*************


俺は目を開ける。

やけに鮮明な夢を見て俺は天井を見ながら苦笑をする。


「原因は分かってる…」


あの日のことは昨日のことのように覚えている。

実際起きたのは先週のことだ。

あの日、帰った時に全員は何となく察していたのだろう…。

でも、今日から動かないといけない。

俺はベッドから出て、リビングに入る。


今日は休みの日である。

今日中に陰陽師、朱嶺の目的を考えなくてはならない。

動くにしても目的が分からなければ動きようがない。


ちなみに場所などはあの日に尋問して書き出している。


そう考えながら台所に行くが、誰も起きていないようで静かなものだった。


「仕方ない…」


今日は休みということもあり、ご飯担当は決まっていない。

でも、あいつらとしても何かやってるみたいだし今日は俺が作るか。





作り終えてから少し経ち、一人中に入ってきた。


「おはよう。

火鎚か…今日は遅いな」


「そうだな。

昨日情報を纏めてな、他の奴らは明日に備えて少しでも多くの睡眠をとっていると思うぞ」


「明日?

何かあるのか」


俺がそう聞くと火鎚はニヤリと笑って俺に一つの紙の束を渡してきた。


「これは…」


そこにあったのは妖怪についての情報、霊格、朱嶺個人の情報であった。


「お前、これをどこで…」


「俺達の手で調べた。

流石に潜伏先までは分からなかったが、お前がそこは尋問なりで調べは済んでるんだろ?」


俺は頷く。

これにより、ある程度の目的が分かった。


「因みに聞くがお前の考えは?」


俺がそう聞くと火鎚は再びニヤリと笑う。


「俺はこう考えている。

朱嶺はシャルロット側に付くとな」


そこはどうやら同じのようだ。

書類にもあの少女との接触が何度も行われていた。


「そして、奴はきっと付くための条件を付けられた筈だ。

それは何か分からないが、ある程度の予測は付く。

妖怪…いや、魔人または魔獣の研究。

それか、ある一定以上の戦闘力」


「やはりそうか」


魔人または魔獣とは妖怪の上位種に当たるものである。

彼らは霊格では無く、技法なども取り込んでおり、一番の違いは実態を持った生物であるという点だ。

どこでそんな情報を手に入れたか分からないが、十中八九間違いないだろう。


「そして、どちらが目的にしろ、あいつはおそらく大量の魔獣を生成する」


「何故なら、魔人の生成または自分の中に魔人を取り込むことを目指している」


「やはり、同じ答えにたどり着いたか…」


火鎚は真剣な顔になり俺を見る。


「わかった。

火鎚達に頼みがある。

今回の戦線に参加して、大量生成されるであろう魔獣を討伐してほしい。

おそらく、本格的に今日の夜から動くと思う」


「あぁ、こちらとしても情報が遅れたのが悔しい限りだ。

今更動いてもあまり変わらないからな。

やるなら、寝静まった夜が一番と言ったところだろう」


俺が頷くと火鎚…いやいつの間にかドアの影から見ていたみんなが頷いている。


「本当に恵まれてるな、俺って」


俺は護りたいのだ。

こいつらを…護のだ。

しかし、俺はあの時、寺等院 那奈という存在も護りたいと願ってしまった。

それでも、俺は選択しなければならない。

何を護り、何を捨てるか…。


「やっぱり、俺は欲深いな」


「そんなこと、今始まったことではないだろう?」


火鎚が笑いながら言ってくる。


「このやろー!」


俺は笑いながら火鎚の肩を叩く。


「ありがとうな」


恥ずかしいがそれでも礼を尽くさなくてはならない。


「気にすんな」


俺はそれ聞いて心の中でもう一度礼を言う。

火鎚はそれを見て気が付いたのかもう一度笑うと皆帰達をこちらに集めて俺の前に並ぶ。


「みんな…悪いけど俺の我儘に付き合ってくれるか?」


俺がそう言うと少し静寂が支配する。

そして、どっと全員が笑い出す。


「何を今更なことを…俺はお前に協力するに決まってるだろ?」


皆帰は笑いながらそう言うとそれに続いて雪菜が話し出す。


「水臭いよ、私達は勇馬という存在を護りたいんだよ。

当然のことじゃん」


雪菜はさも当然のごとく胸を張って言う。


全員がそれに頷き、俺を見る。


「ありがとう…だからお願いは二つだ。

今回はおそらくシャルロットの戦力との交戦もあると思う。

魔獣が出たらそちらを優先して極力一般の方には被害を出さないように」


全員が頷く。


「そして、もう一つは?」


「ああ、もう一つか…」


何かあったんだけどな…。

確か、調べて欲しいことが…。


「あ、桜霊樹の弓について調べてくれないか?

できれば戦闘が始まる前までに…」


「そう言うことか、たしかにあの弓は不自然なことだらけだ」


火鎚は俺の言いたいことを理解したのかつぶやきを漏らす。

実際、あの弓は不自然すぎるのだ。

誰も使えない弓、さらに言えば力を秘めているのにも関わらず新たな所有者を求めない。

波形が合わないとはいえでもここまで所有者を拒むということは元々の所有者が生きている可能性があると言うことである。


「わかった、作戦を開始する一時間前までには纏めて提出しておこう」


「ありがとう」


そうして、朝飯を食べて俺達は作戦を開始するその時まで待機をしていた。


******那奈********


知らない方が良かったのかもしれない。

それでもこれは本物だった。

きっと、心の何処かでは分かっていたのかもしれない。


今日は新月。

密かに動くならおそらく朱嶺は今日を狙うと思う。


この件は他人に任せきりなのは不完全燃焼だ。

といのも建前だ。


私はただ知りたい。

あの時、勇馬から聞けなかったあの日の答えを私は…知りたい。

今回は短いですが、次回はおそらく調子に乗って長くなる可能性が高くなります。


読んで頂きありがとうございます。

おもしろいと思って頂けたなら幸いです。

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