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似た者同士

続けて投稿してます。


暖かいーーーー


とても暖かい温もりが感じた。

俺は死んだのかなとか考えてもピンとはこない感覚だった。


俺はそっと目を開ける。


「どこだ?ここ」


本来なら知らない天井だと言いたかったが、あまりにテンプレすぎて引っ込んでしまった。


「ようやく起きたか、調子はどうだ?」


突然の声に驚き声の主を探した。

隣には同い年くらいの少年が立っていた。


「あんた誰だ?」


「ん、ああ俺は皇雷コウライ 皆帰カイキだ。お前は?」


北条ホウジョウ 勇馬ユウマ


彼が聞き返してくると素っ気なく返答する。

俺もそうだが、彼も同じように警戒していた。

どんな人間なのか、信頼できるかなどの考えていた。

お互いがお互いに疑っている状態だった。


「お前はなぜ道端で倒れていたんだ?」


沈黙の中皆帰が口を開く。

何かを確かめるように…。


「親がいるなら帰った方がいい、きみのかえる場所はあるのなら…」


何かに対する拒否のような感情もある。

まるで自分には親がいないかのように…。

だから俺は彼の目をまっすぐに見つめた。

本音を見るために、どれだけの物を抱えているのか。


本来の彼の年なら絶対ここまで冷静になることができなかっただろう。

それだけ勇馬は自分自身でも無知で考えることがほとんどできないことが通常だった…はずだった。

だが、彼は歳不相応どころかまるで一定の時間をすっ飛ばしてしまったかのようにクリアな考えができた。

俺は思考し続けた。


きっと嘘はバレる。


けれど、俺は何が正解かわからない。

だがな、ふと思った。


ー彼は俺と同類ー


何かに導かれるかのように俺は口を開く。

事実を話すべきだと俺の本能が叫ぶ。

最初は下手な同情されると思って最初に切って捨てた方法に俺の本能が傾いたことに俺は驚いていた。

けれどそれが正解と言わんばかりに本能が俺を刺激してくる。

頭の整理がつき、先程までの声にならない声が打って変わって話し始めた。


「死んだよ。親は死んだ…俺を残して…」


「そうか、その後は?

親戚に預かって貰うという手段もあっただろう?」


俺はゆっくりと頷く。


「ならなぜお前は路頭に迷っていた?」


「邪魔だったから…まるで物を預かるようにしか見ていなかった。

遺産の付属品みたいに少しも人として見ていなかった…」


俺は言葉に一拍置く。

そして、ゆっくりと感情の全てを吐き出すかのように言葉を吐く。


「だから俺は人として生きて抗いたいから…

人として死ぬために!」

瞬間、皆帰は俺をジッと見た。

嘘じゃないか確かめているのだろう。

俺はしっかりとカイキの顔を見返した。


「なるほど、嘘じゃ、ないみたいだな」


すると皆帰は警戒を解き俺を再び見据える。


「これからよろしくな勇馬!」


もう、いっそ清々しいほどのいい笑顔を向けられた俺は少しだけ驚きながらも頬が緩んでしまった。

嬉しいのだ。

自分が肯定されたことが…。

そして、何処か似ている彼に認めてもらえたことが。

俺も答える。


「よろしく頼むな皆帰!」


そうして俺たちは手を取り合って分かち合った。

不定期更新ですがよろしくお願いします。


2018.5.26より多少の書き換えと改行を加えました。

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