表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
113/113

文化祭前

空が遠く感じる。


いや、実際遠いのだろう。


ただこの青空は眩しくて俺の心を荒ませる。


俺こと恭平はそんなことを考えながら寝転がっていた。


「おいおい、こんなところで何してんだ?」

「平八か?」

「そうだぞ、明日がいよいよ文化祭なのにこんなところでボケっとしてていいのか」

「合わせもある程度終わっただろ?」

「確かにそう考えると問題ないな」


平八は妙に納得したように頷く。

いや、それでいいのかよ。


俺はため息を吐いて再び空を見る。


「お、青春してるねー」

「なんだよその偏った青春像」

「そうか?偏ってても物思いに耽て黄昏て友人に相談する。それは立派な青春だろ?

「そんなものなのか?」

「多分な」


自信ないのかよ!

とツッコミの一つも入れたくもなるが…


少しわかってしまった気がする。



そんな問答さえも多分。


青春というやつなのだろう。




改めて空を見上げる。


手を伸ばしても届かない。


当たり前のこと。


そう、当たり前なのだ。


だからなのだろう。


当たり前に生きてない。


当たり前を知らない。


そんなあいつを俺は…


見ていたくないのかもしれない。


「どうしたんだよ?」

「いや、この前のライブあっただろ?」

「あーセンターの歌姫が事故で死んじまったやつな…巻き添えで何人か巻き込まれてて、びっくりしたな…」

「うん、なんか突然のことでびっくりしてさ、普通のことじゃないというか…何というか」


叶という歌姫が死んだ。


それは大々的にニュースに取り上げられた。


その日、大地震が起き、周辺10キロの建物は半壊していた。


その当事者としては避難場所の公園で、救助が来るのを待つだけだった。


あれ?


なんかおかしい気がする。


「でもよ、そんなもんじゃねぇの?」

「え?何が?」

「お前が言ったんだろ?普通のことじゃないってさ。実際そんなものだろ?」


そう言って平八は俺の隣に座る。


そして、普段見せないような顔で前を向いていた。


「日常と非日常なんて、所詮は薄氷の上で成り立つ些細な違いなんだよ…たった一歩でも違えばその日常なんて簡単に失われるし戻らない」

「平八…」


どこか悲しそうに前を見つめる平八の顔はどこか思うところがあるのか、珍しく静かだった。


「おい、二人とも」


唐突に話しかけられて振り返るとそこには幾人と瑠衣、そして、祖亜 桜がため息を吐いていた。


「ほら最後の合わせだぞ」

「ほんと、あんたサボってばかりよね」

「まぁまぁ、私としてはこれぞアオハルという感じでいいと思うがね」


俺は立ち上がる。


「なぁ幾人」

「なんだ?」

「お前が何を感じてるか何を考えてるか知らないけどよ」


言葉に詰まる。


特別…


そんな言葉に苦しんでる…


そんな幾人に俺が言えることは


「今は俺たちと文化祭をやろうぜ」

「は?」


幾人がほおけてる。

あれ?俺なんかまずいこと言った?


「何言ってんだお前?」

「いやいや、ただ改めてなほら」


平八がドン引きするなよ俺が変みたいじゃないか。


「可哀想にそんなに頭にダメージを」

「瑠衣は何言ってるんだよ!」


本当に何でこんなこと言われなくてはいけないのかな?

いや、まぁ、俺が…


「あっはっはっは!」

「ふふふふ」


幾人と祖亜 桜が笑っていた。


何が楽しいのか?

いや多分、二人にとっては楽しいのだろう。


普通を受容しなかった二人にとっては。



**


「さてと、明日土曜日はいよいよ月葉の学校の文化祭だ」

「ちょ、何で知ってるよ?」

「え?」

「え?」


俺こと勇馬は久々の日常にノリノリだった。


「いや、ノリノリだったじゃなくってほらもっとすること」

「那奈、文化祭って何?」

「あ、花鈴は知らないよね」

「そこ、唐突に日常を知らない立場から同情誘わない。ウチが文化祭出なきゃいけなくなるじゃん」

「シャルロット様、文化祭というのは何かの暗号ですか?」

「いや、俺も知らない」

「姉だからと言ってなんもかんも知ってるわけじゃないからね、そん目でわたしを見ないで」


ふむ、他の奴らもこの話題一色になってきたな、流石に月葉も逃げられまい。


「あんた、いつか恨み買うわよ」

「それならたくさんある」

「はぁ、まぁいいけどさ…ほら、ウチ不登校だからさ、行くのがすごい恥ずいんだよね」


あーそんなことか。

吸血鬼案件から不登校気味になってから4ヶ月は彼女は吸血鬼狩りをしている。


だが、そんな話が今回は重要だ。


「なぁ、その学校、吸血鬼どんだけいる?」

「え?いや、まぁ、ウチの知り合いが何人か」

「だよな」

「待って何が言いたいの?」


俺の話はそこで途切れるが二人ほど顔を引き攣らせている。


「ね、ねぇ勇馬…これどうにかできないですか?」

「無理」

「いやー私としてもほら…それは流石に…」

「悪いけどそれしかない」


那奈とシャーロットは目を逸らしてため息を吐く。


仕方ないことだ。


まぁ、唯一の救いはそこに行く理由が俺にはある点だろう。

完全な後手じゃなければ被害は少なくできるはず。


四災の一つ。


かなで


彼女を誘い出すには格好の場所だ。

ここまで読んでいただきありがとうございます!


良ければブクマ、評価などお願いします!


今後の励みとなります。


URLの貼り方これで合ってるかいまだにわからないけどX始めましたのでURL貼っておきます。ごく稀に茶番、テキトーな呟き、宣伝、更新通知などなどしておりますのでぜひフォローの方もお願いします!


https://x.com/ars_felm?s=21

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ