静寂と月下の影
放課後…夜
僕、晴臣は学校に残っていた。
「いるはずだ、あの黒い影は学校に」
ゆっくりと歩み始める。
一つ一つ教室を回っていく。
学校に警備員とかはいないが、教室ごとに警報装置がついてるみたいで、不用意にドアを開けることはできない。
故に窓から侵入して、ドア越しに一つ一つ確認していく。
そして、
「うちのクラス?」
そこに黒い影はいた。
目を凝らす。
それは本当に影のように黒く滲んでおり、顔の輪郭すらわからない。
ゆっくりとドアを開ける。
何故か警報装置は切れており、なんの音も鳴らず開かられる。
「誰だ?」
僕の問いに黒い影は俺を見ているだけだった。
「…」
何を言ってるかわからない。
だが何か話してるのは間違いない。
声が届かないことに気づいたのか黒い影は落胆したように肩を落としている。
そして、ゆっくりと教室を出ていく。
「逃がすかよ!」
だが、追いかけた時にはすでに影の形などなかった。
あれは明らかに僕を見て笑っていた。
その表情はわからないがそう思えた。
***
俺こと勇馬は那奈と花鈴と一緒にのんびりと夜の学校の中庭で月を眺めていた。
そして、
「来たか」
俺は呟く。
那奈と花鈴が明らかに経過している。
まぁ、その理由もわかる。
だが、俺から見れば警戒する必要は本来ならなかった。
「こんな時間にデートかい?」
そう聞いてきたよ凛海 羽照だった。
「そうだな、両手で花で幸せものだけど、お前こそこんな時間にこんな場所で何してるんだ?」
「ん?最近黒い影の事件についてうるさいだろ?」
「好奇心ってやつか?」
俺の問いかけににっこりとする凛海。
「嘘だな」
俺の言葉に凛海は止まる。
「なぜ?」
俺はため息を吐く。
「だって俺はお前を知らないからだ」
「は?よく話してただろ?」
「いや、お前から離れるたびに俺はお前を忘れていた」
「…」
そう、まるでこの世界の存在じゃないみたいに。
禁域のような超越した概念の結果のように。
「お前は…」
俺の言葉に凛海は目を閉じて受け入れようとしている。
「お前が黒い影の正体だ」
俺は指差す。
それはこの二日、よくわかったこと。
「正解だよ。勇馬。俺が、黒い影であり、お前にしか認識できない存在だ」
那奈と花鈴が睨んでいる。
2人からしたらこの男はただの黒い影にしか見えない。
故に警戒している。
「さてと、なら勇馬…やろうか」
次の瞬間、俺は壁に叩きつけられていた。
読了ありがとうございます!
ちょっと、次は投稿遅くなると思います。
まぁ、不定期投稿を自称してるので、投稿タイミングは決めてないんですけどね。
前章で導入がある程度されてるので、展開はとても早くなりました。
続きを早く読みたいなどありましたらブクマ、感想、評価など頂けますと頑張って執筆して少しでも早く次話投稿できるよう務めます。
無くても努めますが。




