新しい日常再び!
日常が多めのパートですね。
朝、目がさめる。
今日もいつも通りの六時前後だ。
俺はリビングまで行き冷蔵庫の中身を確認する。
今日の当番は食事であり俺が料理を作らなくてはならない。
俺はまず、時間が経っても関係無いサラダを作ることにした。
決して、もし栄養が偏る食事だったら皆帰に嫌味言われるとか思った訳ではない(実際思っているから気を付けている)。
俺が少しずつ調理しているとリビングの扉が開く。
「おはよう、今は勇馬しか起きていないの?」
入ってきたのは昨日入居してきたばかりの少女、聖十院 雪菜である。
「おはよう『ある意味天然美少女』。
そうだが?どうかしたのか?」
「いや、何もないけど…。
今なんて?」
俺は直後黙る。
軽いノリで言ってみたが怖い。
笑っているけど怖い。
なんて言うか殺気みたいなのがきていて怖い。
「まだ、天然美少女はいいとしよう。
けど、ある意味ってどういう意味かな?」
俺は苦笑いしかできなかった。
「勇馬…土下座。」
笑いながら言われた言葉に俺は従うしか無かった。
数分間謝り倒し俺は目玉焼きを作り始めていた。
「そういえば、お風呂って今から入ってもいいのかな?」
「別にいい筈だがどうかしたのか?
昨日入っていたが?」
「今日、やけに寝汗凄くてちょっと洗い流そうかな〜と思って。」
「ふーん」
雪菜は苦笑いしながら答えるとリビングから出ていった。
それから数十分後、俺は目玉焼きと味噌汁の仕上げに入っていた。
今回のものは初めてにしては会心の出来である。
ドォン
直後、洗面所の辺りから大きな音が聞こえたが気の所為だと信じたい。
そして、少し経つと皆帰がリビングに入ってきた。
「おはよう、皆帰どうしたんだ?
その顔と痣の量は?」
皆帰には顔に大きな殴られた痕と大量の先程出来たばかりだと思われる傷跡があった。
「いや、なんでもない…。」
「ふーん」
一体皆帰に何があったのだろう?
ん、そういえば…。
「そういえば、皆帰?
お前洗面所に入ったのか?」
「…そうだが…どうかしたのか?」
「ん、いや確か今雪菜が風呂に入っていたから…」
俺が茶化すように言うと皆帰は目をそらし始める。
「そ、そうだったんだー」
皆帰は面白い程、棒読みで叫び出す。
「もしかして、見た?」
俺は全力で睨みながらそっと呟く。
「そっ、そんなこと、あ、ありません!」
やはり、面白い反応だ。
顔まで真っ赤だ。
「成る程見たのか。
てことで、皆帰このお茶碗とか運んで〜」
「なんで!俺が!
そもそも、お前の当番だろ!」
「今日の買い出し当番の二人誰だっけなー」
ビクッという擬音語が似合うような反応を皆帰はすると項垂れながら了承の意を見せた。
「よし、今回の買い出しについて行ってやるよ。
その代わりちゃんと手伝えよ!」
「はい、分かりました勇馬様…」
そう言って皆帰は朝ご飯をテーブルに並べていく。
「そういえば、皆帰。
喧嘩などは基本的にはしないがあれ大丈夫なのか?」
俺がそう聞くと皆帰は首を傾げる。
「さっきのお前の…。」
「…」
納得したのかすぐに黙る。
何か言いたくないようだ。
「制裁の場合はその限りではない。
ということだよ、勇馬。」
突如としてリビングに入ってきた利差が俺の疑問に答えてくれた。
「要するに皆帰は制裁の名の下に殴られた訳だな!」
「そういうこと、理解が早くて助かる。」
疑問は解除されたが新しい疑問がここで浮かんだ。
「でも、何で皆帰は言おうとしなかったんだ?」
すると、利差は言いにくそうな顔をしながら答える(言いにくそうなのは顔だけ)。
「それは、この権限が実行されたのは過去にも全部皆帰だけだったから…」
…俺はジッと皆帰を見る。
「何だよ!その目?
『お前何をしたんだ』という疑いの目はやめろよ!
なぁ、頼むからやめて下さい。」
その後、皆帰が想像以上の反応をしてくれて結構おもしろかった。
************
俺は今雪菜と皆帰と一緒に買い出しに出ていた。
時刻はそろそろ夕方になる頃でロマンがある。
……。
「なぁ、お前ら今日は何を買うんだ?」
ため息吐きながら歩く雪菜とずっと俯いている皆帰に俺は問いかけてみた。
「えっと、卵が特売だったからとりあえず卵は買うとして……。」
雪菜がいち早く反応して買う物を次々に述べていく。
皆帰は言いかけたが雪菜が話し始めると同時に再び俯きだす。
「まぁ、こんなものかな?
で、急に買い出し手伝うってどう…」
俺は言いかけた雪菜の口を塞ぐ。
そして、皆帰を見る。
相変わらず俯いたままだ。
そして、皆帰に聞こえないくらいの声で話す。
「お前ら朝、事故ったんだろ?
だから、少しでも皆帰の心傷的にも付いて行ってるんだよ。」
「はは〜、成る程ね。
でも、別に私は気にしてないよ。」
「皆帰は気にしているの…。」
「あいつって意外とデリケートだね。」
「それは思う。
だから付いてきたけど蓋を開けてみれば買い物の相談すら無い。
付いてきておいてよかったよ。」
「まぁ、私も朝はやりすぎたしね…。」
「ん、どういうことだ?」
「いや〜、これで甘くして。
模倣犯が出ても困るし。
なら、誰もできないようにボコボコにしようと思ったわけよ。
だから、少しは悪いと思っているんだ。」
「お前、普通に怖いよ。」
最後に俺と雪菜は苦笑いを浮かべながら再び気まずい買い出しの付き添いを全うすることにした。
…これ、本当に気まずい。
************
俺達は気まずい買い物を終えスーパーから出る。
皆帰は殆ど喋っていない。
主に雪菜が買い物籠を持ってせっせと買い物を済ましてしまった。
そのせいもあって俺達男二人集が買い物袋を持っていた。
「大量に買ったな。
大丈夫なのか?」
俺は自分の持っている買い物袋の中身を見てため息を吐きながら呟く。
「仕方ないじゃない。
ちょうど、タイムセールと特売が多い日だったんだから今のうちに買っておかないと…。」
確かにそうだ。
俺達が来ると同時にタイムセールや何やらが大量に出てきて運良く最安値でここまでの買い物が出来ただけマシか。
「んじゃ、さっさと帰ろ…。
どうした、雪菜?」
皆帰が俯いているのはともかく雪菜があらぬ方向を睨んでいたのだ。
「…何でもない。
でも、ちょっと先行ってて…。
野暮用が出来たみたいだから。」
「お、おう。
わかった。」
俺の返事も待たずに雪菜は走り去ってしまった。
一体、何なのだろう。
でも、何か嫌な予感がする。
このままだと大変なことになる予感が…。
「まぁ、いいか。
行くぞ!皆帰。」
「分かった。
あと、すまないな…。
今回、俺のせいで付き合わせてしまって…。」
「別に大丈夫だ。
これくらいだったらお茶の子さいさいだ。
それに。」
「それに?」
俺が一泊溜めるために言うとそれに続くように聞き返して来る。
皆帰は予想通りの反応してくれてやっぱり嬉しいな。
「それに、何だよ?」
「対価もしっかりと支払ってもらっているしね。」
そう言うと共に皆帰は別の意味で気まずそうな表情をしていたが気のせいということにしておこう。
………。
「あ」
「どうした、勇馬?
何かあったのか?」
「いや、多分何もない。
けど、何か今…誰か囁かなかったか?
近くで…。」
皆帰は周りを見渡すが囁く人どころか人っ子一人すら見当たらない。
「気のせいじゃないか?」
「そうだな」
そう言って俺達は再び歩きだす。
ー本……い……か?ー
まただ。
一体何を喋っているんだ?
何を俺に伝えようとしているんだ?
そう悩んでいると再び声が響く。
物理的では無く精神的に…。
ー本当にいいのか?行かなくて?ー
何処に?
とまずは問いたい。
そう思うと同時に理解していた。
ずっと、引っかかっていた。
なぜ、雪菜は俺達をまるで会ったことがあるかのように扱うのか?
なぜ、静域さんは執拗に何かを隠そうとするのか?
そして、あの時にもあった。
この声…。
それは一体何なのか?
まるでそれは問いかけているようで俺の望みを言っているような気がする。
俺は考え続けた。
何もかもが足りない中、分かることは事実として感じていること起きた。ことである。
雪菜は何かを隠している。
それは分かる。
しかし、それはなぜか静域さん達と同じなような気がしてならなかった。
答えの分からない思案。
しかし、それは分からない。
しかし、一つ思う。
このままでは後悔すると思う。
不思議とそう思う。
俺はどうすればいいのだろう?
「すまん、皆帰。」
「どうした?
急に謝り出して?」
「ちょっと俺、用事思い出したからこれ持って行って!」
物一杯に詰められた買い物袋を皆帰に渡すと俺は走り出した。
後ろから「ちょっ、お前!何逃げてんだ!」という叫び声が聞こえたが気にしない気にしない。
************
何処に行ったんだよ!
俺は現在、公園などのこの時間に人気のない場所を走り回っていた。
しかし、何処にも見当たらず気付けば拳を握りしめていた。
八つ当たりはしないように理性で抑えているがイラつきは止まる気配が一向に無かった。
ピロロリン、突然携帯の着信が鳴り俺はびっくりする。
俺は携帯を取り出して携帯を見る。
どうやら、メールのようだ。
発信先は不明で普段だったら決して見ないようなメールだった。
しかし、何を思ったか俺はそのメールを開く。
『拝啓、勇馬様
あなたは求めますか?
それがあなたにとっての苦しみでも?
私の言っていることが分からないなら、そして、求めたいのなら、あなたがあの日落ちた山の頂上に行きなさい。』
求めるが何か分からない。
苦しみが何か分からない。
けど、きっとそれが答えになるものなんだ。
あいつらの隠していたもの、そして雪菜と俺達の繋がりが分かると思う。
だから、俺は向かう。
指定された場所に…。
そして、俺がそこで見たものは死にかけで今にでも倒れそうな雪菜の姿だった。
さて、勇馬はこの先どうするのか?
ここからがこの話初の戦闘パートなるか?
2018.5.26より多少の書き換えと改行を加えました。




