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プロローグ

初投稿です。

あと、知識はあまり無いので可笑しな点があると思いますが笑ってやり過ごして下さい。(多分笑える点じゃないと思いますが)

世界は理不尽である。


幸せは平等というがそれは気持ちの持ちようであり、本当の意味で平等ではない。

小学5年生で悟るのも変な話だが、考えてしまったのだから仕方ない。


両親は死んだ…。


一月前に母親が病気で急にたおれて死に、父親は一週間前後を追うように交通事故で亡くなった。

残された財産は親戚で取り合いになり、俺は財産のおまけとして預けられることになった。


嫌だった…


俺は逃げ続けた。

息を切らしながら走り続けた。


ただ全力で。


だが、俺の幸運もここで終わった。

雨は降り、ぬかるんだ山道。

これだけの条件があるのだ…


そう、俺は転がり落ちたのだった。


ドサッ


コンクリートに体が打ち付けられる音が俺の頭に響く。

体中に痛みが走り俺は意識を手放した。

時刻は夜助かる見込みは極めて少ない。

意識が無い中最後に考えたことだった。


************


「雨が降るとはな全くいつもいつもどうして…」


雨降る夜の道一人の男が歩いていた。

彼の名は紀伊羅キイラ静育セイイク

男はなんと無く普段歩かない道を歩いていた。


「そういえば、あいつらを見つけたのもこんな風に普段通らない道だったかな」


彼はとある孤児の集う場所の最年長である。

そこは孤児院とは違い支援などを受けて作られた正式な施設ではなかった。

ましてや、引き取り募集などはしていない。

どうしても適応できない子は正式な孤児院に送ったりしていた。

何名かの人達がお金を稼ぎ養うというありきたりな場所である。


だが、養う人達は滅多に家に帰ってこない。

彼はそんな怪しい場所でもう、8年は暮らしていた。


「早く帰らないとあいつらに怒られるな。」


今現在午後八時四十五分を上回っており規則上の外出禁止時間になろうとしていた。

彼は走りはじめて数分のところで倒れた子供を見つけた。

彼はそれに気づくとすぐに駆け寄り状態を確かめた。


「酷いな…」


子供は小学校の中から上くらいの見た目の少年だった。

少年の体中には大量の傷があり、ぱっと見でも酷かった。


「見た目ほど傷は深くないが、実際はどれくらいの怪我をしでるかわからないな」


彼は一つの希望をかけて電話をかける。

この時間では、この辺の病院は開いているかすら怪しい。

思った以上に酷くて時間がない可能性もある。

コールがちょうど三回目が終わった時、目的の人物が電話に出た。


『静育君どうしたのかな?

また、哀れな孤児でも見つけたのかな?』


電話に出た男は恐ろしいほど的を射た言葉を放つ。


静域セイイキ兄さん、お願いがある」


『分かった、すぐに向かうよ。』


彼が話始めようとしたところで、電話の男は全てを理解したかのように言葉を言い放つ。


「まだ、話してないが…いいのか?」


『いいよ、大方今日見つけた子の傷が少し酷いから診てくれないか…だろ?』


「あぁ。」


男が言った言葉は概ね当たっていた。

もう一つ、「預かることにしてもいいか?」を加えれば100%になるほどに。

しかし、男はそれも理解した上で言った言葉だと付き合い上分かっていた。


「後でな」


『同じく』


その言葉を最後に電話を切ると彼は少年を抱えて歩き始めた。


************


紀伊羅キイラ 静域セイイキは電話を切ると立ち上がりポツリと呟く。

「行ってくるよ」

彼の声は静かな部屋によく響いた。

この部屋には彼以外にも人が複数いた。

彼は口角を上げていたことから周りの人間は察していた。

「彼が…見つかったの?」

誰が言ったかわからないその言葉に静かに肯定するように笑った。

その場にいた全員に顔の変化が表れた。

それは好機的なものであり優しい眼差しでもあった。

そして、まるでそれは愛しいものを見つけたような目だった。

この話は結構伏線を多く使っています。


2018.5.26より多少の書き換えと改行を加えました。

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