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ネイバーワールド・オンライン  作者: レルクス
短編集
88/218

3 リオの日常に付き合うルナードの苦労

 さて、このNWOには、金持ちが何人か登場している。

 まず、一番最初に出てきたのは『ヘリオス』である。まあ語る必要はない。兄もいて、この二人は本当に高校に入学してからの竜一を振り回した。

 次にバスター。リアルではデュリオ・クレメンティであり、竜一のクラスメイトである。

 さて、その二人が庶民に見えるほど多くの資金を持っているものがいる。


 リオである。

 そして、彼の活動範囲は恐ろしく広い。

 そして、必要なのかどうか実質不明だが、SPがいる。

 もはや専属といってよいほど担当しているのがルナードなのだ。

 この日もそうである。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「なあ、リオ」

「なんだ?ルナード」

「俺ってさ。簡単に言うなら派遣SPみたいなもんなんだけどさ。もはやお前の専属だよな」

「僕もそう思う」


 最初はそれぞれリアルネーム(リオ・新川修(しんかわおさむ) ルナード・三浦達郎(みうらたつろう))で呼び会うのだが、二人しかいない場合はもう普通にキャラネームで呼びあっている。


「あとさ。何でリムジンに乗っているのに、俺のいっこ後ろの席に座っているんだ?」

「別にいいじゃないか」


 別にいいが、色々と醍醐味が消えていく気がする。とルナードは思う。

 一番後ろだと声が聞こえづらい。と言うことはない。聞こえないにしても、ウィンドウ操作一つで補正できるのだ。問題はない。


「まあ、リオの価値観だからいいけどさ。あと」


 先程からルナードは、あるものがちらほら見えていた。


「スナイパーが20人くらいお前を狙っているぞ。今俺たち運転中なのに」

「いつもの話だ」


 そうだったな。三日前は15人だった。


「まあ、車を見た時点で無理だと思っていてもおかしくはないがな」

「防弾ガラスに、超合成チタンだからな。3000度の火炎放射機も怖くないし」

「いったいどこの企業が考えたのだろうな。融点を越えている」


 リオの言う通りである。この車はそれらの素材でできているため、大概問題はない。


「出てきたところで狙うのが普通か」

「それはそうだろう」

「だから毎度毎度忙しいんだよな。防弾チョッキ着てないと俺が怖いし」

「怖いのは嘘だろう」

「プロだからな」


 まあ、そんな仲である。


「なんで仕事で来るときいつも死の危険が待っているんだか……」

「家族が聞いたら何て言うかな」


 冬香  『お父さんなら問題ないでしょ』

 秋保(妻)『そうよね』

 全く心配されていなかった。


「運転に影響はないようだが遠い目になっているぞ」

「ん、ああ。家族の反応を思い出してな」

「触れない方がいいか?」

「是非」


 さて、目的地についた。


「降りるか」

「ああ」


 まあ、銃弾の雨はなかった。

 それも当然のことで、ある場所の地下だからだ。


 さて、目の前で並びまくった机に行って、ひとつにつき一分のみ滞在する間隔で、次々とリオがそれぞれの会社と契約している。

 この時代でも、契約は書類で行われる。電子データだと改竄しまくりなので、こうなったらしい。

 ちなみに、一応映像データにも、紙で契約したことが残されるし、バックアップが恐ろしいほど行われるため、大概問題はないのだ。

 だが、ひとつにつき一分。中には契約内容を変更して双方合意(表面上そう見える)で行っている。

 無論だが、ルナードには外国語にしか聞こえない。ルナードは一応英語はできるのだが(そもそも自動翻訳が存在するのだが)、何をいっているのかさっぱりわからない。まあ、そう言うものなのだが。

 要するに専門用語が多すぎると言うことである。


 さて、契約は終了。次の契約場所に向かう。


「また俺の後ろに座るんだな」

「ああ」


 また移動している。


「そう言えばさ。リオってなんか武器とかあるのか?」

「強化スタンガンなら携帯している」

「怖いな。まあそれぐらいが普通か」

「さすがの僕も銃の携帯は許されていないからね」

「いざとなったら俺のを借りる気じゃねえだろうな」

「必要ない。僕は自分の評価を落とすようなことはしない」

「そうだったな」

「そうでないと、僕の彼女たちがうるさいからね」

「ふーん。たち?」

「そうだ」


 こいつ。彼女複数いるのかよ。


「いいのか?それ」

「選ぶのではなく全てを選択するのが僕のやり方だ」

「超強き発言だな。彼女たちは知っているのか?」

「そうでなければ僕は今ごろミンチだろう」

「……」


 それもそうだな。とも思う。


「納得いかないか?」

「いや、お前の超理論に納得しようとすると頭がいたくなるからな。なにも考えていない」

「そうか」


 リオはあまり基準をもって話さない方がいい。


「ん。ついたぞ」

「ああ」


 これでもそれなりに緊張するルナードである。

 いつも通り。それはそうだが、パターンは変わるのだ。

 だが、せめて、家族くらいは心配してほしいというのがルナードの心の叫びである。


 ちなみに、この日も、防弾チョッキは役に立った。

 ルナードの苦労は、リオのSPをしたことがあるものにしか、理解することはできない。

 というか、リオが化け物過ぎるのである。

短編集に出すようなネタがなくなったので(自分でも早いと思いますが)、次回から新章開幕です。はい。

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