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ネイバーワールド・オンライン  作者: レルクス
クラスメイトで団結しよう。主人公除く。
8/218

レベルアップにおける法則。

 実質的には説明が多いな。

 次の日。

 竜一は話を聞いていた。と言うか、竜一はゼツヤなので、うまく入ろうにもめんどくさいことをいろいろとしなければならない。話を聞いているふりをするのが一番いいのである。


「とにかく、準備は整ったね」

「あんな指輪があるんだもんな。絶対に勝てるさ」


 いや、そうとも限らない。まず戦力の差がありすぎるのだ。

 まず、あの指輪があるにしても、ステータスが上昇するだけなのであって、プレイヤースキルそのものが上がるわけではない。確かに、ブリュゲールの基本戦術は物量+ごり押しと言う、ボードゲームでは確実に敗北するであろう作戦なのだが、いかんせん数が多い、何より、あの短剣『サタニック・ダガー』が、確実に本拠地に存在している。しかも、数が多く、エリア占拠を多くしているため、資金が多い。要するに、『オラシオンシリーズ』を複数所持している場合がある。いくら自らが持つものよりも性能は劣るとはいえ、歴然と差が開いているわけではない。


 さらに言うなら、ゼツヤ自身にも弱点はある。


 この話をするには、まず、NWOにおけるレベルアップに関することを知らなければならない。


 まず、NWOにおける初期のプレイヤーのステータスは、初期ポイントである60ポイントを、


 筋力や攻撃力を表す         『STR』、

 防御力やHP量成長をあらわす    『VIT』、

 速度を表す             『AGI』、

 魔法攻撃力やMP量成長につながる  『INT』、

 魔法回復力やMP量成長につながる  『MND』、

 器用さや精密さを表す        『DEX』


 の6つに振り分ける。

 運を表す『LUK』と言うステータスもあるが、この手段では選択できない。


 そして、レベルアップした際、二種類のステータスアップポイントがあるのだが、『自動振り分けポイント』と『手動振り分けポイント』となる。

 自動の場合、初期に振り分けられたものが多い順にポイントが増加する。


 例で言うなら、全てに10ポイントずつ振っていた場合、自動のポイントはすべてに均等につぎ込まれ、もしもどれか一つしかあげていなかったら(極振り)、そのスキルしか上がらないということだ。


 手動の方は、言わずもがな、自ら選択してポイントを増加するものだ。


 この2種類のポイントだが、実は、『自動』の方が多いのである。要はある程度の救済処置があるにしても、最初と言うのは重要なのだ。


 ゼツヤの場合、『MND』と『DEX』の2つに30ずつふり分けたのだ。ゼツヤは最初から生産職になることを決めていたので、器用さが上がる『DEX』と、さらに、『エンチャント』という魔法が、『回復魔法』に属する『支援魔法』に位置するので、エンチャントを優先するのであれば、『MND』を上げておいた方がいいと言う情報がすでにあったからである。


 結果的な話をすれば、ゼツヤと言うプレイヤーは、

『回復魔法がそれなりに使える』

『器用であり、クリティアルが出やすい』

『エンチャントで自らを強化できる』

『強いアイテムを生産しやすい』

 と言うプレイヤーになったのだ。確かに、強いアイテムは生み出せるし、エンチャントもあるが、『ゼツヤ自身のステータスにおいては攻撃力や防御力は高くない』と言うことである。


 様々な状況において、様々な手段が必要であるのは何においても常識だが、それを生み出すためには、主に『アクセサリー』を変更しなくてはならない。

 NWOには、所謂『ショートカット』は存在しない。ウィンドウも、1回消去すると、次に出した時には、全て初期の画面になる。


 ゼツヤは確かに強いが、『付けているアクセサリーの効果しか適用できない』と言うプレイヤーなのだ。砕いて言うなら、『基本ステータスがアクセサリー頼み』と言うわけなのである。


 殲滅できると言いきった理由は、最高級のアイテムを装備しているのであれば、『一般的なプレイヤーなら普通なら勝てないから』である。

 いくらまだ竜一=ゼツヤ=オラシオン従業員と判明していないにしても、やりすぎるのは避けておきたいのだ。マジで疲れる。


 というか、彼らの平均レベルはたしか、50ちょっとくらいだったはずだ。

 強化されても、そのステータスはレベル65付近。『自動』における15レベル分、ステータスが上昇するので、確かに今までよりいいかもしれないが、不安だ。極振りだったらいいんだけどな……。


「ていうかさ。ゼツヤさんってすごいよな。あんなに大金持ってるんだぜ?仮にこれからもオークションに出てきたら、全部あの人のものになるんじゃないか?」


 もうオークションの競争には参加する気はないのだがな。

 だって出ても悲しいだけだもん。まあ、出そうと思って後でやめようと思って強制終了させるために出ることがあるかもしれないが、万が一であってもそれくらいである。


「このメンバーで勝てるかな……」


 冬香がつぶやいているが、『ほぼ運しだい』としか言えないな。


 あと、話を聞いた感じ、こんな感じだ。


 ミラルド 女 推定レベル50 ダガー使い。

 リキュア 女 推定レベル47 回復魔法使い。

 レイオ  男 推定レベル55 槍使い。中級ギルド所属(セリュオスの情報あり)。

 リオン  男 推定レベル42 片手剣使い。新設ギルド所属。

 サベイジ 男 推定レベル52 盾持ち片手剣使い。中級ギルド所属(セリュオスの情報あり)。

 スレイヤ 男 推定レベル48 斧使い。中級ギルド所属。

 オリオン 男 推定レベル62 片手剣使い。上級ギルド所属(セリュオスの情報あり)。

 レイジ  男 推定レベル50 片手剣使い。傭兵プレイヤー(セリュオスの情報あり)。

 ローザ  女 推定レベル10 炎系魔法使い。初心者。

 レミリア 女 推定レベル37 光系魔法使い。初級ギルド所属。

 レミ   女 推定レベル39 回復魔法使い。


 言いたいことはいろいろあるが、一番言いたいのは『お前らギルドでの活動はどうした?有給でも取っているのか?』ということである。まあ、単に暇なのかもしれないがな。あと、ブリュゲール出身はいなかった。


 最高レベルは62か。で、最低レベルは10。ね。なんか嫌な予感がしてきた。

 平均レベルは50弱くらいかな。いけるのだろうか。これ。


「ねえ、思ったんだけど、レベル。足りてるのかな?」

「大丈夫だって、モンスターと戦うんじゃないし」


 たしかに、モンスターと戦うのであれば、普通にあと10レベルはほしくなって来るが、相手はプレイヤーだ。まあ、頑張れば何とかなるだろう。


「それじゃあ、今日は頑張ろう。あんまり時間をかけると、ゼツヤさんの機嫌が悪くなるかもしれないからね」


 心配しなくても君たちのクラスメイトです。それくらいやります。

 だが、竜一としても今日中には決着をつけたい、なにせ、今日は金曜日だから学校で話しているのを聞くことができるが、明日は土曜だ。学校の教室は常に空いているので(部活専用の建物が他に存在するので、休日は教室は使用されていない)来ることは可能だが、竜一がいる理由がない。今教室の後ろで大胆に作戦会議しているが、現在昼休み、竜一は今全力で宿題中なのである。竜一の宿題場所は教室だからだ。


「さあ、頑張ろう。あのダガーを取り戻すぞ!」

「「「「「「「おー!」」」」」」


 そのダガー名は『サタニック・ダガー』だ。と言いたかったが、言うバカはいない。


「あ、竜一君ごめんね」


 冬香が謝ってきた。


「いや、問題ない」

「そう、よかった」


 もしNWOについて聞かれたらどうしようかと思っていた。


 いろいろ困る。まず、NWOは、個人のアカウントは『1つ』しか作ることはできない。脳波を記録しているので覆すことはできないのだ。そうなると、ゼツヤをどうすするのかが問題になる。

 ……まあ、いざとなったら、NPCプレイヤーでも出しておくことにするがな。

 ちなみにだが、行動エリアを制限されてしまう大規模クエストと言うのは実は存在している。そこにいると言っておけばいいだけのことだ。


 その日も学校で宿題を無理矢理に終わらせて、帰宅。


「『ダイブイン』」


 一日一回は確実に言う言葉を、口にする。


 仕方がない。こうなったらいっそのこと、この『クラスメイトで団結しよう。主人公除く』は、NWOのシステム説明を兼ねることにしよう。

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