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ネイバーワールド・オンライン  作者: レルクス
デュエルカップ始動!
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バトルロワイヤルは準備が重要

 さて、12月24日。クリスマスイブ。デュエルカップ当日。


 会場は毎年変わるので、そもそもその町にいくことができなければ参加することすら出来ないのだが、そんなミスはシャリオでもしない。


 今回の会場は『エンシェントアグリス』という町で、中央にコロシアムがある。


「さあ、いくか」


 ゼツヤは受付のNPCのところでエントリーした。


「番号は『681』か。まあ、開始2時間前だし、そんなもんか」


 なにげに当日に申請するタイプである。



 デュエルカップは二種類の試合がある。


 一つは、バトルロワイヤル。簡単に言うなら生き残り合戦である。

 ただし、フィールドはコロシアムにあるのではなく、コロシアムの外全域。要するに町のすべてが戦場である。普通なら町のオブジェクトは破壊不可能であるが、このときはすべて破壊可能。さらに、NPCはすべて別の場所に配置される。


 エンシェントアグリスは、ありとあらゆる設定が終結している。

 町の中に、森も川も、高所も地下も、洋風も和風も存在する。

 すべてのプレイヤーにとってベストポイントが必ずあると言っていい。

 そんな場所で、参加した全プレイヤーが、16人になるまで戦い続ける。


 この時、参加者および観戦登録者は、特殊サーバーが適用されて、本来の100倍になり、一週間ぶっ通しで戦っても、リアルでは一時間半になるというおまけ付きだ。


 黎明期にはこのようなシステムはなかったのだが、参加人数が急増し、さらに、バトルするフィールドがあまりにも広いので(今回であるなら北海道がすべて入るレベル)、このシステムが実装された。


 さらに、圧倒的に広いため、10分に一度、全プレイヤーの場所を表示するシステムメッセージや、長距離ワープを可能にする物体が数億個配置されるという、救済処置なのかどうなのかよくわからない物や、一定以上同じエリアに居すぎると、HPが減っていったりする設定や、プレイヤー数に比例して、行動可能エリアがどんどん狭くなっていくシステムもある。

 三年くらい前から、プレイヤーキラー的な凶悪モンスターも出現するようになった。因みに、倒しても何ももらえない。


 要するに、16人を効率よく設定するために、様々なシステムが採用されていると言うことだ。


 因みに、今回の参加人数は5億を越えるそうだ。世界に何人いるのかさっぱり想像できない。というか、運営以外は全員が把握していないだろう。


 さて、バトルロワイヤルの設定はこのくらいの説明でいいとして。


 そもそもどんなことが重要なのか。


 まず前提を言うが、始まってから一番最初に華々しく散っていったのは『ヘリオス』である。


 まず、ヘリオスの戦力を簡潔にまとめると。


・基本ステータスは高くはない。

・マジカルスクロールが主な戦闘方法であり、これを最大に活用するためにMP回復ポーションを大量に補充している。スクロールは紙なのでそこまで容量を圧迫しない。

・当然ながら、課金アイテム等の補充は不可能。

・プレイヤースキルは高くはない。


 というものになる。


 マジカルスクロールが主力戦力であるなら、『スペルバーストフィールド』を使用するだけでどうにかなるのだ。要するに、何もできないものは生き残れないのである。


 そして、基本値として、ストレージの最大量は150キログラム。


 剣士職であるなら、武器にメンテは必須である。今まで説明されていなかったが、じつは、余程の高ランクの素材でできていない限り、メンテナンスはしょっちゅう必要なのである。

 耐久値の減少スピードが上昇するが、一応誰にでもメンテナンスが可能になるアイテム『簡易メンテナンスキット』と言うものもあるが、消費アイテムなので大量に必要である。


 しかも、このバトルロワイヤルでは、モンスター、しかも耐久力の高いモンスターがかなりのテンポで出現し、さらに、耐久値を減らしやすくする特殊効果があるのでバカにできない。


 魔法職なら、MPポーションは必須。一応MP回復ポイントは用意されているものの(HP回復ポイントは存在しない)、回復速度は遅いし、使用回数に制限がある。


 弓使いなら、ストレージの容量はほとんどが矢で埋まってしまうだろう。


 まあ一番忘れてはいけないのが『食料』である。大会中は大丈夫。等という考えは早々に捨てた方がいい。

 マップないに食料が全くないわけでは無論ないのだが、だからと言って多いわけでもないのだ。


 バトルロワイヤルでは、どんなスタイルが重要なのか、ではなく、『準備』をしっかりとすることが重要である。戦う前からすでに結果が判明していることも少なくはない。



 次に、どんな立ち回りをするべきなのか。


 発見したとき、されたときに必要なのは、どんな状況になれば自分が有利になるのか。それを瞬時に判断することが重要である。剣士タイプは近接メインなので、これはもっとも重要だ。

 特定状況下における最強と言うものを持つものもいるが、そこまで最後の方にならなければこの方法で生き残りやすい。というより、会場は一週間前には発表されるのだから、下調べに来るべきである。


 ギルドに多いことだが『とにかくリーダーを活躍させよう』という動きをするものもいる。

 このデュエルカップに優勝したときに、リーダーが上位に行けた方がボーナスがある。


 この時の上位というのは、いったい何人目くらいでいなくなったのかと言うことである。要するに、最後の方まで長くいればいいと言うことだ。ランキングは1000位まである。


 この為、食料を大量に持ってくる担当のプレイヤーがいたり、マスターを逃がす専門がいたりと様々だ。


 ヘリオスは集合するように命令していたようだが、集まる前に散った。


 もっとも壮絶な戦いがあるとするなら、ある意味では、このトーナメントのためのバトルロワイヤルなのかもしれない。

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