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ネイバーワールド・オンライン  作者: レルクス
初心者講座。相手はアイドル。
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主人公鈍感は採用されています

 さて、大体一ヶ月たつ頃には、ロードキャッスルにも到達し、ミズハの装備は十分整った。


 現在。NWO内のとある喫茶店である。


「もうあれから一ヶ月か。ロードキャッスルには到達したのか?」

「かなり無茶もあったけど。まあ到達したよ」


 ゼツヤ。レイフォス。バスターがいた。


「なあゼツヤ」

「なんだ?バスター」

「いや、お前最近気づいたことはないか?」

「なんの話だ?」

「いや、かなり身の回りの話で」

「先週の日曜日にミズハにちょっと遠くのレジャーランドに連行されたよ。だて眼鏡がそれなりに似合っていたな」


 レイフォスとバスターは顔を見合わせた。レイフォスは苦い笑みを浮かべる。バスターは理解した。


「二人でか?」

「ああ、その日の前日に誘われた」


 レイフォスとバスターは『致命傷だな』と感じた。


「なあ、なんか他にリアルでなんかなかったか?」

「色々あったぞ。というか、そもそもトラブルによく巻き込まれる体質なのかな?特になんの特徴もない階段で転びそうになったり、分かりやすい感じの不良に囲まれてたり、一番やばかったのは交通事故になりかけたことだな。ネクスト・レベルをあんなタイミングで使ったのははじめてだ」


 それはよく巻き込まれているな。と二人は思った。


「因みにお前はそのときどうしたんだ?」

「ん?階段で転びかけていたときは、俺は手すりもってあとは支えたし、不良は軽くバコッとやったし、トラックが突っ込んできたときは、とにかく走りながら全力ジャンプでミズハごと歩道にいったぞ。あのトラックの運転手。飲酒運転で制御切って歩道に突っ込んできてたから、もう運転なんてできないだろうな」


 今の時代。すべての車はかなり多くのセンサーが取り付けられているため、それらの機能が十分に働いている限り、事故が起こることはない。ただし、怪我人を搬送する救急車はこの制御が薄いが、逆に、どういった経路で現場に到達するのかが、周辺の運転者全員に緊急で伝わるようになっている。一般的な乗用車はまずこの機能は解除不可能だが、大量の荷物を運ぶトラックなどは、ちょっと解除できるのだ。

 速度制限がなぜ突破されたのかは、まあ理由は簡単で、トラックの制御システムを管理している会社が変わっていて、そのトラックがちゃんとプログラムを変更されていなかったからだ。

 今の時代では珍しい事故だが、飲酒運転が可能になっているわけではないので、逮捕は普通である。


「ミズハごとってどういうことだ?」

「いや、ジャンプして抱き寄せて、後は俺が下になるように地面を滑っただけだが」


 二人は『要するに超至近距離になったんだな』ということを理解した。


 さらに、『遊園地にいこう』発言。これは、あれだな。


「遊園地ってどこだ?」

「『ユニバースランド』だが」


 デートスポットが多いところとして有名である。

 確実性がどんどん増していく。


 因にだが、実のところ、この会話は彼ら三人だけが知っているのではない。

 他にも、エクストリームメンバーだったりゼノンだったりルナードだったりテラリアだったり。大勢いるのだ。流石に20人超えではないが。

 で、みんなが思った。

『鈍感にも限度があるだろ』と。

 因みに今も、聞いてほしい内容とかがたくさんバスターとレイフォスが不可視に状態で展開させているチャットウィンドウに表示され続けている。一番件数が多いのはクラリスだ。


「なんか最近思うことはないか?」

「ミズハが一緒になることが多くなったな」


 そこのところは一応わかっているんだな。気づいてほしいのはその先なのだが。


「ミズハは今どんな気持ちでお前と接していると思う?」

「コンビじゃね?」


 大変だな。とみんなが思った。

 まあ、すでに玉砕経験があるからな。


 被害者名は『ユフィ』である。


「コンビ以外でなにか思うことは?」

「……師弟関係的な何かだな」


 詰んでいる。そう思った。


 バスターたちはミズハが少々かわいそうになった。

 ユフィすらである。


 今現在ミズハはレベリング中である。もうすでにレベルは60に達する頑張り度である。


「正直な話。お前やミズハのことをどう思っているんだ?リアルのだぞ」

「クラスメイトだ」


 これは大変である。


「ちょっと話変えるけど、三年くらい前のユフィはどういう感じだった?」

「三年前?可愛かったな。小動物的な意味で」


 この瞬間、『誰が小動物ですかー!』とゼツヤたちがいる部屋に殴り込みにいこうとしたユフィを全力阻止しようとして双剣使いが構えているところである。まあ、少々双剣使いが押されぎみだったが。


「話戻すか。ゼツヤ」

「なんだ?」

「お前、女心ってわかったことあるか?」

「俺は鈍感だぞ」


 自覚していたのか。て言うか、鈍感って自分でわかるんだ。


「いいか。もう一度よく考えろ」

「?」

「まあいいから聞け。まず、お前はこの頃よくミズハと一緒にいるよな」

「ああ」

「それで、階段でだったり不良相手であったり、さらには交通事故になりかけたときに、お前は助けていたよな」

「ああ」

「で、お前はそんな相手から遊園地に二人きりでいくように誘われたよな」

「ああ」

「それらをすべて含めて、ミズハはお前のことをどう思っているとお前は考えているんだ?」

「……クラスメイトだ」


 んな関係だけでそこまでいくかバーカ。

 と全員が思った。

 というより、これは鈍感以前に知識不足なのでは?と思うほどである。

 まだまだ子供なのかね?要するに。


「……どうしたんだ?そんな黙りこんで」

「ああ、ちょっと色々整理したかっただけだ」

「俺もだ」


 まあ、結論があるとするなら。たぶんこれだけなのだ。


『ミズハ。頑張れ』

ここまでひどい人は、僕でも知りません。

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