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ネイバーワールド・オンライン  作者: レルクス
名門大学の占領作戦は『兵器』がキーワード
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ゼツヤのNWO兵器学講座

今回は短いです。

 さて、場所はシャリオがスクロールを用いた疑似兵器を見た実験室である。


 トップ4とルナードがいた。


 ゼツヤは色々考えていた。

 まあその一番大きな部分があるとすれば、『ここまでやるか』である。


「ちなみに聞くが、ゼツヤはこれからどんなものが投入されると思う?」


 ゼノンが聞いてきた。


「まあ色々あるとは思うけど、ルナードが見たのは『戦艦』の『バリスタ』だったな。もうここまでやって来るんだ。行けるところまで可能性を考えるべきだろうな。それを前提にして、『戦艦』がくるんだ。『戦車』が来ても不思議ではないな」

「可能なのか?」

「アイテム関連で俺を前にして『可能不可能』は聞かない上がいいよ」


 ウィンドウをちょっと操作すると、奥の大きな扉から『戦車が出てきた』。


 全員が『なにっ!』と言う顔をした。


「ちなみに自立制御じゃないんでな。今はピクルが運転しているよ」


 それが重要なのかどうかはおいておくとして、まさか作れるとは思わなかった。

 ちなみに、ゼツヤは少々遠い目をしているのだが、この意味はレイフォスは知っている。

 簡単に言うなら『激務だった』と言うことだ。


 まあ、この戦車がどのような性能を持っているのかは不明だが、ゼツヤが一人で作ったとはいえ、量産はほぼ不可能と言うことである。


 ちなみに一番気になるのは、『主砲からは何が出てくるのか』と言うことである。

 ついでに言うなら『出てくるものをどうやって打ち出しているのか』も気になるのだが、どちらも説明してくれるだろう。


「で、主砲からは何が出てくるんだ?」

「見ればわかるよ」


 ゼツヤは的を出した。使われている鉱石はわからないが、実験なのでそれなりにランクの高いものが使用されるはずである。


「今メッセージでピクルに頼んだから、数秒後には発射されるよ」


 主砲が回転して的に照準された。


 そして、主砲からなにかが高速で射出された。


 そのたまがターゲットを容易く破壊したのは事実である。ちょっと早すぎて何が打ち出されたのかはよくわからない様子だった。


「よく見えなかったんだが……」

「音速のちょっと手前って感じだからね。ちなみに打ち出されたのはこれだ」


 取り出したのは、どう見ても『砲弾』であった。かなり丸い。


「なんだそれ?」


 レイフォスが聞いてきた。


「何に見える?」

「細工スキルで作った砲弾か?」


 ゼノンの答えにゼツヤは首を横に振った。


「これはな。『ハンマー』の柄を切断したものだよ」


 まあ、この説明でわかったら苦労はない。


「ちょっと実験するよ。『アイテムクリエイト アイアンハンマー』」


 素っ気ない小さなハンマーが出現した。初期に持つものに近い。


「武器に限らず、すべてのアイテムには耐久値が存在する。これはもちろん知っているよな」

「知らないやつの方がいないだろうな」


 武器、防具、アイテム。プレイヤーが使用しているアイテムには全て『耐久値』が設定されている。『耐久値無限』のアイテムもあるが、これらは町の建物によくある『破壊不能オブジェクト』と同じ扱いになるのだが、これは耐久値が設定されていないのではなく、耐久値が減らないようにシステム的に保護されているだけなのだ。


「そうだ。まあそれはいいとして。『破壊可能』と『破壊不能』のアイテムには、実は大きな違いがある。バスター。この盾と、俺が装備しているこの剣。どちらも一回ずつ切ってみてくれ。結構本気で」

「ああ、まあわかった」


 盾→ゼツヤの剣の順で、大剣で切った。


「盾の方は耐久値が20%減少し……って削れすぎだろ。まあそんなにランクがバカみたいに高くないからこんなもんか。まあ見ればわかるが、傷がついている。しかもかなりな。だが、同じく本気で叩かれたと言うのに、俺の剣は傷ひとつつかない。これは、『破壊可能』のアイテムには『部分損失』が認められているのに対し、『破壊不能』のアイテムには、まあまとめると『形状変化』が認められていないからなんだ」

「だから柄がなくなっても、耐久値が全損しない限りはアイテムは存在し続けるのか」


 ゼノンの言う通りである。

 というか、もしも形状変化が認められていなければ、食品を食べたさいに変化しないから、ただの硬い『何か』になってしまう。それは嫌だ。


「たまに作成方法はわかったか?」

「ああ、次に、そのたまの射出方法を教えてくれ」

「いや、これは言葉で説明できるくらい簡単だよ。衝撃系の魔法のスクロールを使用して、それを利用して飛ばしているだけだ」


 少々長い沈黙が訪れた。


「だってそれぐらいしないと全然威力でないからな」

「でもそれって、砲弾が壊れたりするんじゃないか?しかも、銃身だってボロボロになると思うぞ?」


 レイフォス。なかなかいい指摘をするね。


「確かにそうだ。でもね、ちょっとした鉄工スキルがあればこんなものはすぐに作れる。それなりのものを使えば一回作れば普通に200発はいけるし、ブリュゲールと繋がったってことは、間接的にレジェンドボックスと繋がっているからな」


 成る程な。と全員が思った。


「あ、でも、物理耐性が高くなってきたと思ったら、こうすればいいんだよ」


 ピクルにメールを出した。


 的を出しておく。

 主砲が動いて照準される。


 次に発射されたのは、ものすごく太いレーザーだった。


 全員から表情が抜け落ちた。


「まあ、どちらかと言うとこっちが厄介だね。しかも」


 またメールを送り、的を何個か配置。


 レーザーが連射され、的はすべてなくなった。


「まあこれを名をつけるとするなら『自動装填式グリモア連続射出機』ってところかな。魔法のはずなんだけど、兵器にしか見えないね」


 頭を抱えるしかないのは、ある意味当然だった。 

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