『執念だな』と思った彼らは間違いではない
今更ですが、毎日投稿といったことはありません。
善処はしますがね。……ふぅ。
NWOの面積は地球に匹敵する。これは、プレイヤーたちの間での噂ではなく、運営が発表した事実である。
そのため、その面積は圧倒的であり、辺境にいれば、一年間プレイヤーに会わなかった。という声も多い。
無論。ワープシステムを使用するためには、一度でもその町や村にいく必要がある。
だがしかし、数多くある孤島(一応陸続きではあるのだが)では、その肝心のワープシステムを持つ場所がない町である場合もあり、更に、そういった場所は例外なく町から離れているため、所謂『遠征』というものが必要になった。今までになかった『空腹度システム』が最も影響しているだろう。
そんななか、早い移動手段を持つプレイヤーは先んじて情報を入手することができ、その町限定のクエストや、その町周辺のみよく入手できる素材やアイテム、それが更に需要が高いものであるなら、商売で売り上げが伸びることは間違いない。
補足すると、『オラシオン』の工房がある山はそんな町の周辺にあるため、発見されにくい理由でもある。
様々な移動手段があるが、『召喚魔法』で産み出したモンスターは騎乗できないというシステムが存在するためこの案は使えず、馬のような騎乗モンスターを購入(レンタルでは間違いなく期間が足りない)するのが主流だ。
こんな状況のなか、海を横断する『船』という存在は、とても大きい。
リアルでも、船を利用した運搬や他国との貿易がいまでも行われている。
理由は単純。『一度に多く運べる』し『空を移動する乗り物よりも居住に優れやすい』という部分だ。
近年では、船の最新のエンジンが発明され、少なくとも大きな物の大量運搬であるなら、船はダントツトップである。
話を戻すと、それらのメリットはNWOでも同じだ。
手に入れるのは決して楽ではない。『オブシディアン海賊団』の船長『テラリア』の場合は、求め続け、結果的に3年の時間が流れていた。
だが、その機能は圧倒的だ。さすがに船のワープシステムは存在しないが、それは本人が望まないだろう。
ちなみに、楽ではないにせよ、乗ろうと思えば誰にでも乗れないわけではない。更に、一定以下の損傷であれば、NPCが運営している造船所にいけば修復可能。
しかも、みんながよく使う海路も存在し、そこでは、少なくはない数の海上戦闘が行われている。
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テラリアは船を走らせていた。
ちなみに、船の船首辺りにはルナードがいる。海上戦闘がしたいらしい。まあ、出くわすかどうかは運次第だが。
ちなみに勝つと、その船にあるアイテムを自らのものにできる。そのため、ボックスが巧妙に隠されている。
スピード勝負である。ものすごく強い(ルナードには勝てない)NPCが20分後には回収に来るのだから。
まあそれはいいが、衝撃の真実があるとするなら、ルナードとテラリアはリアルでは夫婦であり、実のではないが、義理の娘までいるくらいだ。
しかも、結婚は七年前の全盛期にはすでに済ませてあるのだから、人生わからない。
ちなみに結婚できる最小年齢で行っている。ウ~ム。
まあそんなこんなで、現在航海中だ。
「テラリア。なんか見えてきたぞ!」
ルナードが叫んだ。
テラリアは見た。
なんというか、異質だった。船というより、
「あれは、戦艦か?」
そんなシルエットだったし、装甲も木ではない。鉄だ。
NWOではあまり見ないものである。
「ん?」
船が側面を向けてきた。そこには、なにかが突き出ていた。
次の瞬間。それらがこちらに向かって飛んできた。
「なっ!」
飛んでくるものを注意深く見る。それは、槍だ。
「どんなシステムだよ!」
ちなみに、槍はすべて船首にいたルナードが切り落とした。何でモンスター相手に雑魚なのかさっぱりわからない。とテラリアが思う瞬間である。
「いったい何が起こっているんだ?」
ルナードのことはおいておくとして(いつものことなので)、なぜ槍が飛んできたのか。かなり大きめの槍だったから、『投槍』のスキルの熟練度をあげていても届かないだろう。レイフォスのSTRでも不可能なはずだ。いや、レイフォスに関しては確信できないのだが。
そんなここまで槍を飛ばせるアイテムがあれば、真っ先に自分は購入しているだろう。たしかに、今二つの船の位置は、全魔法の射程範囲外だ。別の方法で攻めてくるのも、考えられないわけではない。
ちなみに、NWOに大砲のような『船専用アイテム』といったものは存在しない。いや、現在発見されていない。といった方が正しいか。
思うことは色々あるが、新技術と言うことなのだろう。
まあそれも、自分の夫には効かないようだったが。
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ルナードは槍を弾きながらも考えていた(この時点で超人)。
テラリアも思っているだろうが、実質的にこれはどうなのかと思う。
ので、メールしている。オラシオンの従業員に。
いやほんと、あれから知らされたが、ゼツヤがオラシオンの従業員だと言われたときは、
ものすごく、『だろうな』と思ったものだ。予測していたわけではない。納得しやすかっただけだ。
メールが帰ってきた。
槍を弾きながら読めってことか?これ。
『木工スキルと、ちょっとしたレアアイテム『猿王の伸縮棒(一応言うとゴムではない)』があれば、擬似的にだが、『バリスタ』を作成可能だ。無論。バリスタというアイテムがシステム的に存在するわけではない。俺が今作れるものが最高威力だとするなら、最大射程は5キロ。3キロ以内なら、レベル100でも無視できないくらいにHPを削られるぞ。たぶん今弾いている最中だと思うが。お前の方が十分兵器だ』
余計なお世話だ!と内心叫ぶ。
あと、猿王の伸縮棒か。たしか、孫悟空みたいな感じにイメージされたモンスターだったかな。ルナード自身は戦ってすらいないが。……だって負けるのわかってるもん。
まあそれはいいとして。続きを読む。弾きながら。
『ちなみに、わかっていると思うが、バリスタと言うのは槍を射出するものだ。戦艦で用意してきたと言うことは、ホームボックスを大量に詰め込めるわけだから、簡単には収まらないぞ。そもそも、ホームボックスに納めなくてもかなり積載できるのが船だ』
それって何発も来るってことか?
『対処法は今やっているように切り落とすか、あとは遠距離で撃墜するしかない。ああそれと、これ使っていいから暴れてこい。感想よろしく。出し惜しみなしでいいよ』
ちなみにフレンドメールでは、武器一つのみ付随させることが可能だ。付随武器を売ることはできないし、工房武器であるなら、付随させても『貸し出し』の状態になるだけでマスター権限が変更されるわけではない。商売に流用できるシステムではないが、今はいいだろう。
さて、いったい何が……、
『絶夜の創造神剣・ORASHION』
ナニイィィ!あいつまだ実戦で使ったとこないっていってたよな。
感想。本気で書けってことなのかね?
まあそれはいいとして、装備欄にドラッグして瞬時に切り替える。
黒くてシンプルだな。と思う。
ただ、この武器を使用しようと思ったら、この剣の特殊ストレージを確認しておくべきだろう。
まあとんでもない数の素材があるが、目につくものがあった。
【『マテリアル・オリジン』×3】
あいつの方が十分兵器だ。
「さて、出し惜しみはいらないんだ。思いっきりやらせてもらうぜ。『モンスタークリエイト マテリアル・オリジンドラゴン』!」
剣からオーラ的ななにかが噴出され、頭上で形成されていく。
そして、紛れもなくドラゴンになった。しかも、鱗の色は虹色である。全長は20メートルはあるだろう。ルナードなんて10000人いても殲滅されるはずだ。
たらればだが、仮にモンスターに感情があり、この内心を聞いていたとしたら、『お前なんて一億回倒しても強さの証になるかバーカ』と思うだろう。恐らく。
ちなみに、創造されたのは一体だけである。これは事前設定であり、モンスタークリエイトの場合は素材を手にもって行った場合、その数が召喚され、ウェポンストレージに入れたまま行う際は、鉱石一種類につき何体だすか決めることができる。ちなみにだが、いった数未満であった場合、ウェポンストレージにはいっていた数だけ使用される。
案の定というか、ルナードの指示ひとつで、戦艦は大破した。
感想なんて一言で十分。
『チート』
まあしかし、兵器兵器といっていたが、まさか戦艦を用意してくるとはな。
その執念は認めてあげることにしよう。
あと、御愁傷様。
僕個人としては、この剣の方が相手にしたくないです。
あと、召喚モンスターには乗れませんが、創造モンスターには乗れます。
創造モンスターと言うのは『MPor経験値を使用せずに作られたモンスター』のことを指します。なので、遠隔起動のスクロールの召喚モンスターも、『ゼツヤの全力と大人の経験値』に登場したあの氷の竜も、分類上は『創造モンスター』です。
ただしその二つの場合は、『マスター設定』が存在しませんので、見境なく攻撃します。氷の竜が自由に暴れたのはそれが理由です。
本編でもいずれ説明するかもしれませんが、補足しました。




