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ネイバーワールド・オンライン  作者: レルクス
名門大学の占領作戦は『兵器』がキーワード
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初心者であることに変わりはない

今回はかなり短いです。

 シャリオはゼツヤのホームを出たあと、始まりの町に向かった。


 結成が今日だ。いや、もうちょっと早いかもしれないが、それでも、すぐに移動できるほどNWOは甘くはない。


 因みに、シャリオは始めた当時、MPが足りずに長い間立ち往生していた。


 転移でいってみると、集団がいた。


 数えると62人。会の人数と同じだ。ほぼ全員が初期装備であり、武器は多少変更されてはいたが、ランクそのものは高くはない。


 これだけ見るなら『どこかの集団がNWO新入りになった』とだけ言えるだろう。だが、ゼツヤの話を聞いたあとでは、軽く見ることはできなかった。


「あの集団が、いつか、兵器開発に乗り出すのか」


 ゼツヤの予想のひとつが兵器であっただけにせよ、それでも、ブリュゲールと繋がりができると言うのなら、それは現実になる日は近いだろう。

 そして、NWOの『厄介さ』というのは、その圧倒的な広さにある。ホームを用意するためのレイクを集めるのは少々面倒だが、それは本当の初心者プレイヤーしか集まっていない場合である。


「俺一人でどうにかする問題じゃないのはわかっているが、黙ってもいられないか」


 だが、現状では判断材料が少なすぎる。あの方法に気づくのがいったいいつなのか、さっぱりわからない。


 耳をすませておく。


「エルド。お前の弟はまだ来ないのか?」

「あと数秒で来る」


 というと、ワープエリアで誰かが転移してきた。

 紛れもなく、ヘリオスだった。


「兄さん。話ってなんだ?」

「ああ、これから、この世界を統括するための戦力を話し合いをしようと思ってな。お前はギルドを率いていただろう。だからこそだ」


 やはり兄弟か。少々めんどくさいな。


「まず、俺は、この世界の『マジカルスクロール』というものを利用して、兵器を産み出そうと思っている」


 それ以上の会話を、聞く必要はなかった。


 シャリオはギルドホームに戻ろうとした。


「ん?君は誰だ?」


 エルドがこちらを向いた。


「兄さん。こいつはシャリオだ」

「誰だ?」


 自慢ではないが、シャリオのネームは、NWOのサイトを見れば一発で検索できるくらい知名度が高い。どうやら、兄弟揃って回りに疎いようだ。


「今現在の最強ギルド『エクストリーム』の魔法使いさ」

「ほう、これはなんとも言えんな。かなりの腕前なのではないか」

「かなり前の襲撃イベントで、もっとも殲滅力が高かったプレイヤーだよ」

「それはいい人材だな。俺の名はエルド。シャリオとやら、我々の部下になる気はないか?いや、これは命令なのだがね」


 いきなりこれか。


「なにかいったらどうなんだ?この俺を無視すると言うことがどう言うことか分かっているのか?」


 ヘリオス以上に危険だな。とシャリオは思った。


 実は遠くから見ている青とアイボリーを基準にして黒い長剣を背負っている少年と、クリムゾンのロングコートを着て大太刀を背負っている青年と、紫色が多い好戦的な目をした若者もそう思っていた。もっとも、苦い顔をしているだけでなにも言わなかったのだが。


「いきなりそんな言い方で聞くと思っているのか?」

「何度も言うが、これは命令なのだ。それとも、この数を相手にするつもりか?」


 何万回でも何億回でもできる自信がある。


「出来ないわけではないが……」

「フフフ、こちらが初心者だからといって油断しているな。我々はすでに、『スペルバーストフィールド』を使用できる。そちらにとっては圧倒的に不利なのだ」


 こんな短期間でできるのか?と思ったが、シャリオが知らないだけで、ほぼゼロ距離であるという条件付きなら、熟練度が低くても発動事態は可能なのだ。


 因みにこのとき、『スペルバーストフィールドを使用できる』=『強者の軍勢』と勘違いした戦闘凶を止めるため、一位と三位が全力で止めている(物理的に)という事実を知っているのは、この三人の当事者と、実はもっと遠くから見守っている大剣を背負った青年と、二本の剣を背につった少年だけだった。


 因みに、遠くから見守っている五人(一人暴れている)は、こんな状況であってもシャリオは負けないことはわかっている。


 ブレスレットによる魔法発動。実はいくつか、ランク10のものを所持しているからだ。三位に頼めば超級魔法も使えるだろうが、それは別の話である。

 なお、モンスター相手であれば選ばなければならないブレスレットも、プレイヤー相手であれば関係ない。


「なら、試してみるか?」

「へえ。面白い」


 全員が武器を構えた。


 エルドが最初に向かってきた。


 スペルバーストフィールドはすでに起動しているようだ。


 しかし。


「『ジ・エクスプロージョン』」


 全員の存在地点が爆発した。


 因みにこの瞬間、戦闘凶が収まった。弱いと判断したようである。


 数秒後に全員戻ってきた。


「今のは油断しただけだ。もう一度いくぞ!」


 また爆発した。


 まあ、そんな光景がなんかいか続く訳だが、外野は結構飽きてきているようだ。仕方の無いことだが。


「初心者であることに代わりはないな。現時点では、という条件付きだが」


 遠くにいた五人も同意するのであった。

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