その後
武器を製作したことを、レイフォスとゼノンとバスターにメールして、まあ詳細を見せたら、案の定そのまま会議になった。
因みに、武器のポテンシャルを聞いた瞬間、レイフォスは爆笑。ゼノンは頭を抱え、バスターは苦い顔をした。
会議の結果だが、『特に規制はしないが、襲撃の際のようなNPCの戦力が現れた際には必ず持ち込み、貢献すること』ということになった。
特に規制がない理由だが、これは、ゼツヤがそこまでバカではないという前提と、『NWOで何かを禁止するということは、あまりあってはならない』と言うことらしい。
要は、やり過ぎるようなやつではないから放っておいても問題ない。
もうひとつ、NPCの戦力は未知数のため、その際は完璧に貢献しろ。
簡単にいうならこの二つだけなのだ。
あと、ルナードが首飾りをはずし、道場を開いた。
まあ本人が強いやつと戦いたいという理由もあるのだろうが、結構人気らしい。
なんといっても、プレイヤーにとって一番大きなイベントというのは年末のデュエルカップであり、その際に必要なのは、対人戦のスキルである。
まあ、最近リアルが忙しいらしいが。
何はともあれ、無事に武器も完成。更に、特に縛りはないのだから、かなりよい気分だ。
夏休みが終わって新学期が到来し、ホームルームで担任である成神今日子先生の『夏休みの思い出を原稿用紙三枚分以上書いてくださいね』という言葉さえなければ。
因みにデュリオに助けを求めたが、デュリオ自身は夏休み中に一度実家に帰っていたので、何も問題はないのだという。
竜一はもういっそのこと爆走して、担任がNWOをやっているのだということを前提に、原稿用紙50枚分(一枚で400文字なので、合計すると20000文字である)にびっしりと書きまくった。
まあ、どんなものを作ったのかだけを書いて、作り方は全く書かなかったのだがな。
まあ先生も予測はしていたようで、なんとかなった。50枚も今回のために書いたのだから、ほぼごり押しである。
最後に、『こういったときに困らないようにちゃんとした生活を送ってくださいね』と言われた。
全く反論できなかった。
まあそんな感じで、新学期はスタートする。
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日本ではどんな学校も、9月に始業式を迎える。
そしてそれは、日本で最難関の大学でも一緒だった。
『天恵大学』という学校がある。
最も優れた『VRエンジニア』を毎年多く排出する学校であり、倍率は毎年30倍を軽く越える超難関大学だ。
ある種の『VR専門学校』である。
その敷地面積は圧倒的で、よく小説であるバカみたいな面積の空想技術専門学校よりも広い。
まあ、付属建築物が多いのが原因だが。
それはいいとして、男性がその中を歩いている。
黒髪、黒目。普通よりちょっといいくらいの顔。まあ、要はどこにでもいそうな男性だった。
因みに白衣を来ている。
「なんかあったかな」
男性はウィンドウを開いた。
自らに関係するものがひとつあるようだ。
『富里班。『NWO完全統括企画会』結成』
シャリオ。小野寺雄牙はものすごく気になった。
なにせ、自分のはまっているゲームを統括、簡単に言えば支配しようというのだから、気になるのは仕方がない。
ちなみに、『超難関大学で何やってんだお前ら』といいたい人もいるだろうが、ある程度の単位を取得しているのであればお小言をちょうだいすることはない。雄牙が思うに、教師不足が原因だと思う。
会長は富里博也。確かどこか大きな企業の御曹司だった気がする。
かなりプライドが高い。毎回の総合テストで満点を繰り返している雄牙はしょっちゅう目の敵にされる。
「あいつ、NWOで何をする気なんだ?」
全く予想できん。
で、ちょっと活動報告を見た。
まだ結成ばかりで、メンバーのレベルも低いため、戦力増強中とのこと、だが、すぐに始めるつもりらしい。
どれくらいのレベルなのか、すぐがいつなのか。それは確定情報ではないのでどうとも言えないが、博也の性格からするに、一ヶ月はないだろう。
「すぐに始める。ね」
どういう意味なのかよくわからない。
こう言うときはどうするか。
そんなことは決まっている。
雄牙はチャットを飛ばした。
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この新しい勢力によって、また、大きな歯車が回り始める。
章ごとの話数が極端に減ってきたな。




