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ネイバーワールド・オンライン  作者: レルクス
プロローグ
2/218

高校生活一日目の情報収取は鉄則……のはず

 16歳になる少年。糸瀬竜一は大きく屈伸する。


「今日から高校生か。さて、どんなことがあるのやら」


 竜一の両親は共働きで普段は海外にいるので会うことは少ない。さらに言うなら、兄弟はいないので、基本的に仕送りで生活している。


「まあ、それはいいとして」


 朝食の食パンをほおばりながら、自室に向かう。

 最低限のものしか置かれていなかった。

 どの家庭の子供部屋にありそうな勉強机。ベッド。やや低いテーブル。クローゼット。

 勉強机の上には、少々大きなパソコンが鎮座している。教科書と言ったものはない。すべて電子データに変わった。

 ベッドの上にはやや太いリング状のものが転がっている。コードでコンセントにつながれていた。


 竜一はそのリングには触れず、パソコンを開く。

 そして、『NWO掲示板』と書かれているサイトを開いた。『オラシオン』と表示されている箇所をクリックする。


『最近オラシオンシリーズ出ないよなー』

『いや、臨みすぎじゃね?前に出たのって2週間前だぜ?』

『たしか、『指輪』だったよな』

『とんでもない性能だったよな。『熟練度の成長速度。1つのみ3倍』とか、マジでパネー』

『今度は何が出てくるんだろうな』

『知らんよ』

『それもそうだな』


 今回は雑談のようだ。まあ不都合もないのだが。


「もうそろそろ行く時間だな」


 簡単に荷物をまとめて出発する。

 竜一が通うのはそこそこの私立高だ。『市立沖野宮高校』である。

 自転車で全力で行けば10分で到着である。

 まあ、別に話すような友達はまだ作っていないので、座っていろいろ考えていた。


 どうでもいいが、今の時代、全ての座席がシステムデスクである。

 さて、HRの時間も過ぎて、休み時間も誰も話しかけてこなかった。いきなり陸の孤島か?

 まあそんなことは置いといて、1時間目である。

 とはいっても、自己紹介である。担任の先生。成神今日子が入ってきた。まあ、髪が長く、竜一視点では、中の上といった感じの容姿である。ほかに言うことはない。


「それでは、自己紹介を始めます」


 さて、竜一の名字は『糸瀬』だ。何が言いたいのかというと、出席番号が恐ろしく速いのだ。ちなみに一番は『石川』だった。やはり多いな。この名字。


「次は、糸瀬君」

「はい、糸瀬竜一です。好きなものはゲームです。1年間よろしくお願いします」

「はい、次は……」


 そんな感じで進んでいく。

 そんな中、ひときわ目立つ人がいた。

 三浦冬香。黒い髪は長く、容姿もいい。しかも胸も大きい。ただ、やや身長が低いので、妹キャラになりがちな気がするな。まあ、竜一の知ったことではないのだが。


 まあ、自己紹介なんていいさ。ただな……。

 『入学テスト』なんて聞いてない……。まあ、竜一はそれなりに頭はいいと自覚しているので、まあ、たぶん……70点弱くらいは取れているだろうと推測する。


 さて、テストも終了し、もう帰る時間になったとき……。


「ねえねえ、冬香って『NWO』ってやってるの?」


 そんな話声が聞こえた。ちょっと聞いてみる。え?ストーカー?情報収集は大切だろ。それに、聞いているのは俺だけではない!……今一瞬『赤信号 みんなで渡れば 怖くない』という川柳が聞こえた気がした。


「うん、やってるやってる。短剣で二刀流なんだよ」


 それっていったいどんなビルドなんだ?盗賊系にしか見えんぞ?

 まあ、不可能ではないか。


「ひょっとして、結構やってるの?」

「もう1年くらいたつかな」

「結構やっているね」


 竜一の価値観が悪いのだろうか。竜一は10年くらいやっているのだが……。


「今ってどこにいるの?」


 NWOのマップはものすごく広い。各町や村にある宿屋、ほかには、個人やギルドで購入したホームにある『ログアウトポイント』からのみ、安全に帰還することができる。町の外でもできなくはないが、一定時間(多分5分くらい)アバターが放置されるので、おすすめはできない。


「えーと……『ロミュナス』だね」


 難易度的には……中級プレイヤーだろうか。

 そしてこの瞬間。ずっと教室で座っていた男子たちが動き出す。6名ほど。なるほど、少なくともお前たちはNWOプレイヤーだな。まあそれはいいが、大丈夫か?ロミュナスって、宿はたしか200個くらいあったと思うんだけど……。


「じゃあ、ワープエリアで待ち合わせしようよ。私、向こうでは『リキュア』だよ」


 聞いたことはないな。だけどな。大人気のゲームだっていうのにプレイヤーネームばらしていいのだろうか……、かなり疑問である。少なくとも、竜一はしたことがない。


 まあ、決まったようなので竜一もさっさと席を立つことにした。


 さて、まっすぐ家に戻ってまっすぐ自室に入る。そして、リング状のもの『VRデバイス』を頭につけて、準備完了。


「『ダイブイン』」


 竜一の意識は現実から離れ、次の瞬間。プレイヤー『ゼツヤ』として、ホームに降り立った。


ルビの振り方がわからん

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