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ネイバーワールド・オンライン  作者: レルクス
国賓だと?どっからでもかかってこいや!
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現状確認

 プレシャス・コードの世界に降り立ったゼツヤだが、まず確認するのは、自分の現状だ。

 それを確認しないと何もできない。


「ふむ……レベルは100だし、スキルも普通だ。所持しているレイクとアイテムは……最後に持っていたものが残っている感じか」


 まあ、装備の影響でアイテムストレージの量がすさまじいので、かなりの数のアイテムを持ってきていることになるのだがな。


「まあ、コイツがいるのなら問題はないか」


 もちろん、愛剣のオラシオンである。

 生産工程を丸っと省くことが出きる子の剣があれば、ほぼ問題はない。

 それに、必要な種を始め、鉱石や生地や工具のセットもそろっている。


「少なくとも困ることはないか……ん?」


 こちらに走って来る足音が聞こえた。

 何時も見た通りのセトナが走ってきていた。


「待ちましたか?」

「いや、全然」


 待ったうちには入らないレベルだ。


「で、どうすればいいんだ?」

「とりあえず、マーケットに行ってみませんか?」

「……そうしようか」


 セトナがこう言うということは、『そこに行けば言いたいことが伝わる』と言うことなのだろう。


 マーケットは、そこそこ賑わっているといえなくもない感じだった。

 物価がかなり容赦のない設定だったが、まあ……なんというか……。


「おう坊主。これ買って行けよ。役に立つから」


 そういってポーションを見せてくる。

 鑑定スキルを使った。


【グランポーション

 『制作者 ウリア』

 HP回復100%(偽装中・本来数値50%)

 MP回復100%(偽装中・本来数値0%)

 全ステータス特大上昇(偽装中・本来規模『微量』)】


 これはひどい。


「ちなみに聞くけど何レイク?」

「レイク?ああ、あっちの通貨だな。確か1クート=4レイクだから……18000レイクだ」


 こっちの通貨だと4500クートってことか。


「悪いけど手持ちがないからな」


 いや、あるけどね。


「チッ。貧乏だなテメエ。ここじゃやっていけねえぜ」

「偽装するような奴に言われたくはないがな」

「ア゛ァ!?文句あんのかテメェ!」


 形相ではあるが……なんだろうな。

 セトナに比べると弱い。

 こいつは生産者ではないな。商人だ。

 だから別に、コイツの信用が勝手に落ちるのはどうでもいいことだ。


「まあそう怒るな。あまり大声を出すと、人が寄って来るぞ」


 ゼツヤが言う通り、人が寄ってきている。

 しかし……強面で怒鳴り散らすだけの商人か。

 黎明期にはいたかもしれないが……ゼツヤとしてはどうでもいいことだ。


「じゃあな」


 そう言うと、ゼツヤは離れたところに置いてきたセトナのところに行った。


「どうでしたか?」

「低次元だった」

「そうですか……」

「それにしても、さっきは気が付かなかったが……」


 ウィンドウを見ると、レイクの表記の隣に、クートという表記がある。


「この世界の通貨と、本体の方での通貨が存在するのか」

「はい。レートでは1:4です」

「四倍の開きがあるって言いたいのか……それだけレイクって格下存在なのかね?」

「プレシャス・コードの世界は、プロという意識が存在しますから……」

「要するに、金稼ぎと言う概念がない本体の方とは違って、真剣にやっているからそのぶんすぐれていると」

「そう言うことなのでしょう」


 プロとアマの違いとでもいいたいのだろうか。


「どう思いますか?」

「別にどうも思わんな」


 作ったものを使ってほしい。仕入れたものを売りたいというのはゼツヤにも理解できるが、それとは別次元の話のような気がする。

 そもそも、信用と需要。売れるためにはこれが必要なのだ。

 どちらも最低限でいいのだが、あれではその段階ですらないだろう。

 それでは、稼ぐことなどできないはずだ。


「では、次の場所に向かいましょうか」

「コロシアムにでも見に行くのか?」

「そうですね」


 戦闘の方も見ておきたいからな。


 コロシアムはかなりボロボロだった。


「俺なら直すけどな」

「そんなことを考えないのですよ」


 大丈夫には見えないが、それでいいと言うのならゼツヤは反対しない。

 ただ……。


「入場料は8000クートですよ」

「……」


 レイクだと32000である。


「二人分で16000クートですね」


 セトナは払った。

 ゼツヤは溜息を吐きたくなったが、おとなしくついていくことにした。


「あれって、別にシステム的な訳じゃないな」

「そうです。ホラル的なものだと思ってください」


 モラルで8000ねぇ。


「高いよな」

「この世界では普通ですよ。まだ安い方です」


 そうだろうな。

 ゼツヤはログインして最初にこの町に降り立ったのだ。最初の町で高額設定はありえないだろう。

 さて、実際の戦闘は……。


「……確かに、戦いと言う意味ではレベルは高いな」

「でしょうね。見世物としては微妙な点数ですが」


 VRMMOが発展し続けたことで、それに関連した競技も開発され、オリンピックに採用されているところもある。

 エッセンススキル保持者はそのオリンピックに出られるのではないか?と思うほどのもの達も数多くいるが、あえてしないものがほとんどだ。

 最低限の平穏は欲しいのである。

 そう言うこともあって、実力主義の部分も出始めているのだ。

 そう言う意味では、戦闘におけるレベルが高いことは問題ではない。


「ただ……装備がそれに適したものではないな」

「アイテムとしての最高峰の存在であるオラシオンがある本体とは違い、こちらには生産を中心としているものは少ないですから」

「なぜだ?リアルの金が絡むんだ。そう言う部分も考慮しなければ何もできないぞ」

「それもそうなのですが……戦おうとは思わないものが、生産を行おうとするのです。しかし、そういったプレイヤー達を狩る集団がいるのですよ」

「まあ、装備を整えられたら武力階層が崩壊するかもしれないからな」


 いろんな意味で、序列と言うものは重要なのである。


「この世界、思っていたより終わってるな」

「そう言うことです」


 さて、どうしたものか。

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