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ネイバーワールド・オンライン  作者: レルクス
隣世界のエンタメサモナー
170/218

やりすぎると叩かれるのは提供者である

「ちょっとやりすぎたな。うん」

「自業自得だ」


 次の日の放課後。

 竜一は道也と共に帰っていた。


「七本渡したって話だな。一体何だ?」

「名前だけを言うと……」


『聖刻剣イクシード』

『魔法剣エンディミオン』

『極宝剣オリハルコン』

『巨人剣ドレッドノート』

『機構剣マシニクル』

『天恵剣ユグドラシル』

『竜王剣ドラゴイウム』


「って感じだ」

「いろいろ作ったな。それぞれも強そうだが、まだ機能があるんだろう?」

「もちろん、エンタメがやりやすい機能がいろいろ付けている……んだけど、メールボックスがもうヤバいのなんのって」

「だろうな。武器の装備制限がない剣聖エスクードに、あんな券を渡したんだ。俺も見たが、どちらも『本当の意味で』第一線で使えるだろ。あれ」

「うん」


 オラシオンシリーズを得ようとして頑張っているところはいろいろあるわけだが、第一線で使えるものとなると本当に少ないのだ。

 当然だが、ゼツヤだって生産能力は上がっていく。

 あとの時代になればなるほどそれはよくわかるが、結果的に、安定しているのはポーションのような消費アイテムだけなのだ。

 そう言うこともあって、装備においてはかなりうるさい。


「あと、なんだって、『突然変異(メタモルフォーゼ)』だったか、あれって一体何だ?」

「いや、あれを作ったのは一応三年くらい前なんだけど、もう埃をかぶっていたからな。渡した。そしたらああなった」

「……お前って、渡したものでどうなってしまうのかを考えないタイプだよな」

「いつものことだ」


 だからこそいろいろ言われるわけなのだが。


「あれ以外にもあるのか?」

「いろいろ渡したからな。エンタメって言うんだからいろいろ必要だと思って頑張った」


 いろいろ渡したが、どう活用するのかは彼女次第である。


「しかし、オラシオンが混ざると、本来まじめに行くような難易度のところでもああなるんだな」

「アイテム一個で伝説が出来るからな。何個も渡したらああなるのは目に見えてるだろ」

「で、調子に乗って現在苦労していると」

「そうなんだよな。しかも、ほとんどが魔法具なもんで……」

「カムイが苦労しているんじゃないか?」

「逃げられた」

「そうか」

「だから、特殊アイテムを使って、一分間に130回くらいメールを連打したら来た」

「メールボックスが容量オーバーだろうな」

「だろうな」


 オラシオンだからな。いろいろできるのだよ。


「しかし、そんなに渡して使いきれるのかね?」

「分からんが、もう人気だもんな」


 いろいろスレもすでにできているし、本人の容姿がいいこともあってファンクラブもできているようだ。

 別に珍しいわけではないがな。

 ただ、少々ペースが早い。


「ブームが発生しそうだな」

「召喚術師って結構面倒だけどな」


 召喚獣の展開には、時間ごとにMPを使用する必要がある。

 ポーション代がかさばるのだ。


「今から帰れるとしても魔法職くらいのものだろうな」

「竜一はどうするんだ?」

「ちょっと俺はいろいろと忙しくなりそうだからな。オラシオン初の店舗が出るかもしれないレベル」

「そう言えば、オラシオンって今まで店とかなかったな」

「オークション会場で十分だったからな。まあ、量産体制に入れるくらいになったら俺がやる必要もないわけだが」


 アイテムが絡むと本当に面倒なのだ。

 誰かにできることは誰に出もできる。

 数値に管理された世界ではそれが真実である。

 だからこそ、真似されたり真似したり、と言ったことがあるわけだが、NWOでは、真似されたとしても愚痴を言っては行けない。

 そもそも、マネできるほどのものにオリジナリティーなどないのだ。

 真似したいと思うほどの何かを生み出した。と考えた方がいいのである。

 無論、納得する、しないは本人の自由だが。


「次は何が出るのやら……」

「どうなるんだろうな。俺も見てみたいよ。俺は作るだけで、そこから先は丸投げだからな」

「行動主義なのか傍観主義なのかわからんな」

「提供主義なのさ」

「だから叩かれるんだよ」


 違いない。

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