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ネイバーワールド・オンライン  作者: レルクス
ORACLE・ZEUS
166/218

チートも理不尽も素人には似たようなものである。

「クッキー一枚で半分が削れるってどういうことなんだろうな」


 ゼツヤの呟きはいろいろな感情が混ざっていたが、あえてその続きを言うことはなかった。


「「毒攻撃が来るぞ(よ)!」」


 セルファとザイルが叫んだ。


(何でこっちの思考が分かるんだよ……まあいいか。もう発動は決まってしまった)


 セカイは何とも言えない気分だったが、毒の霧を出現させた。

 いろいろな意味で、この霧は鬼畜な性能だった。

 そして……リオ以外の全員が毒状態になった。


(リオおおおおおおお!!!!!)


 セカイは内心絶叫していたが、まあ、こうなることが予測できなかったわけではない。

 リオの運がすさまじいことはもうすでに分かっていることだ。

 というか、99%を0%に変えてしまうような奴なのだから、上級スキルに存在する状態異常の確率が100%にならないという制約の上では、毒の霧に意味が無いのは確かだ。

 だからと言って下級スキルだと、今度はリオ自身が持つ『毒耐性』系統のスキルの成功率が100%になるので、どのみち毒にはならないのだが。


「なんていうか……ずいぶんと人間っぽい感じだよね」


 アルモが呟いたが、まあ、そんな気分を全員持っていた。


「まあ、まずは回復しないとな。それ!」


 ゼツヤは瓶を上空に投げた。

 そのビンは空中で割れると、雨となって降り注いだ。

 すると、全員の毒状態がなくなった。


「俺特製の治療剤だ。あ、ストレスと肩こりと神経痛と筋肉痛とヒステリーにも効くぞ」

「「「「「温泉か!」」」」」


 全員に突っ込まれた。

 リオは思いだしたかのようにルナードを見た。


「ルナード。お前、最近ストレスがたまってるって言ってたよな。入ったらどうだ?」

「うるせえな!誰のせいだと思ってんだ!ていうか、VRで入っても仕方がないだろ!」


 まあ、それはリオのSPを務めることになってしまった自分を恨め。としか言えないのだが、そんなことははっきり言って後まわしだ。


「しかし、やはりと言うか、HPが多すぎるな」


 ダマスカスが呟いた。

 確かに、あまりにも多い。

 他のステータスもかなり高いのだが、それを含めてもやはりHPが多すぎる。


「もう一回放り込むか?」


 サーガの呟きにユフィが振り向いた。

 ORACLE・ZEUSがピクッと反応した。

 どうやら、相当いやのようだ。俺もそうだが。


「さて、このままやっていてもグダグダになって行くのは間違いないか」


 リオの言い分はもっともだった。

 ★


 さて、ORACLE・ZEUSを倒したゼツヤ達は、もう全員が集まっていると言う感じで宴会を開いていた。

 え、略しすぎだって?だってあのままやってもどうせ動作を言うだけだったんだもん。作者が面倒だ。


「そう言えば、ダマスカスがいるロスト・エンドって、どういう集団なんだ?」

「それは僕も気になっていたな。第八十一話の『水面下の激戦』で、思いっきり壊滅フラグが立っていただろう」

「余計なことを思い出すんじゃない。まあ、その通りだったがな。あれから大変だったが、いろいろと手回しをして何とか復帰したのだ。この世界にも時々来ているのだがな」

「ん?じゃあ、ダマスカスみたいな存在って他にもいるの?」

「いないことはないと思うぞ。他にも、『アムネシア』と呼ばれる世界から来ている部分もある」


 そう言う設定と言うことか。


「今日はなかなか楽しかったぞ」

「ああ。そうだな」

「そう言えば、あの中に入っていたのは誰なんだろうな」

「おそらく……セカイだろう」

「運営か」

「ああ」


 リオは最初から分かっていたのだが、あえてここまで言わなかった。


「案外子供っぽいのかね?」

「だろうな。でなければ、この世界はできないだろう」

「それもそうか」


 そう言うものなのか、それは分からないが。

 まあとにかく。終わったな。


----------------------------------

 セカイはぐったりしていた。


「あ~。何だあのチート連中は」

「チートではなく理不尽なのでは?」


 矢次は付き合わされていた。


「まあ、僕からするとね。チートも理不尽も同じようなものだよ。まあ、誰にでもできるわけではない。と言う意味ではチートではないが、どちらにしても、あの理不尽と戦うためにはああするしかないしね……」

「だからこその遠慮のないHPですか?」

「そういうことだよ。まあ、はっきり言っていろいろと燃え尽きた気分だ。しばらく休むよ。うん」


 そう言うと、世界は寝てしまった。


「理不尽。か……今回は描写されることなく終わったけど……」

「……いうな」


 珍しく、セカイはふてくされていた。

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