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ネイバーワールド・オンライン  作者: レルクス
短編集第二弾
160/218

エッセンススキルの無駄遣い

 ボードゲームやカードゲームでエッセンススキルは通用するのか。

 まあ、リオの『節理の中心点』は分かりやすいだろう。

 ポーカーをすれば、相手がバラバラで自分はロイヤルストレートフラッシュである。

 TCGトレーディングカードゲームなら、相手は手札事故。自分は最高の手札だ。

 知っている人にはよくわかる例えをするなら、遊○王なら初手エ○ゾで、ワンターンキルを超えてスタートキルである。作者はこのカードゲーム以外全然やってないけど。

 リオはこれを普通にするのだ。65万8008分の1だろうが何だろうが、五枚がデッキに入っている時点で100%になる。

 はっきり言おう。こんな奴と戦って何が面白いのか。

 そのため、リオは賭け事が混ざったりするとあまり混ぜてもらえない。

 ただし、ミズハがカードをシャッフルすればどうなるのかがわからないというのも事実だが。

 さて、なんでこんな説明をするのかと言うと、エクストリームのギルドホームがある城塞都市『ヴァルガ二スタ』で、メンバー全員+ゼツヤ&ミズハが集まってダラダラしているからである。

 現在はババ抜き中である。

 なお、ミズハとサーガとシャリオはすでに勝利した。

 ユフィのカードをレイフォスが引こうとしているのだが……。


「……」


 ユフィはまさに鬼気迫る、と言った感じで、三枚あるうちの真ん中のカードを見ている。

 言葉にするなら『これを引けええええぇぇぇぇ』である。

 レイフォスとしては、ちょっと引きにくい。

 レイフォスは真ん中のカードを掴んだ。

 ユフィの表情が緩んだ。

 レイフォスはそのカードを掴んだまま、それとは別の指で端のカードをつまんで、真ん中のカードを掴んでいた指を放してそのまま端の方を引いた。

 結果、真ん中のカードは残っていたことになる。


「よしっ!えっ?ああああぁぁ」


 なんともわかりやすい反応であった。

 ちなみに、レイフォスは二枚になった手札を捨てて上がりである。

 パターンチェンジを持つレイフォスを相手に表情を変えるとか、普通なら言語道断である。

 ゼツヤは苦笑していた。

 そして……。


「うううう……また負けた……」


 と言った感じに、ユフィは負けるのだ。

 ユフィが勝つのはいつも、最初にジョーカーを持っていないときだけである。


「さて、次は何をする?」


 カードをシャッフルしながらゼツヤは聞いた。

 非常にどうでもいいことを言えば、この世界にはトランプは売られていない。

 ゼツヤが細工スキルで作ったものだ。

 そして、用意周到と言うか、鑑定系スキルを完全に無効にするエンチャントをかけてあるので、カンニングはできません。ゼツヤも。


「トランプはほとんどやったからな……別のものでも出すか」

「チェスでもやるか?」

「サーガとクラリスの独壇場になるからやめようぜ。最近はミズハもだが」


 チェスに限らず、囲碁も将棋もオセロも五目並べもチェスも、運が左右されないゲームは全て二人の独壇場だ。

 ミズハはルールはよくわかっていないし、駆け引き云々は適当にやるのだが、勘がすぐれているので世界最高峰のコンピュータが相手だろうが敵なしである。


「どうする?」

「何か適当にルールを作ってやるか?」

「必ず誰かの独壇場になるんだよな……」


 そう言うのも醍醐味ではあるが、大体誰かのエッセンススキルに引っかかるのである。

 表情を読むことで有利になるゲームでは『パターンチェンジ』を持つレイフォスが。

 運が関係しないゲームでは『分裂思考』を持つサーガとクラリスが。

 距離やら物理が関係するゲーム(例・ビリヤード)では、『距離全知感覚』をもつシャリオが。

 目に見えるシャッフルを認識することが関連するゲームでは『超級動体視力』を持つユフィが。

 状況を認識してでの戦略ゲームでは、『逆算予知』を持つセルファが。

 適当に作っても、『身近な神託(オラクルスペース)』を持つユフィがすべて攻略する。

 再現力100%といかなくても、そのすべてを可能とするゼツヤならなおさらだ。

 いっそのこと、全員のエッセンススキルにかかるものがあれば楽なのだがな。

 そう言う点では、TCGは楽だ。

 同じカードゲームでも全員好みは別だし、カードのイラストとテキストデータさえ分かればゼツヤがコピってみんなで使える。


 ※著作権侵害なので公式大会では使わないように。


 ということなので、結果的にそういったものを持ってくることになる。

 それでもまあ、手札事故のない安定したデッキを作れるもの達、サーガやクラリスやシャリオだが、そういったもの達の勝率が高いことは言うまでもない。

 ただ、ステータスを極振りするような連中の集まりなので、デッキそのものが安定してはいても、テーマ的にメタをくらって撃沈することも多々あるが。


「まあ、そうなるか」


 同じゲームを数年レベルで遊び続けるようなもの達なので、娯楽においては飽きるのも遅いのがいい点だろう。

 ゼツヤとしても、カードを作るのは難しいことではない。

 無論。製作者特権と言って自由にデッキを作っているのも間違いはないのだが。

 他のゲームに対して、存在は知っていてもルールを全く知らないことも確かだが。

 そんな感じで引っ張り出しているが……。



 ……一時間後。

 ユフィが真っ白に燃え尽きていた。

 勝率一割だったようである。

 もちろん、カードゲームは遊○王。だって作者がそれしか最近のルールとカード環境知らないもん。

 え、オリジナルを作らないのかって?知らんな。仮に作ったとしてもユフィが撃沈する。


「り……理不尽です」

「好きなカードを作ってやってるのにな……どうしてこうなるんだか」


 無論。これらのカードもすべて鑑定系不可のエンチャントコーティングはしっかりと済ませている。

 が、何と言えばいいのか。15歳ではまだまだ甘い部分もあるのだ。

 ただ……どちらにしても、せっかくのエッセンススキルをゲームにぶち込んでいることも事実である。

メンバーの使用カテゴリ……なんだろうな。

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