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ネイバーワールド・オンライン  作者: レルクス
西暦、何年だっけ?ああ、2529年のデュエルカップ開幕
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二回言戦第三試合 サターナVSアルモ 第四試合 ミズハVSリオ

 二回言戦第三試合 サターナVSアルモ


 アルモは棒を構えなおしながらコロシアムに立った。


「戦うのは初めてだね」

「ああ、確かに」

「それにしても、トーナメントで刀使いに二回戦連続で当たるとは思ってもいなかったよ」


 珍しいことではある。

 まあそれ以上に、バスターが来ていないから、出場メンバーが日本人だけになっているのだが……まあ、それは日本製のゲームではよくあることである。

 サターナは刀を、アルモは棒を構えた。

 さあ、第一回戦でエッセンス・スキルは見せた。

 サターナはどうするつもりなのだろうか。

 カウントゼロ!


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 アルモが最後に見たのは、獣のようなオーラをまといながら、銀縁の眼鏡を輝かせる黒衣の剣士の姿だった。

 そのころ、ゼツヤは控室で苦笑していた。


「確かに、最もいい手段ではあるが……」


 サターナのエッセンス・スキル『本能移行(ビーストシフト)』は、文字通りの獣になれる。

 その際のサターナは、獅子はウサギを狩るのにも全力を尽くすというように、躊躇と言う言葉はない。

 攻撃が防御されるとかそうでないとか、そう言う話ではない。

 アルモも弱いわけではないのだが、言葉を選ばなくていいのなら、チアキと同じレベルの近接戦闘力ではサターナの敵ではない。

 だがしかし、ひらめきと言う才能なしで探偵と言うものが出来るアルモの洞察力が恐ろしく高いこともサターナは承知している。

 それならば、と思ってやったことなのだろう。


「まあ……ある意味、予測出来ていたことではあるがな」


 勝敗に関してはある程度予想はしていた。

 しかし、ここまで一方的なことになるとは思っていなかった。

 秒殺と言うのもおこがましい戦闘時間である。

 なんというか、容赦のない性格とでもいうのか?

 それはいろんな意味で不明だが、まあ、サターナは時々10歳くらい年齢詐称していると感じる時もあるので、そこの部分は言っても無駄なのである。


「純粋な戦闘構成っていうのは、なかなか羨ましいもんだな」


 職業やスキル構成で、戦闘に必要なステータスやボーナスを受けることが出来る。

 ステータス的に見て、ゼツヤは負けるだろう。生産に取り組むために、DEXとMNDに極振りしてしまったから。

 思えば、ゼツヤは本来。ここに立つべきではなく、今もどこかで作っていた方がいいのではないかと思ってしまうときがある。

 オラシオンだということが露見した以上、その頻度は高くなるだろう。


「ま、選んだんだから、それでいいか」


 さて、どうなるのかね。

 それとまあ……アルモ、ドンマイ。


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 第四試合 ミズハVSリオ


 ミズハは考えていた。

 というか、今回の対戦相手を前にした時に、誰もが考えることである。


「どうすればいいんだろう……」


 攻城戦の時は、ルール的には勝てたが(ほぼほぼ一方的に)、今回はそう言うものとはまったく別のものだ。

 だが、いつまでも現実逃避などしていられないので、コロシアムに行く。

 リオが剣を抜いて待っていた。


「……どうしたんだい?そんな難しい顔をして」

「分かりませんか?」

「いや、気持ちが分からないわけではないが、対戦相手である僕としてはどうすればいいのかわからないんだよね。負けてやるわけにもいかないし」


 当然である。


「そう言えば、リオさんって、バトルロワイヤルで何人に遭遇したんですか?」

「一回も遭遇していない。終始テーブルセットやティーセットと共にいた。設けられていた内部時間での三日間。誰にも会わなかったのはなかなかつらかったよ」


 ミズハはアイドルなので、長期間誰にも会わないことがほとんどないので、ちょっとわからなかった。

 まあとにかく。

 カウントゼロ!

 ミズハは弓を構えた。

 すぐさまそれが光る。


「『ミリオンレイン』!」


 さて、リオはどう来る?

 ……剣も構えずに歩いてきた。

 ま……まさか。


「君自身も知らないと思うから説明しておくが、その技の軌道は、一本一本がランダムに設定されている。あと、相手が避けた場合でも当たるように、本来よりも外側に跳ぶものもある。さあ、もう分かったんじゃないかな?」


 当たらない。

 一本も当たらない。

 ぶ、不気味だ。ちょっと怖すぎる。


「そんな人を見確認生物でも見たかのような目で見るのはやめてほしいんだが……僕の運がすごいのは知っているだろう」

「まあ知っていますけど、だからと言ってこれはちょっと異常ですよ」

「君の彼氏も十分異常だと思うが……」

「ゼツヤ君は鈍感なだけで異常じゃないんです!ちょっと主人候補生が強いだけで!」

「……そうか」


 リオは苦笑した。

 ミズハは矢筒から矢を一本取り出すと、構えた。


「スーパーノヴァ!」


 隕石と化した矢が直進する。


「すまないが……」


 リオが剣を光らせて一閃する。

 隕石はいとも簡単に砕け散った。


「全然通用しない」

「勘すらも働いていないようだね」


 いや、こうしている間にもいろいろとあるのだが、ミズハがそれを全て自分で否定しているのが現状である。


「切り札出しておきますか」


 『マリオネット・ストリング』起動。


「完全に勘に委ねたか……だが、そんな状態では、すごく脆いだろうね」


 ミズハが弓矢を引いた。

 矢が生成され、リオに向かって飛んでくる。

 リオは普通に斬り落とした。

 何度撃っても何度撃ってもリオは斬り落とす。

 これでも一応、関節の影響とかがいろいろあるはずなのだが、効いていないのだろうか。


「一応言っておくが、そういったMPを使用する弓は、若干命中補正がかかる時がある。なぜなら、矢がそもそもない状態でかまえるから、当たらない場合がかなりあるからね。だから、その補正乱数が、僕に取って防御しやすいものになるんだ。僕の運が尽きることはまずないから、何度撃っても同じことだよ」


 リオは長々と説明した。


「やってられるかあああああああああ!!!!!」


 女であることを放棄する勢いで、ミズハは怒声をあげた。

 気持ちは分かる。でももうちょっとファンのことを考えよう。


「こうなったらもうどうにでもなれです」


 矢筒から大量の矢をいっぺんに取り出すと構えた。

 そして、それをいっぺんに放つ。

 リオは……それを全て切り落とした。


「……あの、リオさん」

「何かな?」

「性格が悪いと言われませんか?」

「よく言われる」


 だよな。と話を聞いていた全員が思った。

 そして結局……、


「降参!リザイン!白旗万歳!」


 ザイルの二の舞となった。

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