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ネイバーワールド・オンライン  作者: レルクス
西暦、何年だっけ?ああ、2529年のデュエルカップ開幕
155/218

二回戦第一試合 ライズVSゼツヤ 第二試合 カムイVSレイフォス

 二回戦第一試合 ライズVSゼツヤ 


 さて、右腕がすごいというライズが相手になったか。

 攻城戦ではあっていないからな……さて、どうなるのやら。

 剣を構えながらコロシアムに入る。


「こうして一対一で向き合うのは初めてか?」

「俺もそう思うよ」

「うむ、オラシオンの実力。みせてもらう」


 あ、それ言っちゃダメ……。

 途端に、観客がざわつき始めた。

 ……。


「なんか、すまんな」

「まあ、気持ちが分からないわけじゃないんだけどなぁ」


 まさか、こんな形でカミングアウトになるとは想像だにしていなかった。


「まあいいや。もうこうなったら思いっきりやろう」


 ということで、剣を構えなおした。


「現実逃避はしない主義なのか?」

「勘のいい彼女がいるとですね。いろいろ大変なんですよ」

「それには同意しておこう」

「……ひょっとして、彼女持ちだったりします?」

「ああ」


 ……まあいいや。

 シャリオが観客席で愕然としているが。

 カウントゼロ!

 二人とも飛び出した。

 ただ、向こうが鍔迫り合いをしてくることはないと思う。

 あの剣を作った記憶はないので、誰かのオーダーメイドだろう。クエストリワードやモンスタードロップならアルモが気付いているだろうからな。

 誰が作ったのかは知らないが、まあ、作るのはそこまで難しいわけではない。

 要するに耐久が無限なのかそうでないのかが気になるというだけの話である。他意はない。

 とおもったらつばぜり合いを仕掛けてきた。

 と言うことは……剣の状態と鞭の状態では明確に分けられていると言うことか。

 剣と鞭では耐久力の現象速度に違いがあるからな。

 しかし……突撃スピードはそこまで早くはない。


「なんと言いますか……やっぱり右腕以外はそうでもないですね」

「すでに知っているはずだ」


 ごもっとも。

 お互いに距離をとった瞬間だった。

 いきなり鞭にしてきた。

 むう、関節の問題でやりにくい部分を狙ってくる。

 いいとか悪いというより、小細工が凄まじいな。

 まあ、右腕以外はそこまですごくないことは周知のことだし、天恵大学在籍なのだ。巧妙な感じになっているのは分かっていたことではある。

 それでもうざったいことに変わりはない。


「うまく攻めれないというか……なんというか……」


 どう言えばいいのだろうか。

 人にたいしてどういう攻撃をすればどういう反応になるのかがわかっている感じだろう。

 レムには通用しないだろうが。


「これはいろいろと面倒だな」


 まあ、ひとつ確実なことがある。

 近接ではなかなか攻めきれない。

 が、近接しかないわけではない。

 ゼツヤは拳銃を構えた。


「な……」

「まあ、こういう小道具も多いので、注意してくださいね」


 引き金を引きまくった。

 剣に戻して切り落としていく。

 まあそれはそれですごいと思うが。

 銃弾ほど早いわけでは無論ないがな。

 しかし、鞭が来ないというのなら話は早い。

 ゼツヤは突撃する。


「面倒だな」


 ライズは剣を振りおろしてきた。

 ゼツヤは長剣で受ける。

 しかし、鍔迫り合いは狙っていなかったようだ。

 剣を弾くと、すぐさま鞭にした。

 だが、先端は妙な方向に伸ばした。

 一体なぜ?

 だが、一瞬だけがら空きになっていた。

 ゼツヤは突きを放つために構えた。

 その時だった。

 後ろから来た鞭の先端が、拳銃を貫通したのは。


「ち……どんなコントロール性能だ」

「あまりなめるな」

「それもそうだな!」


 ゼツヤは突きを放つ。

 ライズはそれを弾くと、垂直に振り下ろしてきた。

 バックステップで回避する。


「あ、お土産おいてあるぞ」

「ん?な……」


 グレネートだった。

 爆発して、後ろに跳ぼうとしていたライズを吹き飛ばす。

 ゼツヤは跳躍して、ライズに向かって剣を振りおろした。

 ジャストミート!

 ライズの体をさらに数メートル飛ばすと、HPを消し飛ばした。


「ふう、お土産グレネートが何とかうまく言ったな」

「一体いつ置いたんだ?」

「ズボンの裾に隠しておいた。それをバックステップ寸前に、隠蔽をかけて転がしただけだよ」

「……はぁ、ずいぶんと子供のような手にかかったものだ」

「まあとにかく、俺の勝ちだ」


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 第二試合カムイVSレイフォス


 カムイは紫色の剣を構えなおした。


「相手は前年度の準優勝者か」

「ああ、よろしく」


 しかし、大太刀か。

 ゼツヤが作った大太刀の中では最高の攻撃性能を持っていると聞く。

 しかも、本人もSTR極振りのビルド。


「当たったら終わる感じの試合か」

「俺の攻撃力からしたらそうなるだろうな。いろいろ避けにくいと思うから気を付けた方がいいぞ」

「そうすることにしようか」


 カウントゼロ!

 お互いに突撃する。


「『オールブースト』『マンモスビート』『アタックダウン』」

「付与魔法か……筋力しかない俺には面倒だな。ん?マンモスビートって」


 カムイは片手剣を両手持ちにして思いっきり振り下ろした。

 レイフォスは即座にガードした。

 回避することが望ましいが、いくら思考パターンを切り替えることができても、慣性の法則まで超えることができるわけではない。

 大太刀にすさまじい衝撃が響いた。

 だが、カウンターに入るのが早いのも『パターンチェンジ』のいい点だ。

 すぐさま大太刀を引き戻して突く。

 カムイは振り下ろした後の剣を上げて振り下ろそうとしたが、パターンチェンジで大太刀が一瞬止まったことで空振りする。

 そして、突いた。方に直撃する。


「く……なかなか面倒だな」

「思った以上にダメージが通らないな。流石付与術師……」


 お互いに距離をとった。


「しかし、まさあ力任せに振り下ろしてくるとは思わなかった。思えば、バスターの場合は大剣で重すぎるから小回りが利かないが、君の場合は片手剣だからね……」

「そう言うことだ」

「しかも、即座にこれを考え着くのも面倒な話だが……まあそれはいいとしよう」


 レイフォスが突撃する。

 だが、レイフォスの突撃のほとんどの部分が筋力任せの跳躍だったこともあって、思ったように勧めたわけではない……となるはずだったのを、パターンチェンジで認識し、いつもよりも全力で跳ぶことで届かせる。

 カムイは後ろに跳ぶ用意をしながらも剣を構える。

 そしてその時……大太刀が、消えた。

 カムイは驚愕する。

 次の瞬間、右下から大太刀が迫っていた。

 カムイは直撃した。

 付与術が効いていたのだろう。まあ、マジックアイテムの影響でステータスもかなり上昇しているので、直撃してもそこまで心配はなかったのだが。


「今のは……師匠が言っていた『ファントムアウト』か」

「お、やっぱり知ってるんだな。その通りだ。で、どうだった?」

「直撃の数瞬前からしか認識できなかった。何故大太刀が消えたように見えるのかいまいちよくわからないが……」

「そりゃ、大太刀なんて長いもんの刀身を見ているんだ。スナップで全力変更すれば見えんよ」

「そういうものか?」

「実際に見えなかっただろう」

「それもそうだな」


 で、どうするか。

 カムイは剣を構えなおした。

 ……仕方がない。


「全力で行く」

「ああ、来い」


 レイフォスも大太刀を構えなおした。

 カムイは突撃すると、弓を引き絞るように剣を引いた。

 レイフォスも大太刀を振り下ろす。

 カムイは突きを放った。

 レイフォスはその速さに驚いたようだが、対応するのも早いので振り下ろしてきた。

 だが、その程度では止められない。

 カムイのエッセンス・スキル『貫通信号(ピアース・サイン)

 圧倒的な意思力で、貫くことを、どんな障害物があったとしても届かせることを最重要項目として認識することだ。

 筋力値極振りであったとしても、それがかなり下げられているレイフォスに、彼の意思を覆す材料などない。

 実を言うとこの世界は、感情の振れ幅や精神状態も数値化する。

 ダンジョンメイクと共にアップデートされたと認識しているが、ともかくその状況下では、大概のものは貫く。

 レイフォスも驚愕したようだったが、全てが遅い。

 剣はレイフォスを貫き、HPを消し飛ばした。

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