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ネイバーワールド・オンライン  作者: レルクス
クラスメイトで団結しよう。主人公除く。
14/218

図書館は廃墟と化す。

今回はやりたいことをやらせただけ、みたいな感じなので文字数少ないです。

 地下4階。大図書館。いや、本棚のすぐ上は天上なので(壊したら地下3階の水が降って来るのだろうか……謎である)、高さ自体はあまりない。


 この世界での図書館の作り方。


①本を大量に用意する(手作り)。

②本棚を大量に用意する(手作り)。

③本棚を並べる。

④本を本棚に並べる。


これだけだ。というか、ほとんど現実と一緒である。無論。いったんストレージに入れておくかとかそう言った作業があるので、現実と全く同じとも言い難いが。まあそうなっているのである。


「何か……進みづらそうだよな」

「確かに」


 レイオが言った。オリオンが便乗する。


「ああ、今現在ストレスたまっている人、手を上げて」


 急にゼツヤは言った。

 あげたのは全員だった。


「お前たち、考えないか?この数の本棚をぶっ壊し続けたら気分爽快になるのではないか?と」



数秒後、


 様々なエフェクトが飛び交っていた。


 アタッカーのバカどもは、単体系に普段使うようなものではなく、範囲系のアクションスキルで一気に薙ぎ払う。


 魔法使いたちは、同じく範囲などの魔法で薙ぎ払っていく。


 回復職たちは、ゼツヤに渡されたSTR増加の指輪とハンマーを持って本棚を次々と玉砕をしていく。


そこにあるのは、『無実な無機物たちへの八つ当たり』である。慈悲もなく、同情もなく、破壊の限りを尽くしている。

親が見たら発狂するであろう。だが、ストレスと言う人生においてどうにもならないものが発散できる状況。しかも、誰にも何も言われずに、ただ『壊滅』の二文字を尽くせる空間。


 けつの青い16歳どもにとっては、初めての気分である。


 フレンドリーファイアと言う、仲間に当たった場合にもダメージが発生すると言う状況もあるが、今回はそれすらも暗黙の了解である。


 魔法職たちは、普段温存するはずの『MP回復ポーション』を、これでもか!と言うほど飲み干していく。その目にためらいはない。


 本棚は消し飛び、本は斬られ、飛ばされ、焼き尽くされ、貫かれる。完全に破壊系のゲームであってもここまでのことは普通は起きない。


 しかも……全員が笑っている。本と言う、本来なら誰かが残したものを記録する、ある人種のもの達にとっては、最も大切に保管され、ばあいによっては、そこに愛情すらも埋まれるかもしれない本たちを、満面の笑みで、何のためらいもなく、ただ蹂躙されていった。


 被害総額を換算。


 装飾付き収容本数一個約300冊本棚。一個50000レイク。破壊数2000個。合計1憶レイク。

 本の数。300×2000=60万冊。一冊500レイク。合計3億レイク。


 被害総額。4億レイク。


 巨大ギルドが、2年間も死ぬ気で頑張り続け、得ることが出来る境地。その数字がものの数十分で廃墟と化した。


 数分後。


 そこにあったのは、『元図書館』であった。多分。リアルでテロリストが来ても本気でしなければここまでできないだろうといえるくらいにまで木っ端みじんになっていた。


「……やりすぎたな」

「なんていうか、この階って、モンスター出てこないんですね」

「ていうか、中身真っ白の本棚が全部ぶっ壊れても多分ギルドの運営には支障はないだろう……と思うし、まあ、『何でもやっていい』んだからな。別に問題ないだろう」


 男性陣にボロカスに言われているが、まあいいだろう。


「あ、さっきスレイヤが『中身真っ白』って言ってたけど、大体半分から向こう側には、時々いろいろ書かれているものがあったんだよ。あらかじめ全部回収しておいたけどな」

「用意周到ですね」

「それが俺だ。さて、気分も乗ってきたところで、これからの行動方針だ。いや、進むことに変わりはないんだが、いくつか注意事項を言っておく」


 いろいろ言っておいた。


 まず最初に、今いるのはギルド、ブリュゲールの本拠地だが、そもそもブリュゲールはギルドメンバーが多い。だが、今まで誰も来なかったところを見ると、下に降りた際に、手厚い歓迎を受ける可能性があるということだ。


 さらにいうなら、感覚的なものであるが、おそらく次の層からはプレイヤーがいる『重要エリア』になると推測されるため、ウォーミングアップはここまで。と言うこと。


 さらに、みんなには話していないが、戦力的には全く足りていないのだ。どうなってしまうのかはもうすでにゼツヤ本人が理解している。


「最後に、ミラルド」

「何ですか?」

「もしもあの短剣が売られていたりしてもうなかったら……」

「もうなかったら?」

「オラシオンの従業員に頼んでもう一本作ってもらう手はずになっているから安心しろ」

「本当ですか!」

「ああ、本当だ」

「ぜひともお会いしたいです!」


 君たちの目の前にいます。


「それは無理だろうな。多忙だから」


 多忙と言えるのだろうか……ホーム内でいろいろ生産しているもののほとんどは、ソウヤに任せているからな……。


「そうなんですか。残念です……でも、何か今から行く意味が無いような気も……」

「最低限の努力はしろって言われているからな。まあ、俺がいなかったら最低限もくそもないことになるから俺も行くように言われたけど」


 さらっと俺が来た理由を話しておく。


 ちなみに言うと、このシナリオはずいぶん前から考えていたことだ。

 そう……大海竜を閃光魔法で目くらまししていたあたりでである。


「……それでもいいです。行きましょう!」

「ああ」


 ゼツヤが先導して、扉を開ける。


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