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ネイバーワールド・オンライン  作者: レルクス
ダンジョン作成によるヘリオスの再暴走
124/218

ギミック解除は得意ですか?

 さて、ゼツヤ、シャリオ、セルファ、レム、ポルンの五人は作成されたダンジョンを進んでいる。

 が、ポルン。レベル36にしてはなかなか強い。

 ダンジョンの難易度が高くないこともあるが、それでもなかなか良いセンスである。


「シャリオ、分かるか?」

「ああ、ポルンは多分、俺たちと同類だ」


 ポルンはあることを前提にして戦っているように見える。

 そのあることと言うのは、異常なまでの『雰囲気の操作能力』だ。

 スポーツでもそうだが、勝負における様々な状況で様々なリズムが存在する。

 ポルンは、それをつかみとって、なおかつそれを操作する能力が高い。

 連携と言う言葉があるが、どんなに息のあった動きに見えても、それは本人たちが細かい部分を調節しているからだ。

 レムは超重量系の武器ばかりを扱い、攻撃力は高いがモンスターにとっても避けやすいのは当然である。

 ……レムはハンマーを振り回していても結構早いのだが、それはスルー。

 そんななか、魔法のなかでも速い方である雷系を扱うので、レムにとっていいリズムが作りやすいのだ。

 レムにも攻撃しやすいリズムが存在するはずで、ポルンはそれを読み取って動いている。

 でもまあ多分、ミズハは勘で同じことをしてしまうのだろうな。と思うと残念だが。

 二人はレベル差はあるものの、連携の精度が高いのでかなり強い。

 はっきり言うと、レベルをカンストしている三人が暇なのである。

 そんな三人は……。


「ぬ、また0か」

「セルファ、運ないな。あ、俺は4だ」

「俺も」


 ウィンドウで人生ゲームを展開させて遊んでいた。

 ゼツヤ作である。

 なお、この人生ゲームの他との大きな違いは、ルーレットに『0』があることではない。

 ルーレットが『0』と『4』だけで構成された『デス仕様』になっていることである。


 ※『4』→『し』→『死』→『death』である。


「なあゼツヤ」

「なんだ?」

「明らかに嫌がらせだよな。このルーレット」

「そうだな」


 それを思わせる最大の要因。

 まず説明するが、ルーレットの目が0と4しかない以上、最初から数えて4の倍数のマスにしか止まらないことを意味している。4とか8とか12とか16とか20とか。

 では、それ以外のマスにはいったい何が書かれているのか。

 全て一緒だ。『GOAL』である。


「なあ、サイコロ出してくれないか?」

「いいぞ、ほれ」


 ゼツヤはサイコロを渡す。


「おい、0と4しかないぞ」

「いや、だってサイコロくれって言い出すと思ったから専用に用意したからな」


 くだらないところで用意周到なのがゼツヤである。


「ていうか、サイコロは普通は1~6なんだ。ゴール確率が六分の五になるだろ。それは不公平だ」

「だからってこのルーレットはないだろ。これなら0と1の方がまだマシだ」


 確かに、六マスにつき五マスがゴールなのだ。変な言い方だが、リアルで紙に書いて作っても資源の無駄である。


「しかもこれ、全員が歩む道が同じじゃないか」


 0と4しかないのだ。当然、全員が同じマスを踏み続けるのは摂理である。


「俺も途中で思ったが、これって人生ゲームって言うより、二分の一を引き続ける競争みたいなもんだよな」

「リオの前では絶対にやりたくないゲームだ」


 恐らく百回やっても全て完全勝利されるだろう。


「ねえねえパパ~」


 レムが来た。


「どうかしたのか?」

「あのどあが開かないの~」


 レムが指差す方向をみると、ドアがあった。

 その横には石で出来た正方形の札が五つあり、さらに、それを入れる長細い穴があった。

 三人とも行ってみる。

 石の札には、『イチゴ』『メロン』『キャベツ』『オレンジ』『大根』が彫られている。

 穴の上には、『やさいをすべていれよう』と書かれている。漢字が使われていないのは全年齢に対象のためだろうか。


「これは初見殺しだな……」


 ゼツヤの呟きにシャリオとセルファがうなずいた。


「どう言うことなのですか~?」


 ポルンが聞いてくる。


「キャベツと大根は分かるよな」

「勿論です」

「イチゴは野菜だ。果物じゃない」

「ついでに言えば、イチゴはバラ科の多年草なんだよ。イチゴにとって果実は、表面の粒々の事だ。正式には痩果(そうか)って言うんだよ」

「ほえ~。そうだったのですか。はじめて聞きました~」


 単純なクイズなのだが、この年の少女には難しい問題なのではないか?いや、難しいと言うと少々表現が違うかもしれないが。

 イチゴとキャベツと大根のプレートを入れると、扉が開いた。


「これで進めるな」

「そうですね~」

「早く行く!」


 まあ、行くことに反対などない。

 その後も初見殺しはややあったが、まあ、そのダンジョンはモンスターは強くなく、ちょっと頭がよければ通れそうなギミックなど、シャリオがいるのでそもそも問題はなかった。

 勝手に連行されたわけだが、ポルンともなかがよくなったので良いとしよう。

 そう言えば、このダンジョン、作ったの誰なんだろうな。







 ……あ、俺だ。

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