少女のテンションは高いと言う法則は存在するのだろうか
さて、皆さんはレムという名前を覚えているだろうか。
セルファの娘であり、今現在ピッカピカの一年生になった子供である。
母親であるミナトの天然を遺伝子レベルで完全反映させた性格であり、セルファの小遣いが胃薬に消えていく原因でもある。
さて、そんなレムだが、友達はいるのだ。
テンション的には付いていくのがやっとだが、セルファとしては娘に友達ができたのはいいことだ。
しかも、同じくNWOのプレイヤーなので話題は多いだろう。
しかし、幼女が二人でいるというのは、ゲームのなかでも少々不安なものがあるというのが親の心情なのである。
だが、セルファは根っからの盾持ちの壁。できることは多くはない。
「で、何で俺まで巻き込んでるんだよ。セルファ」
「ていうか、変なところで理事長特権使うなよ」
ゼツヤとシャリオはセルファに愚痴っていた。
「心配だからだ」
「それはセルファ個人の話だろうに……レムならどんな状況でもポジティブに考えれるだろうしな」
あれから重量武器使いとしてとんでもない実力になったレムである。
「いや、相手が年上だからな」
「同じ小学校の友達ってことか?友達作るの早いな」
「確かに、まあレムの性格だからな……」
強制連行されている二人だが、レムの友達というのも興味がある。
「お、いたな」
二人組がいる。
レムと友達だろう。
装備的には雷系の魔法使いだ。
「よう、待たせたな」
「パパおそ~い」
即答か。さすがレム。
セルファはレムが絡むと色々とメンタルが崩れるからな。もうすでにダウン状態だ。
「初めまして、雷の魔法使いをしているポルンです。レムちゃんのリア友達で小学三年生です。よろしくお願いします」
なかなか礼儀正しい子だ。
「ゼツヤだ。よろしくな」
「シャリオだ。俺も魔法使いだからな。ま、仲良くしようぜ」
簡単な感じでいいだろう。
「で、あそこで沈んでいるのがセルファ。レムの父親だ」
「……」
「まだアイツ沈んでんのか」
「純粋ですね」
意味わかっていっているのかな?まあいいけど。
しかし、小学三年生にしては少々大人っぽい感じもするが、まあそんなものだろう。
「お二人はレベルは高いんですか?」
「二人ともカンストしているぞ」
「凄いですね」
「ポルンは何レベルなんだ?」
少額三年生で魔法使いだと、プレイ年数にも寄るが、平均すると35くらいかな。
「ふふ、実は私の友達が五人NWOをしているのですが、Aさんのレベルが私よりも12も高いんですよ。Bさんのレベルは私とAさんのレベルを足して割った数なんですよね。CさんのレベルはBさんのレベルよりも3低いんです。DさんのレベルはBさんとCさんのレベルを足して3で割った数なのです。Eさんのレベルは、Eさんを除く五人のレベルをすべて足して6で割った数で、私よりも4低いんですよ。さて、問題です。私のレベルはいくつでしょう」
「え、ええと……」
まずポルン本人のレベルをXとして、それから……だれか紙とペンくれ。あともう一回問題をいってほしい!物凄く!
「ポルンは36。Aは48。Bは42。Cは39。Dは27。Eは32だな」
シャリオ。もうちょっと自重しようよ。相手は小学三年生だよ。
「シャリオさんすごいです。完全正解です!」
「マジかよ!」
本当にあっているとは夢にも思っていた!(誤字はない)
「魔法使いで36か。レムは確か61だったか」
「レムちゃん高いんですよね~」
うん。確かに高いな。
「で、どんなダンジョンにいく予定だったんだ?」
ダンジョン作成のアップデートがあったのでこちらとしてもわからない状況だ。
まあ臨機応変にするだけなのだが、一応聞いておいても問題はないだろう。
「色々いってみたいんですよね~。まだアップデートから時間がたっていませんから、多くのダンジョンが小規模だと思いますし」
「まあ、ポイントコスト制だからな。構造にもよるだろうし」
大きなギルドが作っていない限りはいずれも小規模だろう。
数週間もすれば大きなダンジョンも多くなってくるだろうが、少なくともいまはそんなにはないはずだ。
初心者が作ったものなら三階構造だろう。
ゼツヤも何個かためしに作った結果の仮定であるが。
「魔法使いにとっていい素材はたくさんありますし、ダンジョン作成というものの利用方法の関係上、そういったアイテムが入手しやすいダンジョンもあると思いますから」
この子って本当に小学三年生?
なぜにこの年で大人の稼ぎ方を理解しているのだろうか……それともかなりのゲーマーだからこそ分かってしまうのか……不思議なことだが、まあいいとしよう。
「ま、俺たちがいるから適当に選んでも問題ないだろう」
「だろうな」
恐ろしい防御力を持つセルファに、臨機応変に動くことができる上に基本的な近接戦闘力のたかいゼツヤ。語る必要すらないシャリオ。
この三人がいれば「ちょっと待て!俺をサラッとディスるなよ!」……無視、この三人がいれば大概のダンジョンで危険になることはない。
そもそもゼツヤの存在そのものが準備万端のようなものなのだ。
「はぁ、行くか」
「シャリオ。ドンマイ」
「書籍化狙ってないからってメタ発言多いような気がするんだよなぁ……」
シャリオも遠い目をし始めるのだった。




