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ネイバーワールド・オンライン  作者: レルクス
ジョーカー・オン・ザ・ステージ
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決戦後の語らい

「いやー。暴れたな」


 ゼツヤ達は工房オラシオンのキッチンルームに場所を写して話していた。

 料理しているのはゼツヤとリオとセルファ(ミナトが料理をできないので大概セルファ担当のため可能)とドレイク(独り暮らし)である。なんで男性ばかりたっているのだろうか。まあいいとしよう。


「しかし、俺らが負けるとは思っていなかった」


 シュラインが呟く。


「僕も予想外だったからな。まさか、ミズハが僕の天敵だったとは……」


 今回は敵だからこそこうなったが、仮にリオとミズハが組んでいた場合、ミズハの直感でリオの摂理の中心地点(セントラル・ポイント)の条件を揃えるように動けることにもなる。思った以上に恐ろしいな。


「まあ、俺は楽しかったからいいけどな」


 レイフォスはからからと笑う。


「俺らの方は散々だったぞ」


 シャリオたち、他にもホールで乱戦状態だったときのメンバーは苦いかおをした。

 ただ、あのあとユフィにしっかり説明し、一応理解はしてもらえたが、その発想に関して怒ったユフィがシャリオを転ばせたあとマウントポジションで殴りまくっていたのは凄まじかったな。

 ポカポカじゃなくて、ドガガガガガガガガガって音がしていたからな。

 一つトラウマ増えただろう。


「それにしても、かなり壊れていたな」

「す、すみません」


 重労働をしたシュライン(ゼツヤは逃げた。でも最低限援助はした)にミズハは謝った。

 まあ、誰が想像するだろうか。

 したからクリアしていく建物を、天井をぶち抜いてクリアするとは。

 最初から最後を片付けようとするくせのあるミズハだが、予想はしなかっただろう。

 もっと分かりやすく言うなら、銃撃戦のゲームで、『塔』型のダンジョンに挑む際に、いきなり頂上をブラスターで貫くようなものだ。テンプレブレイカーである。

 ただ、ゼツヤとしては、シュラインが直すのが、予想以上に早かった気がした。


「そういやシュライン。直すのが早かった気がするが……」


 直すことそのものはシュラインなら余裕だろう。だが、あまりにも多い破損箇所(とくにホールが)を全て修復するのは、発見するだけでも時間がかかるはずだ。


「いやー、リオが破損箇所を全部教えてくれてな。おかげで助かった」

「ウィンドウを見れば一目瞭然だったけどな」


 そう言うことか。

 だがここで、サーガが呟く。


「建物の『破損箇所』は、その建物を所有しているギルドのギルドマスターしか確認できないシステムだった筈だがな」


 空気が凍る。全員がリオを見た。


「リオ、あの建物ってまさか……」

「言ってなかったか?あの建物は、ジョーカーのギルドホームだよ」

「「聞いてねえよ!」」


 シュラインとドレイクが叫ぶ。他のジョーカーのメンバーは頭痛を発生させているようだ。


「しかし、今回は修復費も高かったな。こんなに私情でお金を使ったのは久しぶりだ」

「ここまで使うことが過去にあったのか?」


 逆に疑問である。


「ああ、シエルと結婚する前、僕は彼女がたくさんいたんだが、シエルを選んだ時、他の女性を突き放すのは器の問題にもなるからね。アフターサービスをしたんだが、これでもかというほどせびられたよ。まあ、彼女達は僕の全財産なんて予想はしていないだろうからそこまで高くはなかったが」


 色々突っ込みたいが、今回の消費量とほぼ同じだと仮定すると、最後にそこまで多くはないといっている以上、損失は少ないと思っているのだろう。恐ろしい資産力だ。


「てか、彼女何人いたんだよ……」

「秘密だ」

「34人」


 ミズハが即答し、リオの眉がピクッと動いた。

 その動きを見逃すほどここにいる全員の観察眼は低くはない。そして、その意味を理解できないほど鈍感ではなかった。

 ……ミズハの前には嘘も秘密も通じないらしい。将来的に気を付けよう。

 あと、シエルはちょっと怖かったが。


「シエル。少々怖いのだが……」

「そんなに彼女がいたのね。あなた」


 めちゃくちゃ怖い。リオでもやっぱり怒ったときの妻は怖いのだ。


「まあいいじゃないか。一生をかけて君だけに尽くすんだから」


 なかなかくさいセリフだが、リオだからこそスゴさを感じるのだ。普通ならこの言葉を聞いただけで女性はおとせるかもしれない。

 しかし、シエルは普通ではなかった。


「盟約だからね」


 怖い。


「あ……はい」


 リオでも家族内では序列二位。子供の性格によってはそれ以下になってしまうのは回避できないようだ。

 まあ、回りにいる女性が揃いも揃って強すぎるのだが……。


「まあ何はともあれ、攻城戦は終了したな。今度は逆でやってみるか?」


 さすがシュレイオ。パターンチェンジの所持者である。

 この辺りが変え際だと全員一致したようで、各々頷いた。


「次は負けないぞ」

「でも乱戦は嫌だぜ。ていうか、今回のあの乱戦ってほぼ意味がなかったんだよな」

「天井をもっと頑丈にしておくべきか、まあ次はミズハは守る側になるから必要はないか」


 壁をぶち抜いてジョーカーのメンバーを狙うかもしれないがな。


「まあとにかく、今回はこれで終了だな」

「ああ」


 さて、長くなると思っていた攻城戦も流星によって短縮され、思わぬ結果になったが、一区切りついた。


「ああそれと、学生諸君。中間テストや期末テストの方はしっかりと勉強して取り組むようにね」


 その言葉によって、学生率の高いこの部屋に妙な空気が流れたのは仕方がないだろう。

 シャリオはそうでもなかったが。

 なんだかんだ言って、教えることを得意とした者もたくさんいる。

 中間も期末も、少なくとも赤点はなかった。

 そして、全員が新学期を迎える。

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