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ネイバーワールド・オンライン  作者: レルクス
隣世界の冒険者
109/218

帰還と真実

 帰ってきた。

 いつも通りのベッドに寝転がっている。服装は寝たときのまま……だと思う。数年前だから確信できない。

 起き上がる。

 特にからだに不自由はなかった。まあ、実質的にはそこまで長い時間向こうにいたわけではない。


「帰ってきたのか」


 ウィンドウを開く。その後、ミズハ。いや、桜にコールした。


『あ、竜一くん』

「桜。帰ってきたな」

『え、何をいっているの?』


 ………………………え?


『それにしても、変な時間にコールしてきたね。なにか発見したの?』


 まさか……。


「いや、ちょっとな」

『どうかしたの?』

「いや、もしも仮にさ、俺たちの学校の全生徒が、NWOに入ったらって言う感じになったら、どうなるんだろうなって思って」

『ふーん。竜一くんはそんなことを考えるんだね』

「ああ、まあそうだな。桜はどう思う」

『うーん……竜一くんが過労死すると思うよ』

「それは勘か?」

『そうだね』


 覚えていないのか、それとも、記憶がブロックされているのか、それとも、ただの長い夢だったのか、それとも、ゼツヤ一人があのせかいに行ったのか。

 分からない。


「桜、すまんな。変な時間に」

『全く問題ないよ。それじゃ!』

「ああ」


 通信を切った。


「……『ダイブイン』」


 竜一はゼツヤになった。

 いつもと変わらない雰囲気だった。


「ゼツヤ様。どうされますかな?」


 ロイドが聞いてきた。


「そうだな。ある武器を作るよ」

「畏まりました」


 とはいっても、ロイドがすることは、必要があれば取りに行くか、それとも待機か。そのどちらかである。

 ゼツヤはウィンドウを開いた。

 ない。『エレメント・ミラージュ』がない。

 まあ、予想通りではある。

 早速作ったが、能力に変わった部分はない。同じだった。


「まあいいか」


 それはいい。

 しかし、誰もなにも覚えていないというのは悲しいものがある。竜一だけがあの世界にいった可能性もあるのだが、まあそこは後々考えるとしよう。

 今一番重要なのはなにか。それを考えるべきだろう。

 ……そういえば。三学期の最初に、課題テストがあるのだった。


「やばい。軽く二年くらい勉強してないぞ」


 どうせみんな一緒なのだからいいと考えていたが、もしも仮に竜一だけがあの世界にいったとしたら……お、おそろしい。


「かえってまずすることが勉強か。高校生だもんな。俺」


 分かっていたことではある。だが、なにかが納得できない。

 机に飛び付いた。

 ウィンドウを開いて教材データを引っ張り出す。

 うーん。全然わからん。

 理不尽だ。あの世界に送ったやつ、絶対に許さん。

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