表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ネイバーワールド・オンライン  作者: レルクス
隣世界の冒険者
100/218

のんびりしたいときは釣りでもしよう

 息抜きと言う言葉は重要である。

 緊張感を張ったままだと普通に疲れるし、自分の意思でアバターを動かすフルダイブなら尚更だ。


「先客がいるな」


 ゼツヤはロミュナスからそれなりに近い釣りポイントにいってみると、先客がいた。

 色は、黒の服装に青いラインが入っているもので構成されている。

 あまり見ないアバターだった。


「ん?ああ、ゼツヤ君か」

「君は?」

「僕はエルザだよ。よろしく」

「ああ、隣いいか?」

「どうぞ」


 エルザのとなりに座る。

 しかし、ゼツヤを見てもなにもないと言うのは珍しいな。まあ、五月蝿くないのでゼツヤとしては不満はない。いつも通りにする。


「ここにはよく来るのか?」

「僕のこの世界での好物が泳いでいるからね。何びきつっても居なくなることはないし」


 まあ確かに、居なくならないのはゲーム何で当然だが、好みがいると言うのはいい話である。

 で、次の瞬間。エルザがマグロを釣り上げた。

 かなりの大物だった。

 この世界の釣りにおける筋力はSTRによって決まっている。あれだけのものなら、かなりの筋力値が必要である。しかも、そもそも釣りスキルや道具が悪いとかかることはないし、餌が悪くても来ないのだ。


「すごいな。リアルでスポーツフィッシングとかやるのか?」

「いや、それはやっていないよ。というか、リアルではスポーツフィッシングをする場合は料金がいるからね」

「そうだったか?」

「スポーツフィッシングでよく使われるのはブラックバスっていう魚なんだけど、この外来種の魚は、鮒の卵を普通に食べるから、環境を整えてもブラックバスがいると数は減少しやすい。だからブラックバスは隔離繁殖されている。しかも、今現代はVR技術が中心で進んでいるから、あまりそういうところが無いんだよ」

「ブラックバスって鮒の卵食うの?」

「うん」


 まあ、そんな雑談もしていた。

 で、また大物が釣れた。と思ったら、したからモンスターが飛び出てきてマグロがひと飲みにされた。

 で、エルザ飲もっていた包丁型短剣で千切りにされた。


「あ、すでに食える感じになったな」

「あのモンスターは調理しても毒もっているから気を付けないといけないんだけど、毒抜きも終わっているから問題ないよ」

「毒あったんだ」

「あまりいないけどね」


 いてほしくないな。

 で、そのモンスターを食べて休憩したあと、また竿を握る。


「て言うかさっきから俺のところにかからないんだけど」

「となりに僕がいるからだと思うよ」

「だよなぁ。ていうか、さっきの短剣……というより包丁さばきか。凄かったな」

「料理スキルもマスターしているからね」

「なるほど。あ、またエルザの方にかかった」


 何びきつっているんだろう。


「て言うか結構つっているけど、全部食うのか?」

「できるわけ無いね。ほとんどは売るよ」

「まあ、これだけ大きいんだから、それなりに儲かっているんだろうな」

「うん」


 プロだな。うん。

 しかし、エルザの雰囲気は同級生だろうが、何となく年下な感じがする。

 クラスメイトにそんな感じの生徒がいた気がするが……。


「エルザって、海道直樹(かいどうなおき)なのか?」

「そうだよ。糸瀬竜一君」


 なるほど。クラスメイトだったか。それなら納得である。

 こんな趣味があるとは知らなかったが。


「というか、噂通りのひとだね。ゼツヤさん」

「別にゼツヤでいいぞ」

「そう言う性格です」

「それならそれでいいけど、それにしても、噂通りねぇ。最近の俺は以前の俺と違う部分もある気がするけどな」

「根本的には変わっていないよ。リオさんがいっていた通りだ」

「リオねぇ……リオ?」


 久しぶりに聞く名前だ。


「お前、リオの知り合いか?」

「今年に入ってまだゼツヤさんは理緒さんにあってないよね」

「ああ、忙しかったって」

「すでに実はギルドも作ってる。リオさんはマスターだよ」


 リオがギルドねぇ。いったいどんなメンバーが揃っているんだか。


「僕が一番弱いけど、特にシュラインさんはそう言うこと気にしないからね」

「まあシュラインはそうだよな」


 考えなくてもわかる。


「ちなみにギルド名ってなんなんだ?」

「『ジョーカー』だよ」


 なるほど、ババにも切り札にもなると言うことか。リオらしいネーミングセンスである。


「今のところ大きなことはしていない。そのうちするらしいけど。でも今の環境だと、よほどのことをしないといけないから考えるのに夢中らしいね」

「ま、過労死しないように気を付けな。リオってああ見えてたまに壊れるから」


 器用なので、シャリオ以上にバカを演じることもできる。そうなったときにリオはヤバイことになるからな。あれにはあまり関わりたくはない。


「楽しいか?」

「ギルドメンバーはみんな面白いしね。生産職。それも細かい作業を担当するひとがいないからリオさんがやってる」

「シュラインは無理だよなぁ。あいつは手抜きはしないけど」

「そう言えば、ゼツヤさんには弟子がいるってリオさんがいっていたけど……」

「デュエルカップのトーナメントに出ていたぞ。ローズとホルンとピクルの三人だ」

「あの三人って、戦闘力は確かに高いけど、生産としてはどうなの?」

「俺の書庫がわりのホームにいつもいるからな。それなりに高いぞ」


 ローズは『裁縫』『細工』であり、ホルンは『木工』『調合』で、ピクルは『鍛冶』『鉄工』である。生産系スキルは他にも色々あるのだが、高水準をやろうとするなら絞った方がいい。ゼツヤがバカなのである。


「少なくともそんじゃそこらの生産職には負けない実力はある。かなり個性的だがな」


 特にローズがそうである。


「ま、生産なんて言うのは根気勝負だからな。あとエルザ。ひとの話を聞きながら大物ばかり釣るの止めてくれないか。なんか自信がなくなってくるんだけど……」


 エルザはリアルでもアバターでも弟系である。かわいい顔してポテンシャルは高い。

 さすが、リオのギルメンである。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ