表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ネイバーワールド・オンライン  作者: レルクス
クラスメイトで団結しよう。主人公除く。
10/218

生産者ゼツヤの魔法講座

「そう言えばゼツヤさん。さきほど『ジャッジメント・レイ』を使っておられましたが、あれは『光属性魔法』のかなり上位の魔法だったと記憶しておりましたが……」


 レミリアが言った。そう言えば光属性の魔法使いだったな。


「良く知っていたな」

「自らが使う魔法の上位魔法ですから、予習はしておりますので」


 レミリアのリアルは当然知っているが、まあ確かにおなじ感じの子だった。確かに、少々清楚な感じの女生徒だったと思う。


「え、でも、この前のゴブリン戦の時、『コールドフレア』を使っていたよね」

「そうなのですか?あれは、火属性と氷属性の熟練度を上げないといけないらしいのですが……」


 なかなか調べているな。まあ、魔法は確かに攻略サイトにもいろいろ乗っているからな。


「その、見たところ、アタッカーに見えるのですが、MPは大丈夫なのですか?」


 この本拠地に入ってからかなりの数『ジャッジメント・レイ』を使用している。確かに不安にはなるだろう。

 当然のことだが、『INT』をあげていなくても、『光属性魔法』の取得、熟練度を上げることは可能だ。


 ランク1からランク10まである魔法には様々なジャンルがある。


 まず、一般的なものが『属性魔法』である。火だったり水だったり、そう言ったいかにもファンタジーのような魔法のことだ。


 次に、『召喚魔法』と言うもので、これは前にも説明したが、MPを素材にするものと、経験値を素材にするものがある。


 そして、『回復魔法』と言うものがあり、HPの回復はもちろん。状態異常の回復や、他にも『支援魔法エンチャント』と言ったものを使うことが出来る。


 そして、MP消費量だが、


【Z×10+(-2Z≦X≦2Z)=MP消費量】

【Z=使用魔法のランク】


 と言う式で成り立っている。

例えば、火属性の魔法のランク1である『ファイアボール』は、


【1×10-2=8】


 となる。やや多い。

 なお、『エンチャント』の場合は、全て『X』は『-2Z』になる。

 因みに、ランク5では、


【5×10+(-10≦X≦10)=(40≦60)】


 となるので、消費MPに最大と最小で20の差が出る。

 これがランク10になると、


【10×10+(-20≦20)=(80≦120)】


 となるため、40の差が開くのだ。


 そして、『ジャッジメント・レイ』は『光属性魔法』の、ランク8である。消費MPは『78』であり、かなり多い方だ。レベルカンストで『INT』を上げていても、そこまでMP量は増える訳でもないので、大体10発も打てばMPが空になる。結構使っているので、不安になっても仕方がないだろう。


 ちなみに、『MP14000』になれば、最大消費量である『120』に、さらに『強化魔法』と言うスキル『ブーストマジック』と呼ばれる。消費MPを2倍、3倍にすることで、規模が跳ねあがると言うものだが、最大出力の『120×3=360』であっても、38回も使用できるのだ。しかも、この世界のポーションは全て『MPの最大値の○%回復』と言うものであり、無論だが『即時MP全回復』と言うものもある。クーリングタイムは『10分』と少々長いが、そんなものは関係ない。連発可能だ。普通に。


 まあ、少々言いづらいが、『ゼツヤは光属性魔法を取得していない』のだがな。


「いや、問題ない。MPポーションは持ってきているからな」


 ここにきて一本も使っていないのも事実だが。


「まあそれはいいとして、地下一階だというのに恐ろしく広いな……」


 そう、基本的にはそれを考えていた。ものすごく広い。もう2時間くらいは普通に歩いているのに、まだ階段すら見つからない。

 確かに中はまるで迷宮と言わんばかりの複雑さだし、こういったホームに潜入した場合はマップに記録されないが、それを入れても広すぎである。


「一体、どれだけのレイクを使ったんだ?これ」


 オリオンが声を漏らす。これでも上級ギルドのプレイヤーだが、ここまでの規模は見たことがないようだ。


「1憶とか2億ではすまないだろうな。軽くその数倍はあるだろう」

「一体どうしたらそんなに集めることが出来るんですかね?」

「うーん……スクロールを大量に入手するメリットは何だと思う?」

「関係あるんですか?その話」

「あるよ。何だと思う?」

「……ちょっとわかりません」

「スクロールの特徴は『その魔法を本来使用する分のMPが必要』『一度使ったら消滅するため使用不可能になる』と言うのが普通だし、それが本来のスクロールの役割だ。だが、いろいろあってな。スクロールって言うのは、『自らが使用できない魔法を簡単に使用することが出来る』というのが強い部分なんだよ。あと『この魔法はどれくらいの威力が出せるのか』と言うことを調べるのにもいいからな」


 スクロールを甘く見るものは多い、だが、今まで自分が使えなかった魔法が使えるというのはあまりにも大きい。

 MPを本来の数値分消費するという部分がある以上、使うのは魔法使いの方がいい。だが、たとえピュアファイターであったとしても、ランク10魔法であってもレベルが高ければ使うことが出来る。一回くらいだろうが。


 さらに、二重属性を持つ魔法、例えば『コールドフレア』がそうだが、これを一般的にほとんど上級プレイヤーが使用している。これは、例えば『コールドフレア』を使い続けていれば、その分『火』と『氷』の魔法の熟練度が『同時に』上昇するからだ。


 だが、スクロールにはそんなものは関係ない。スクロールが本来属している魔法スキルを所持していようがいなかろうが、持っていればMPを使うだけでその魔法が使える。ダメージの値が固定されているのも事実だが『全回復』や『完全蘇生』のような、『使えることに意義がある』と言える魔法は、所持しておくだけでメリットになる。


 と言うことを説明した。


「そうなのですか……」


 レミリアが呟いている。


「あと、さっきも出たけど、戦士職であっても『範囲系魔法』が使用できる。これも大きい。その分、いろいろと奇襲ができるからな」


 ちなみに、スクロールは丸めたままでも使用可能だ。回復であれば、ポーチにいれているままで使用することでそのまま回復できる。MPは消費されるが、ポーションを飲むのより断然早い。


 ただ、スクロールと言うのは、発動音声の設定ができる。設定条件は、その魔法の本来の文字数以上であることが前提であるが。


 ただ、これには妙な思い出がある。

 忍者っぽい感じのプレイヤーが丸めたままのスクロールを片手で持って、『火閃光の術!』と言ったと思ったら、『プラズマレーザー』というランク9の『火+光属性魔法』が飛んできたときには焦った。いや、本当に。あんな使い方もあるのである。忍術じゃないって。


 この設定音声の変更の主な使い手は、相手に魔法発動まで、その効果を悟らせないようにするためだ。これは誰もが納得するだろう。


 裏技だが、『ファイアボール』のスクロールの起動設定を『ウィンドカッター』に変更し、実際に『ウィンドカッター』と叫ぶと、その『ウィンドカッター』の魔法が使用可能であり、MPがあるのなら、『ファイアボール』と『ウィンドカッター』が同時発動する。あれはすごかったな。まあ、友人が普通にやっているけど。

 ただ、魔法とスクロールの同時発動はできても、スクロールを2枚以上同時に使用するのは『普通は』不可能だ。


「ていうか、この前のオークションの時、巨大ギルドがばかみたいな金額で競り落としてただろ。それほど重要なんだよ。特に、自分たちが使用できない魔法はな」


 しかもそれが汎用性の高い魔法であるなら、その価値はもっと上がる。


「で、稼げる話に戻すけど、大量のスクロールがあれば、『本来持っていない強力な戦力』を所有することが出来る。これは納得できるよな」


 全員が頷く。


「要するに、強力な魔法のスクロールさえそろっていれば、本来レベルに適さない狩場でも通用するときがかなりあるんだよ。無論。無くなってきたら撤退するのが普通だが、NWOはHPが尽きて始まりの街に戻ってもレイクは減少しないから、多少無理しても問題ないんだ。そう言ったスクロールを所持して、絶好の狩場さえ押さえておけば、安定してレイク手に入れることが出来る」

「スクロールってそんな簡単に手に入れることが出来るんですか?」

「……ランク5の最弱魔法一枚と、レベル80くらいの奴らの適正エリアでモンスターを20体くらい倒した取得レイクが同じって感じだな……NPCショップでならって話だけどな」


 コストが悪すぎる。


「それって……大赤字じゃないですか」

「その通りだ。だが、生産できるとなれば話は別だ」

「ああ、なるほど、『ほしければ 自分で作れ NWO』って言うのは、黎明期から言われていましたからね」


 よくわかっているな。オリオン。


「その通りだ。まあ、慣れるまではクソめんどいんだけどな」

「そんなに複雑なんですか?」


 今度はミラルドが聞いて来る。


「そうだ、恐ろしくめんどくさい」


 まあ、説明する。


①『マジカルメリー』と言う羊モンスターの毛を刈り取る。倒してはいけない。ステータスは高くて獰猛で普段から目が血走ってるし、状態異常無効化だけど。しかも後押しで、一体から取れる量が少ないけど。


②『裁縫スキル』を使用し、スクロール用の紙にする。自動は不可能。なお、ランクに適した大きさでなければいけない。


③『支援魔法』の熟練度をあげて『スクロールエンチャント』を取得する。必要熟練度700(どのスキルもマスターは1000)。


④スクロールに込めたい魔法を取得する。または『使用可能にする。』


⑤エンチャント用のMP(込める魔法のランク×10+本来の消費MP量)を用意する。


⑥エンチャント実行。


 と言うものだ。


「めんどくさいですね」

「だろ?」


 ちなみにゼツヤなら。


①ソウヤ任せ。ソウヤは『サモナー』で召喚術の使い手なので(熟練度1000)、実力はばっちりあるのでどうにかできる。


②これが自分で細かくやって行く。その方が早い。


③すでに攻略済み、エンチャントはもとから自分でできる。


④使用したい魔法に関しては、『特定された1つの魔法を使うことが出来るアクセサリー』があるので、それでどうにかする。今現在、『ジャッジメント・レイ』が使えるのはそのおかげ。え?チート?心外だな。『理不尽』と言ってくれ。


⑤ポーションとアクセサリーでMP増加。


⑥実行


 と言った感じになる。器用だな。我ながら。


「いろいろ勉強になりました」

「どうも」


 進んで行く。


 やっと、螺旋階段を発見した。ふう。



誰か、誤字や脱字の指摘、感想をお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ